【OEK定期299PH】安永徹と共に スプリング・コンチェルト(2011/4/22@石川県立音楽堂コンサートホール)
この日のOEK定期公演は、おなじみのベルリン・フィル元コンサートマスター・安永徹さんの弾き振りによる、3つの協奏曲とハイドン。安永さんらしい興味深いプログラムです。プレコンサートは、この4月からOEKに加わった3名の新入楽員さんが担当(終わりかけの頃に到着したので演奏曲不明)。演奏後、本日共演する安永さんの印象と、今後のOEK楽員としての抱負を語っていました。
コンサート前半は、モーツァルトの2台ピアノのための協奏曲。こちらもおなじみ、安永徹夫人の市野あゆみさんがファースト、お初にお目にかかります神永睦子さんがセカンドを務めます。楽しい2台ピアノの掛け合いは、市野さんが終始リードして進んでいる感じ。神永さんが市野さんの音を注意深く聴いているさまがとって見れました。モーツァルトのキラキラしたきれいな音がとてもここちよく、2台ピアノとOEKが融け込むような美しさ。この曲を生演奏で聴くのはじつは二度目なのですが(2006年7月の天沼指揮OEK定期公演の児玉姉妹が最初)、そのときと同様、今回も気持ちよすぎてついうとうとと…(苦笑)。
後半はヴィヴァルディから。4つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲。わあ、これは楽しかったなあ。弦楽アンサンブルの魅力に溢れた協奏交響曲でした。ソリストは安永さんと、コンマスのブレンディスさん、セカンドの首席江原さんと副首席のヒューズさん、そしてチェロ首席のカンタさん。OEK自慢の弦楽プレイヤーのみなさんの競演は、それぞれの音色の個性も楽しめて面白かったです。たとえばブレンディスさんは正確無比、江原さんのヴァイオリンはぱっと花が咲いたよう。そして安永さんの音がやはり最も印象的でした。いちばんのヴェテランではありますが、いちばん音色が若々しい! 躍動的でときに激しく…その華麗なプレイで他のソリストを、そしてオケを堂々と引っ張っていました。
次はウェーベルンの小曲。ウェーベルンといえば新ウィーン楽派、前衛的な音楽かと一瞬警戒(苦笑)してしまいますが、この曲は予想外にもろロマン派的。哀愁漂う切ない旋律は、映画のクライマックスシーンに使えそうなドラマチックなものでした。なんか同じような感覚を味わったことがあるなあと思って調べてみたところ、2009年9月の「もっとカンタービレ」でこの曲を弦楽四重奏にて聴いていたのでした。
最後はハイドンの「オックスフォード」交響曲。安永さん&OEKのハイドンは最高ですね! この日ぼく自身が(勝手に)発見した安永さんの若々しく華やかな音色は、様式美のなかにきらりと光るハイドンならではの明るいエンターテインメント性に通じるところがあるような気がします。この日の「オックスフォード」でも、第1楽章の優雅な序奏から快活へ転じる流れだとか、第4楽章での疾走とふわりとした間などは、まさに緩急自在。ウキウキするようなハイドンを聴くことができました。要所要所でバロックティンパニがかっこよく締めてくれるのも効果的でした。
アンコールは、メンデルスゾーンの「弦楽のための交響曲第10番」。安永さんのときは恒例となった弦楽合奏ですが、たいへん充実した名曲。天才・メンデルスゾーンの才気溢れる曲を、安永さんとOEKが華麗に、しかし丁寧に奏でました。というわけで(前半は少々おやすみしてしまったものの…苦笑)、安永さんの偉大さ、OEKとの相性の良さを再確認した音楽会でした。
コンサート前半は、モーツァルトの2台ピアノのための協奏曲。こちらもおなじみ、安永徹夫人の市野あゆみさんがファースト、お初にお目にかかります神永睦子さんがセカンドを務めます。楽しい2台ピアノの掛け合いは、市野さんが終始リードして進んでいる感じ。神永さんが市野さんの音を注意深く聴いているさまがとって見れました。モーツァルトのキラキラしたきれいな音がとてもここちよく、2台ピアノとOEKが融け込むような美しさ。この曲を生演奏で聴くのはじつは二度目なのですが(2006年7月の天沼指揮OEK定期公演の児玉姉妹が最初)、そのときと同様、今回も気持ちよすぎてついうとうとと…(苦笑)。
