県外の気になるクラシック演奏会…遠征するかもリスト【2017年春夏】
井上道義・庄司紗矢香(ラ・フォル・ジュルネ新潟2017)
「ラ・フォル・ジュルネ金沢」が路線の違いにより今年から中止になり、新たに「いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭」という、どう略したらいいかわからないイベントに衣替えします。初年度のテーマはベートーヴェンなのでそれなりに集客を維持できるとは思いますし、私自身いくつか聴きたい公演がありますので、1日くらいは出かけると思いますが、世界観が確立し演奏家人脈が豊富な「ラ・フォル・ジュルネ」というブランドを失ったのはやはり大きい。何より金沢にラ・フォル・ジュルネを持ってきた立役者の井上道義さんが、この新音楽祭には一切出演しないようになったのが個人的には最も残念です。
井上さんは東京と新潟のラ・フォル・ジュルネには出演するんですよね。東京では伊福部昭の日本組曲やマリンバ協奏曲、アルゼンチンタンゴのミサ曲、2台ティンパニとか林英哲の太鼓との共演など、じつに興味深いプログラムを演奏します。とはいえ、混雑を極めるゴールデンウィークに東京へ出かけるというのはちょっと気が進まない。
では新潟はというと、上記のうち、井上さんが指揮をするのは2台ティンパニ…米国作曲家グラスの「2つのティンパニとオーケストラのための幻想的協奏曲」なんですが、その流れでつらつらと「ラ・フォル・ジュルネ新潟2017」のプログラムを眺めていたところ、同公演の後、同一会場でなんと庄司紗矢香さんが登場するプログラムがあるではありませんか。
庄司紗矢香さんは私が最も好きな演奏家の一人で、ラ・フォル・ジュルネにもちょくちょく登場します。金沢も過去何度か出演しましたし(必ず鑑賞)、今年は本場のナントの公演に出演しました。で、日本では今年はこの新潟だけに出演するというのです。
しかも、レスピーギのヴァイオリン協奏曲という、まるで知らないレア曲を演奏します。なんでも未完の作品をイタリア人指揮者のサルヴァトーレ・ディ・ヴィットリオが近年補筆し、2010年に初演された曲とのこと。共演はディナ・ジルベール指揮シンフォニア・ヴァルソヴィア。ほかに上野星矢のフルートでJ.S.バッハの管弦楽組曲第2番。
井上さんの公演と併せて聴きに行っちゃおうかなあ…と、ちょっと心が動いているところであります。
ラ・フォル・ジュルネ新潟2017
2017/4/29(土・祝)9:45-1030
りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館 コンサートホールティンパニ:ビョートル・コストゼワ、ビョートル・ドマンスキ
管弦楽:シンフォニア・ヴァルソヴィア
指揮・お話:井上道義■グラス:2つのティンパニとオーケストラのための幻想的協奏曲から
■ブラームス:ハンガリー舞曲から
■ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集 第1集 Op.46より指定:1,500円
ラ・フォル・ジュルネ新潟2017
2017/4/29(土・祝)15:00-15:45
りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館 コンサートホールフルート:上野星矢
ヴァイオリン:庄司紗矢香
管弦楽:シンフォニア・ヴァルソヴィア
指揮:ディナ・ジルベール■J.S.バッハ:管弦楽組曲 第2番 ロ短調 BWV1067
■レスピーギ(ディ・ヴィットリオ補筆):ヴァイオリン協奏曲 イ長調 P.49指定:2,000円
2017年3月18日(土)チケット発売開始
小澤征爾×マルタ・アルゲリッチ×水戸室内管弦楽団
さきほど、ゴールデンウィークに東京に行くのは気が進まないと書きましたが、実は2014年だけはラ・フォル・ジュルネのために東京遠征をしました。というのも、マルタ・アルゲリッチとギドン・クレーメルの夢の共演がラ・フォル・ジュルネではじめて実現した稀有な例だったからです。
アルゲリッチというと、例年、この時期を前後して「別府アルゲリッチ音楽祭」開催のため来日していますが、今回の別府には小澤征爾さんが水戸室内管弦楽団を率いて登場、5月17日にアルゲリッチとベートーヴェンピアノ協奏曲第1番を共演するとのこと。いつかこの音楽祭のために別府まで行ってみたいなあと常々思っていたのですけど、今こそその時かもしれない?と思ったりしています。小澤征爾さんはいまままで一度もナマで聞いたことがないし。
