かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

映画

12人の怒れる男

名作との評判が高い「十二人の怒れる男」のリメイク。三谷幸喜氏がこれをモチーフとして舞台化した「12人の優しい日本人」の映画版なら観たことがあるのですが、実はオリジナルの「十二人の怒れる男」は未見です。ただ、三谷版のようすから、12人の陪審員た…

2008年に劇場で観た映画・私的総括

2008年に劇場で観た映画の総本数は邦画28本・洋画12本の計40本。昨年より邦画が2本増えて洋画が1本減り、合計では昨年より1本増でした。シネモンドもユナイテッドシネマも会員になって序盤は結構順調に行けてましたが、終盤に来て少し仕事が忙しくなったり体…

トウキョウソナタ

リストラされ失業したが言い出せない父、突然米軍の志願兵に行くと言い出す長男、ピアノを習いたいと主張できない次男、そして、そんな物も言えないバラバラな家族を何とかつなぎとめたいと思いつつ黙々と食事の支度をする母。家族の崩壊と再生をテーマとし…

宮廷画家ゴヤは見た

ゴヤの伝記的映画なのかなと思っていたのですが、そうではありませんでした。ゴヤはあくまで宮廷画家という観察者・目撃者としての立場で、主役ではありません。 といってもがっかりはしていませんよ。ゴヤは18世紀のスペインの革命の動乱において、ある2人…

しあわせのかおり

地元金沢が舞台の映画です。港町(大野町といいます)で小さな中華料理店を営む料理人・王さんのもとに、その料理に魅せられた女性・貴子が弟子入りするお話。過去に暗い影を持つ貴子は中谷美紀さん、実直で仕事に誠実な王さんは藤竜也さんが演じます。特訓…

ハッピーフライト

僕はめったに飛行機は乗りません。海外旅行は20年前にいちど行ったきりです。国内線に乗るのも3年に1回あるかないか。東京出張のときはだいたい電車です。空港までの往復を考えると時間的にあまり変わりませんし、そのわりに料金は半分くらいで済みます。搭…

TOKYO!

3人の外国人映画監督がそれぞれの視点で東京を描いた3本のオムニバス映画なのですが、甘甘採点の僕としても久々の「ハズレ」映画。3本ともにいろんな意味で不愉快でした。 ネットでの評価によれば、2本目の「メルト」は激しく嫌悪する人が少なくありません。…

容疑者Xの献身

実におもしろい! テレビシリーズを全話楽しく観た僕としても、いかにもテレビシリーズの続編っぽい無駄なお金の使い方はもったいないなあとか、最後の雪は要らないなあとか、いくつかいちゃもんはつけたくなるものの、とにかくお話としては純粋に面白い!!…

おくりびと

所属オーケストラの解散で職を失った元チェロ奏者が、郷里の山形で納棺師として生きていくというお話。モントリオール世界映画祭のグランプリを受賞したとかで話題になっていましたが、評判にたがわず素晴らしい作品でした。 誰にも訪れる人間の死というもの…

パコと魔法の絵本

最高! 現時点で今年のマイベスト作品であります。 原作は、後藤ひろひとさんの舞台「ガマ王子vsザリガニ魔人」。ストーリー自体はシンプルでわかりやすいものです。偏屈で超ワガママな会社社長・大貫は入院先の病院でも嫌われ者の「クソじじい」。しかし、…

百万円と苦虫女

ひょんなことから前科者になってしまった鈴子は、地元に居づらくなり実家を離れる決心をします。「自分探し」ではなく、むしろ「自分を探したくない」という現実逃避の旅。たどりついた先で働き口を見つけて黙々と働き、貯金が百万円に達すると――それはちょ…

ラフマニノフ ある愛の調べ

ロシアの音楽家セルゲイ・ラフマニノフの半生を描いた作品。米国演奏ツアー中のラフマニノフが過去を回想するという構成になっていますが、それらのエピソードを時系列順に整理すると、ざっと以下のようになります。 貴族出身だったが生家が没落し両親が離婚…

ぐるりのこと。

何事にも几帳面でちゃんとしたい妻と、だらしがなくいい加減で頼りなげな夫。幼子を亡くしてから「ちゃんとできない」ことに思い悩み、妻は心を病んでいくのですが、法廷画家の夫は、公判の場で90年代に起こった凶悪犯罪に接しながら、とりわけ子どもが犠牲…

20世紀少年【試写会】

人気マンガの映画化ですが、原作は読んでいません。まあ、この作品に限らず、ここ20年くらい「のだめ」以外のマンガはほとんど読んでいないんですけどね。というわけで、この作品のことを知ったのは映画の制作発表のときだったのですが、まずキャストの豪華…

歩いても 歩いても

主人公夫婦の阿部寛さん&夏川結衣さんといえば「結婚できない男」ですが、この作品では無事結婚しており、すでに子どももいます。もっとも、妻はバツイチ、息子は連れ子で、そのことを夫の両親は気に入らない様子。そんな実家に嫌々ながら久々に帰省した息…