さらに調べてみたところ、その少し前(5月12日・5月14日)に、水戸室内管弦楽団の定期演奏会(水戸芸術館)が開かれ、同じプログラムを演奏するということがわかりました。ただし、お値段は別府が6,000~25,000円、水戸が20,000~28,000円とかなりなモンです。しかもものすごい競争率だろうなあと。
というわけで聴いてみたいけど、実現性は低いでしょうか。。。
水戸室内管弦楽団 第99回定期演奏会
2017年5月12日(金)19:00開演
2017年5月14日(日)15:00開演
水戸芸術館 コンサートホールATM指揮:小澤征爾
ピアノ:マルタ・アルゲリッチ【第1部 指揮者なし】
■グリーグ:組曲「ホルベアの時代より」作品40
■グノー:小交響曲 変ロ長調
【第2部 指揮:小澤征爾】
■ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 作品15全席指定:S席 28,000円/A席 25,000円/B席 20,000円
2017年2月26日(日)9:30~一般発売開始
【2/26(日)一般発売開始】
— 水戸芸術館 (公式) (@art_tower_mito) 2017年2月24日
水戸室内管弦楽団・別府アルゲリッチ音楽祭共同制作
「水戸室内管弦楽団 第99回定期演奏会」
5/12(金)19:00開演
5/14(日)14:00開演
指揮: 小澤征爾
ピアノ: マルタ・アルゲリッチhttps://t.co/qxya2o5bjZ pic.twitter.com/KyOEXzBt4b
第19回 別府アルゲリッチ音楽祭2017 室内オーケストラ・コンサート
2017年5月17日(水)19:00開演
大分 iichiko 総合文化センター iichikoグランシアタ指揮:小澤征爾
ピアノ:マルタ・アルゲリッチ【第1部 指揮者なし】
■グリーグ:組曲「ホルベアの時代より」作品40
■グノー:小交響曲 変ロ長調
【第2部 指揮:小澤征爾】
■ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 作品15全席指定:GS席 25,000円/S席 18,000円/A席 12,000円/B席 8,000円/C席 6,000円/ユース 3,000円(小学1 年生〜22 才)
2017年3月5日(日)10:00~一般発売開始
ちなみに「別府アルゲリッチ音楽祭」と大分県のPR動画「OITA PEACE SYMPHONY」がけっこうかわいい。
『OITA PEACE SYMPHONY』 2017年別府アルゲリッチ音楽祭
ハオチェン・チャン
先に述べた庄司紗矢香さんもそうですが、北陸三県くらいだったら遠征してまだ聴きたい演奏家がいます。このハオチェン・チャン君もそのひとりです。2010年に金沢でとても丁寧で美しいショパンを聴いて虜になり、翌2011年の高岡リサイタルに遠征(このときは反抗期かと思うほどワイルド)。そして2012年はOEK定期公演初登場でラヴェルの協奏曲。ただ、それ以来彼の演奏を聴く機会がなく残念に思ってます。
で、今年の日本でのリサイタル情報も得ました。今回はシューマン、リスト、ヤナーチェク、そして高岡でもやったプロコフィエフの7番戦争ソナタ。高岡のときはとりあえずこのガガガッ!!!!っていうのを弾きたいだ!!!っていう少年から大人に変わる野望むきだしの演奏でしたが、今回はどうでしょうか。ハオチェンくんはネットや雑誌などで最近の写真を見ると、なんかシュッとしたイケメン風になっていまして、その点もちょっと気になります。ただし今回も東京だけなんですよねえ。やっぱ無理かなあ。
ハオチェン・チャン ピアノ・リサイタル
2017年6月8日(木)19:00開演
紀尾井ホールピアノ:ハオチェン・チャン
■シューマン:子どもの情景 op.15
■シューマン:交響的練習曲 op.13
■リスト:超絶技巧練習曲集 S.139から第5番「鬼火」・第12番「雪あらし」
■ヤナーチェク:霧の中で
■プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第7番 変ロ長調 op.83「戦争ソナタ」全席指定 5,000円/プラチナ券 10,000円
KAJIMOTO | コンサート | ハオチェン・チャン ピアノ・リサイタル
もうひとつ情報入手。井上道義指揮大阪フィルハーモニー交響楽団と共演でラフマニノフの3番を演奏する模様。平日午後の大阪ですが。むーん。。。
大阪フィルハーモニー交響楽団 マチネ・シンフォニーVol.17
2017年6月14日(水)14:00開演
ザ・シンフォニーホール指揮:井上道義
ピアノ:ハオチェン・チャン
管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団■ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 作品30
■リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」全席指定:A席 4,000円/B席 3,000円(発売中)
ネルソン・フレイレ
アルゲリッチといえば、ラヴェル「ラ・ヴァルス」の2台ピアノの共演で知られるネルソン・フレイレ。2014年にワレリー・ゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管弦楽団金沢公演に登場し、ブラームスの2番を共演。このとき初めてナマで聞いてとっても素晴らしかったので、またの機会を伺っておりましたら、今年も来日予定が。しかし、やはり東京だけのようですね。
ネルソン・フレイレ ピアノ・リサイタル
2017年7月4日(火)19:00開演
すみだトリフォニーホール 大ホールピアノ:ネルソン・フレイレ
■J.S.バッハ/ブゾーニ編:コラール「主イエス・キリストよ、われ汝に呼ばわる」BWV639
■J.S.バッハ/ブゾーニ編:コラール「来たれ、創り主にして聖霊なる神よ」 BWV667
■J.S.バッハ/ヘス編:コラール「主よ、人の望みの喜びよ」 BWV147
■シューマン:幻想曲 ハ長調 作品17
■ドビュッシー:子どもの領分
■ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 作品58S席 6,500円/A席 5,500円
2017年2月26日(日)一般発売開始
井上道義のバーンスタイン「ミサ」(大阪国際フェスティバル2017)
OEK音楽監督の井上道義さんは、大阪フィルハーモニー交響楽団の常任指揮者も兼任しています(2017年3月末で退任)。5月の金沢の新音楽祭には出演しませんが、7月に、大阪国際フェスティバルで上演されるバーンスタインの「ミサ」の総監督・指揮・演出を務めます。
多数の歌手、合唱団、管弦楽のほか、ジャズバンドやバレエダンサーなども加わる総合舞台芸術作品。舞台好きな井上さんの真骨頂といえそう。
大阪国際フェスティバル2017 バーンスタイン「ミサ」
2017年7月14日(金)19:00開演
2017年7月15日(土)14:00開演
フェスティバルホール総監督・指揮・演出:井上道義
副指揮:角田鋼亮
合唱指揮:福島章恭
児童合唱指揮:大谷圭介
ミュージック・パートナー:佐渡裕出演:
大山大輔(Br)小川里美(S)小林沙羅(S)鷲尾麻衣(S)森山京子(Ms)
藤木大地(Ct)古橋郷平(T)又吉秀樹(T)村上公太(T)
加耒徹(Br)久保和範(Br)与那城敬(Br)ジョン・ハオ(Bs)他管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団
合唱:大阪フィルハーモニー合唱団
児童合唱:キッズコールOSAKAS席 9,500円/A席 8,500円/B席 7,000円/BOX席 15,000円
井上さんからのメッセージ動画はこちら。
ミュージック・パートナーとしてスタッフに名を連ねるバーンスタインの弟子・佐渡裕さんと、井上さんとの対談も興味深い。
佐渡裕の「フィガロの結婚」(兵庫県立芸術文化センター)
そして佐渡裕さんといえば、芸術監督を務める兵庫県立芸術文化センターでのオペラ。今年は「フィガロの結婚」。「セビリアの理髪師」を観た直後ですので興味津々です。
佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2017 モーツァルト「フィガロの結婚」
兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
2017年7月14日(金)14:00開演
2017年7月15日(土)14:00開演
2017年7月16日(日)14:00開演
2017年7月17日(月祝)14:00開演
2017年7月19日(水)14:00開演
2017年7月21日(金)14:00開演