接吻

自らの逮捕に際して不気味に笑みを浮かべる殺人犯・坂口。テレビでその微笑を目の当たりにした瞬間、今まで孤独で抑圧された人生を歩んできたOLの京子は、坂口と自分は同類だと確信する。狂気的な主人公を演じる小池栄子さんの演技が光る作品です。 通常人の…

崖の上のポニョ

舞台は海辺の小さな町。崖の上の一軒家に住む5歳の男の子・宋介と、さかなの子「ポニョ」の出会いと成長の物語。宋介に出会ったことで人間になりたいと願うようになったポニョは海の世界を抜け出しますが、そのために人間の世界に大変な事態を引き起こします…

クライマーズ・ハイ

1985年8月、群馬県御巣鷹山に日航機が墜落。この未曾有の航空機事故をめぐって奮闘・葛藤する地元新聞記者たちを描く骨太な物語です。当時新聞記者として実際にこの事故を取材した横山秀夫氏の同名原作は未読。佐藤浩市さんの主演で好評を博したNHKドラマ版…

幻影師アイゼンハイム

原題の「The Illusionist」は、「幻影師」と訳されています。聴きなれない職業名ではありますが、この作品を観たならば、主人公はまさに「幻影師」であると実感できるでしょう。邦題が珍しく成功している例だと思います。 ネタバレ承知であえてひとついうな…

西の魔女が死んだ

感受性が強すぎて登校拒否になった少女が、英国人の祖母との田舎生活を通して心の平安と成長を得ていく物語。舞台となる「西の魔女」ことおばあちゃんの家は、まさに英国のカントリーハウスといったおもむき。美しい自然と素朴な生活にすっかり魅了された孫…

奇跡のシンフォニー

孤児院で育った少年が音楽の才能を発揮しながら、まだ見ぬ両親を探し求めるお話。 父親はロックミュージシャン、母親はチェリストなのですが、この2人の若い頃、彼らの登場シーンがいきなりカッコいいのです。まず母親がコンサートでチェロ協奏曲を弾いてい…

ザ・マジックアワー

3分に10回笑うとか、爆笑に次ぐ爆笑という触れ込みでしたが、わたしにとっては前作「THE 有頂天ホテル」がまさにそうでした。なので、三谷監督が大量にメディアに露出して「最高傑作」と力説する以上、これは今作は「THE 有頂天ホテル」をも上回る爆笑の渦が…

最高の人生の見つけ方

病院で同室になり、ともに余命6ヶ月と宣告された初老の男2人。彼らは死ぬまでにやりたい「棺おけリスト」をつくり、それらを一緒に実現していくわけですが、その実現の仕方が実によくできています。やがて彼らは亡くなってしまうのですが、その後、ラストと…

山のあなた 徳市の恋

70年前の作品「按摩と女」を完全カバーしたものだそうですが、山の温泉場も当時の佇まいを再現しているようです。その雰囲気は実に味わい深く、まるで自らそこに逗留している気分にすらなります。ああこんなところで何泊でもして、按摩さんに体の手入れをし…

ダージリン急行

何でも仕切りたがる強圧的な長兄、少し屈折した神経質で寡黙な次兄、女好きで頑固な一匹狼の末弟。父の葬儀後に疎遠になった三兄弟でしたが、長兄の提案でインドへの「スピリチュアル・ジャーニー(心の旅)」に出ます。兄弟はみな我が強く、それぞれに問題…

ぼくたちと駐在さんの700日戦争

1979年当時の栃木が舞台。不良というには他愛もないイタズラ好きの悪ガキ高校生と、彼らを徹底的にうちのめさんとする大人気ない駐在さんとのどうでもいい(笑)抗争の日々。随所に笑いが起こる青春コメディーです。市原隼人くんが演じる主人公ママチャリは…

アフタースクール

いやいや、気持ちよく騙されました。 この爽快などんでん返しっぷりは「キサラギ」的なものを思わせますが、 そこまで舞台っぽくはなく、より映画的です。 なんでこのキャスティング?という役者もいたのですけど、 それさえも巧妙な理由がありまして、納得…

グミ・チョコレート・パイン

(2008/04/27@シネモンド) ★★★★

全然大丈夫

ざっくりいえばいわゆる「ゆる系」の映画ですが(キャッチコピーもずばり「憩いまくりたい人々に贈る、 恋のユル騒ぎムービー!」とあります)、たとえば「かもめ食堂」「めがね」のような、多忙な毎日に疲れた(おそらく「勝ち組」であった)コギレイな女性…

うた魂(たま)♪

序盤はギャグがうわすべり気味でしたが、ゴリ(ガレッジセール)率いる湯の川学院が登場してからガゼンおもしろくなりました。こういう映画は合唱のパフォーマンス自体がどれだけクオリティが高いかで左右されるものですが、あの「15の夜」は、ほんとうに奇…