2017年7月22日(土)14:00開演
2017年7月23日(日)14:00開演
全席指定:A席 12,000円/B席 9,000円/C席 7,000円/D席 5,000円/E席 3,000円姫路市文化センター 大ホール
2017年7月26日(水)18:00開演
S席 一般 9,000円 高校生以下4,500円
A席 一般 7,000円 高校生以下3,500円
B席(2階) 一般 5,000円 高校生以下2,500円篠山市立たんば田園交響ホール
2017年7月29日(土)14:00開演
一般 8,000円 高校生以下 3,000円指揮:佐渡 裕
演出:デヴィッド・ニース出演:
【7/14・16・19・21・23】
アルマヴィーヴァ伯爵:ユンペン・ワン
アルマヴィーヴァ伯爵夫人:ケイト・ロイヤル
スザンナ:リディア・トイシャー
フィガロ:ジョン・ムーア
ケルビーノ:サンドラ・ピケス
マルチェリーナ:セオドラ・ハンズロウ
バルトロ:アーサー・ウッドレイ
バジリオ/ドン・クルツィオ:チャド・シェルトン
アントニオ:晴雅彦
バルバリーナ:三宅理恵【7/15・17・22】
アルマヴィーヴァ伯爵:髙田智宏
アルマヴィーヴァ伯爵夫人:並河寿美
スザンナ:リディア・中村恵理
フィガロ:町英和
ケルビーノ:ベサニー・ヒックマン
マルチェリーナ:清水華澄
バルトロ:志村文彦
バジリオ/ドン・クルツィオ:渡辺大
アントニオ:晴雅彦
バルバリーナ:三宅理恵合唱:ひょうごプロデュースオペラ合唱団 (合唱指揮:矢澤 定明)
さてさて、はたして、このうち行ける演奏会ってあるのだろうか?
【OEK定期386PH】ミンコフスキ指揮ロッシーニ歌劇「セビリアの理髪師」(2017/2/19@石川県立音楽堂コンサートホール)
OEKプリンシバルゲストコンダクター(首席客演指揮者)、マルク・ミンコフスキ指揮のロッシーニオペラです。ミンコフスキを聴くのはなんだかんだで5回目になるのですが、オペラは初めて。OEKの今シーズン公演の目玉と思われ、ひじょうに楽しみにしておりました。
SS席は10,000円とOEK定期にしては高く、お客さんの入りを心配していたのですが、9割がた埋まっていたのではないでしょうか。どうやら県外から結構な数の遠征組の方々がいらした模様。演奏会方式とはいえ歌手も大勢出演するオペラですから、10,000円というのはじつは破格の安さだったようです。
「セビリアの理髪師」の名は「フィガロ」。モーツァルトのオペラ「フィガロの結婚」のあのフィガロです(2年前に井上道義×野田秀樹の「フィガロの結婚」を観たのでした!)。「セビリアの理髪師」はフランスの劇作家・ボーマルシェによる三部作(「セビリアの理髪師」「フィガロの結婚」「罪ある母」)の第一作で、「フィガロの結婚」はその続編ということになります。
「フィガロの結婚」は、アルマヴィーヴァ伯爵の召使フィガロが、同じく伯爵に仕えるスザンナと結婚することになったところ、伯爵がスザンナを横取りしようという悪だくみが発覚、伯爵夫人ロジーナとともにそれを阻止し、伯爵を懲らしめる物語でした。
そしてその前段と言うべき「セビリアの理髪師」とは、アルマヴィーヴァ伯爵が、腹黒医師バルトロにとらわれていたロジーナに恋をしたところから始まるお話。で、あの手この手でバルトロを出し抜いて二人の恋を取り持ったのが、当時は町の理髪師兼便利屋だったフィガロなのでした(フィガロはこの功績によって伯爵に仕えるようになったというわけ)。
アルマヴィーヴァ伯爵は「フィガロの結婚」では悪役らしくバスですが、本作「セビリアの理髪師」では二枚目のテノール。デヴィッド・ポーティロの若々しく軽やかな歌唱が、次作で浮気性を発揮する軽薄さが垣間見えて(?)良かったです。ロジーナは「フィガロの結婚」ではソプラノでしたが、本作では深窓の令嬢なのにメゾ・ソプラノ。じつは本作でもバルトロへの反抗の姿にその気の強さが表れており、セレーナ・マルフィの骨太の歌声に納得。フィガロ役のアンジェイ・フィロンチクは、ほとんど無名らしいのですが、スター性を感じさせる輝かしい歌声が素晴らしかったです。
個人的MVPは、バルトロ役のカルロ・レポーレ。安定感のある確かなバスのもと、チャーミングな悪役っぷりを見せてくれました。また、金沢のオペラでは合唱団は年配の方々中心になりがちなのですが、今回の「金沢ロッシーニ特別合唱団」の面々はみな若い!とても良かったです。
そしてもちろんオケも、序曲からミンコフスキのタクトがまさに魔法の棒のようでした。グイグイという推進力と、柔らかいしなやかさが両立する奇跡。とても心地よい時間でした。
オーケストラ・アンサンブル金沢
第386回 定期公演 フィルハーモニーシリーズ2017年2月19日(日)14:00開演
石川県立音楽堂 コンサートホール指揮:マルク・ミンコフスキ
ステージ演出:イヴァン・アレクサンダーアルマヴィーヴァ伯爵:デヴィッド・ポーティロ
バルトロ(医師):カルロ・レポーレ
ロジーナ(バルトロの姪令嬢):セレーナ・マルフィ
フィガロ(理髪師):アンジェイ・フィロンチク
バジリオ(音楽教師):後藤春馬
ベルタ(バルトロ家の女中):小泉詠子
フィオレッロ(伯爵の召使):駒田敏章
アンブロージォ(バルトロ家の召使):山本悠尋
士官:濵野杜輝合唱:金沢ロッシーニ特別合唱団
コーラスマスター:辻博之
TBS「カルテット」第5話 ネタ備忘
いやあ「カルテット」第5話もすごかった。なんかめっちゃいろいろ語りたいんですけど、「青春ゾンビ」さんのレビューが相変わらず冴えまくっていました。
来杉有朱(吉岡里帆)についての鋭い考察とか↓
さて、5話の問題は有朱である。言葉にならないはずの想いを、繊細に、できるだけ遠回りをしながら交錯させていく坂元裕二のドラマにおいて、あきらかに異端者である。しかし、彼女のようなキャラクターは近年の坂元作品にいおいての定石となっている
坂元作品における岡崎京子的女の子達は、建前やオブラートを許さない。剥き出しの”何か”を暴こうとする
有栖のスパイ行為への尋常ではないモチベーションは現在のところ不明瞭であるが、すずめと同じく貧困に起因するのかもしれない
畳み込むような有朱の追求をかわそうとして持ち出した「バームクーヘン」の種明かしとか↓
”ドーナッツホール”という、これまたドラマ全体を貫く”空洞”のモチーフに逃げ込もうと「バームクーヘン食べます?」と持ち出すも、冷蔵庫にはあるのはバームクーヘンではなく、穴のふさがったロールケーキ、なんて演出も心憎い
追い詰められた後、大逆転・修羅場必至の場面の視聴者の心境とか↓
凡百のドラマであれば間違いなく登場人物が感情を爆発させるであろうこの山場のシーンで、永遠みたいな沈黙が流れる
「夫さん」キャストのまさか感となるほど感とか↓
とても小さな声で二言三言発しただけで、これまで画面に登場せずにエピソードだけで語れていた”夫さん”像があっという間に肉付けされてしまったではないか
「第一幕」の的確すぎる総括とか↓
偶然を装った運命のふり、友達のふり、演奏するふり。一見、ネガティブなそれらの行為は、嘘をつき続けること、演じきることで”本当のこと”になってしまった
ふんわりみぞみぞと感じていたことをすべてパーフェクトに言語化してくれました。私からもうこれ以上言うことはないです笑
なので、私からはネタ記事をクリップするだけにとどめます。
戦闘型カルテット美剣王子「愛死天ROO」
真紀さん…緑髪/アラサーキャラ/「ありガトーショコラ」
別府さん…金髪ロング/童貞キャラ/「時すでにお寿司」
家森さん…銀髪/ドS王子キャラ/「よろしくたのムール貝」
すずめ…ピンク髪/妹キャラ/「おにい茶碗蒸し」
家森さんはゴー☆ジャスではないですよね。
なんか似てるから全力でやってみてほしい #カルテット #ゴー☆ジャス pic.twitter.com/AKERweWknd
— みかんつめつめゼリー (@misakissei) 2017年2月14日
路上演奏曲
Penguin Cafe Orchestraの「Music For A Found Harmonium」(「Broadcasting from Home」に収録)。
そしてやっぱり吉岡里帆
金沢市内の町家ゲストハウスまとめ(2017年2月15日時点)
とある事情で金沢市内の町家ゲストハウスを調べる機会があったので、ここにまとめておきます(2017年2月15日時点でのまとめ)。
町家一棟貸し
町屋金沢 菊乃や
金沢市主計町3-22
運営:エムトラベル(金沢市内の旅行会社)
かずえや
金沢市主計町3-14
運営:パシフィックグループ(金沢市内の不動産会社。「ホテルパシフィック金沢」も)
橋端家
東山かげろひ
金沢市東山3-26-51
運営:エイジェーインターブリッジ(東京の宿泊施設運営会社。「町家レジデンスイン京都」なども)
http://kanazawa-machiya-inn.com/ja/
金沢東兼六の離邸 うふ
石川県金沢市東兼六町2-28
【一休.com】 http://www.ikyu.com/vacation/00050105/
金澤町家 しばや別館 英 Hanafusa
金沢市本町2-20-6
運営:旅館しばや(本館)
http://hanafusa.ryokanshibaya.com/
金澤町家 いぬい庵
金沢市三社町9-2
運営:金澤町家倶楽部
町家高級旅館
町家旅館いりたや 川久庵
金沢市中央通町3-21
別邸「薪の音 金澤」
金沢市東山1丁目15-14
町家ゲストハウス(1日1組限定)
町家おとまり 金澤ひがし茶屋街 ほやさけ
金沢市東山1-26-6
1階は「手打ち蕎麦ほやさけ」(2階が宿泊用)
http://www.hoyasake.jp/
町家salon&stay 初華 ui-ca
金沢市野町3-17-1
1階はコミュニティスペース(2・3階が宿泊用)
http://www.machiya-uica.com/
町家ゲストハウス
ゲストハウス白
金沢市大手町1-2
ゲストハウス STELLA (ステラ)
金沢市東山1-3-23
Guest House East Mountain(イーストマウンテン)
金沢市東山3-6-13
あかつき屋
金沢市暁町21-18
ゲストハウス Pongyi(ポンギー)
金沢市六枚町2-22
昭和のお家 だわさる荘
金沢市小橋町2-17
1階レンタルスペース/2階ゲストハウス(一棟貸切可)
一般ゲストハウス(一棟貸し)
Guest house はしば庵
金沢市橋場町9-5
【Facebook】 https://www.facebook.com/hashibaan/
金沢まちなかの宿「キリコ」
金沢市芳斉2丁目14-24
Kanazawa Machiya inn HANA 金沢町家イン はな
金沢市竪町89-1
一般ゲストハウス(1日1組限定)
金沢ゲストハウス ナナ
金沢市里見町44-1
http://guesthouse-nana.net/
一般ゲストハウス(その他)
THE SHARE HOTELS HATCHi 金沢(ハッチ)
金沢市橋場町3-18
運営:株式会社リビタ(東京のリノベーション分譲会社)
Blue Hour Kanazawa
金沢市此花町3-3 ライブ1ビルB棟3F
http://bluehourkanazawa.com/
Good Neighbors Hostel(グッドネイバーズホステル)
金沢市此花町4-19
http://goodneighbors.co/ja/
ホテルパシフィック金沢
金沢市十間町46
ゲストハウス 和んで
金沢市本町1-8-10
Guest House Namaste(ゲストハウス ナマステ)
金沢市笠市町6-14
https://guesthouse-namaste.com/
ゲストハウス おちゃかれ
金沢市北安江1-8-12
SHAQ BIGHOUSE(シャックビッグハウス)
金沢市高岡町7-30
http://shaq-bighouse.com
SHAQ 2nd BIGHOUSE(シャックセカンドビッグハウス)
金沢市此花町1-32
カオサン金沢ファミリーホステル
金沢市駅西本町1-10-18
KANAME HOSTEL(カナメホステル)
金沢市竪町21 ムロノコレクションビル1階
DORUMIRU
ゲストハウス金沢 居乃一
金沢市中村町5-23
金沢湯涌ゲストハウス
とりあえず、現時点では以上です。
別にドラマ専門ブログではないのです笑
TBS「カルテット」第4話から3曲
第4話は家森諭高さん(高橋一生)のヒミツが明らかになった回でした。
【以下、壮大にネタバレあり】
じつは家森さんには「茶馬子」という元嫁がいて、さらに小学生になる息子もいるというのです。茶馬子さんは家森さんと別れた後、ある会社の御曹司と失踪。家森さんにつきまとっていたあやしいチンピラ二人組というのは、失踪した御曹司と茶馬子さんの行方を追っていた会社の人というわけでした。
茶馬子さんの行方を探しにいくことにした家森さん。まずは息子に会おうと小学校へ向かいます。「グーチョキパーで何作ろう~」の鼻歌を口ずさみながら。するとやがてリコーダで「グーチョキパーで何作ろう~」のメロディを吹きながら帰宅する小学生の姿が。この少年こそまさしく家森さんの息子でした。
この「グーチョキパーで何作ろう」の歌は、もともとはフランス民謡で、「Frère Jacques(フレール・ジャック)」という曲です。
Frère Jacques, Frère Jacques,
Dormez-vous? Dormez-vous?
Sonnez les matines! Sonnez les matines!
Din, dan, don. Din, dan, don.
兄弟ジャックよ
寝ているのですか?
朝の鐘を鳴らしてください
ディン ダン ドン
息子との再会もつかの間、その場に茶馬子さんが駆け落ち相手とともに現れます。家森さんは思わず息子を抱えて逃亡。茶馬子さんは慌てて駆け落ち相手に家森さんを追いかけさせようとしますが、そこに例のチンピラ二人組が立ちはだかりました。彼らは家森さんをずっと見張っていたのでした。
家森さんは息子を軽井沢に連れて帰ってきます。家族三人でやり直そうと考えだした家森さん。そこに茶馬子さんが訪れました。なにやら復縁しそうなムード。
別所さんは、復縁のお祝いに自分の生まれ年1984年モノのとっておきのワインを空けました。その名も「Salut d'Amour」。つまり「愛の挨拶」。英国の作曲家エルガーの名曲です。
ALDO CICCOLINI PLAYING SALUT D’AMOUR BY EDWARD ELGAR
これは巨匠チッコリーニによる珠玉の演奏。来日公演を聞いたことがありますが、本当に感動します。そういえば亡くなって2年経ったのですね。
結局、家森さんと茶馬子さんの復縁はならず、茶馬子さんは息子とともに軽井沢を去っていきました。
なお、チンピラ二人組も、茶馬子さんに手切れ金を渡して軽井沢を去りました。これで彼らの役目は終わり。ドラマ上ももう出番はないでしょう。ただひとつ、そういえばずっと気になっていたのが、チンピラの兄貴分・半田さん(Mummy-D)が車内で聴いていた曲です。杉山清貴&オメガトライブの「ふたりの夏物語」。
うーむ、冬の物語なのにあえて30年前の「ふたりの夏物語」がやたらかかっていた理由を深読みしようと苦戦していましたが、どうやら深い意味はなさそう?
TBS「カルテット」第1話~第3話小ネタ備忘
「雲霧仁左衛門3」も好きなんですが、やはり今期いちばんおもしろいのは「カルテット」です。
「みぞみぞ」する場面が目白押しで、いろいろ語りたいところですが、とりあえずネタを備忘的に列挙しておきます。
第1話
「唐揚げにレモンするってことはね、不可逆なんだよ。二度と元には戻れないの」
「鴨の赤ちゃんが次々に排水溝に落ちる動画を見てしまって」
(「次々と」という動画は見当たりませんでした…)
ふくろうドーナツ
ベンジャミン瀧田が「あしたのジョーの帽子」
第2話
SPEED「White Love」
X JAPAN「紅」
X JAPAN - 紅 -Kurenai- (Niigata 1991.08.06)
別府「それこの曲じゃないから!」
X JAPAN - X (Tokyo Dome 1992.01.06)
「時の流れに身をまかせた愛人は、つぐなうことになりますから」
第3話
メッセージ性の強いTシャツ
(´-`).。oO(ちなみに黒猫チェルシーグッズのTシャツ、缶バッジ、タオル、ステッカーはメンバーの手書きデザインなんだなぁ…#黒猫チェルシー pic.twitter.com/H7oU0Th9FH
— 黒猫チェルシー (@kuronekochelsea) 2015年8月27日
ウルトラソウルパンツ
カサドの無伴奏チェロ組曲
Cassadó Suite for Cello Solo - Anna Litvinenko
バッハの無伴奏チェロ組曲第1番弾きかけてからの。
続々と興味をそそるNHKドラマ陣が待機中
こっそりこのブログを始めて以来、ぼちぼち書いているわけですが、気がつけば「ドラマ」カテゴリの記事しか書いていません。自分としては特段ドラマブログにするつもりはなく、ほかに映画や音楽やスポーツのこととかも守備範囲だと思っているのですけど、ネットでネタを拾ってそれを書き留めるくらいのスタンスでやってたら、このところピンとくるのがたまたまドラマばっかりだったようで、こういう記事が多くなってしまいました。まあどっちでもいいですけど。というわけで、今回もドラマネタです。
以前、過去記事で、ネプチューンが出演する「空想大河ドラマ『小田信夫』」がはじまるということを書きました。NHK総合で2017年2月4日(土)23:35スタート(全4回)です(あ、そろそろ録画予約しておかないと!)。
あと前回記事では、現在放映中のNHKBSプレミアム「雲霧仁左衛門3」が好きすぎて、歴代の「雲霧仁左衛門」映像作品のキャスト一覧をコツコツつくるというじつにほのぼのとした作業に勤しみました。
こうしてみると私ってNHKのドラマが好きなんだなあ~となんとなく気恥ずかしい思いがするんですが、そんなことを言ってる間に続々と興味をそそるNHKドラマ陣が新たに待機しているではありませんか。ちょっと列挙してみます。
スリル!~赤の章・黒の章~
【NHK総合】「赤の章~警視庁庶務係ヒトミの事件簿」
2017年2月22日(水)22:25スタート(連続4回)
主演:小松菜奈 出演:小出恵介、山本耕史ほか
【BSプレミアム】「黒の章~弁護士・白井真之介の大災難」
2017年2月26日(日)22:00スタート(連続4回)
主演:山本耕史 出演:小出恵介、小松菜奈ほか
「赤の章」(総合)の主役は小松菜奈。警視庁庶務係で領収書などを厳しくチェックする一般職員・中野瞳。詐欺師の父を持ち事件に対する嗅覚が異常に強い。「黒の章」(BSプレミアム)は山本耕史。割りの良い仕事を探して被害者に取り入るものの一銭にもならないことに振り回される腹黒弁護士・白井真之介。ともに両作に登場するものの、それぞれの異なる視点で進行する総合・BSプレミアム連動ドラマというのが興味深いです。山本耕史の腹黒弁護士ってのも見ものですよね。
火花
【NHK総合】2017年2月26日(日)23:00スタート(連続10回)
又吉直樹の芥川賞ベストセラー作品がNHKでテレビ初登場。主役の徳永に林遣都、相方の神谷に波岡一喜。
五瓣の椿
【BSプレミアム】2017年3月3日(金)20:00スタート(連続5回)
2001年に放映された時代劇の再放送。当時興味があったのに見逃してたので今回は見てみたいです。内容は、最愛の父を失った薬問屋の娘の復讐劇。ヒロインに国仲涼子、事件を追う同心が阿部寛。あ、このコンビって「結婚できない男」の桑野さんとみちるちゃんではないですか…笑
アオゾラカット
【BSプレミアム】2017年3月15日(水)22:00-22:59
大阪・西成区を舞台とする美容師親子の葛藤と和解。主役が林遣都、父親が吉田鋼太郎。
4号警備
【NHK総合】2017年4月8日(土)20:15-20:43(連続7回)
民間警備会社による危険極まりない「4号警備」の任務。窪田正孝が北村一輝とコンビを組みます。NHK土曜ドラマが8時台に変わってリニューアル。
まあ、これだけ全部見る時間があるかというとそれはかなり至難の業ではありますけど、とりあえず意気込みがあるうちは書き留めておこうと。はい。