後半はヴィヴァルディから。4つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲。わあ、これは楽しかったなあ。弦楽アンサンブルの魅力に溢れた協奏交響曲でした。ソリストは安永さんと、コンマスのブレンディスさん、セカンドの首席江原さんと副首席のヒューズさん、そしてチェロ首席のカンタさん。OEK自慢の弦楽プレイヤーのみなさんの競演は、それぞれの音色の個性も楽しめて面白かったです。たとえばブレンディスさんは正確無比、江原さんのヴァイオリンはぱっと花が咲いたよう。そして安永さんの音がやはり最も印象的でした。いちばんのヴェテランではありますが、いちばん音色が若々しい! 躍動的でときに激しく…その華麗なプレイで他のソリストを、そしてオケを堂々と引っ張っていました。
次はウェーベルンの小曲。ウェーベルンといえば新ウィーン楽派、前衛的な音楽かと一瞬警戒(苦笑)してしまいますが、この曲は予想外にもろロマン派的。哀愁漂う切ない旋律は、映画のクライマックスシーンに使えそうなドラマチックなものでした。なんか同じような感覚を味わったことがあるなあと思って調べてみたところ、2009年9月の「もっとカンタービレ」でこの曲を弦楽四重奏にて聴いていたのでした。
最後はハイドンの「オックスフォード」交響曲。安永さん&OEKのハイドンは最高ですね! この日ぼく自身が(勝手に)発見した安永さんの若々しく華やかな音色は、様式美のなかにきらりと光るハイドンならではの明るいエンターテインメント性に通じるところがあるような気がします。この日の「オックスフォード」でも、第1楽章の優雅な序奏から快活へ転じる流れだとか、第4楽章での疾走とふわりとした間などは、まさに緩急自在。ウキウキするようなハイドンを聴くことができました。要所要所でバロックティンパニがかっこよく締めてくれるのも効果的でした。
アンコールは、メンデルスゾーンの「弦楽のための交響曲第10番」。安永さんのときは恒例となった弦楽合奏ですが、たいへん充実した名曲。天才・メンデルスゾーンの才気溢れる曲を、安永さんとOEKが華麗に、しかし丁寧に奏でました。というわけで(前半は少々おやすみしてしまったものの…苦笑)、安永さんの偉大さ、OEKとの相性の良さを再確認した音楽会でした。
オーケストラ・アンサンブル金沢 Orchestra Ensemble Kanazawa
第299回定期公演フィルハーモニー・シリーズ
The 299th Subscription Concert / Philharmonie-serie
日時:2011年4月22日(金)19:00開演 Fridat, 22 April 2011 at 19:00
会場:石川県立音楽堂コンサートホール Ishikawa Ongakudo Concert Hall
リーダー&ヴァイオリン:安永徹 Toru Yasunaga. Leader and Violin
コンサート・マスター:サイモン・ブレンディス Concertmaster: Simon Blendis
■W.A.モーツァルト Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
ピアノ協奏曲 第10番 変ホ長調 K.365(316a)(2台のピアノのための)
Concerto for 2 Pianos and Orchestra in E flat major, K.365 (316a)
~ピアノ:市野あゆみ、神永睦子 Ayumi Ichino and Atsuko Kaminaga, Piano
--- 休憩 Intermission ---
■A. ヴィヴァルディ Antonio Lucio Vivaldi (1678-1741)
4つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲 ロ短調 作品3-10
(合奏協奏曲集「調和の霊感」より)
Concerto for 4 violins, Cello and Strings in B minor, Op.3-10
(from L'estro armonico, Op.3)
~ヴァイオリン:サイモン・ブレンディス、江原千絵、ヴォーン・ヒューズ
Simon Blendis, Chie Ebara and Vaughan Hughes, Violin
~チェロ:ルドヴィート・カンタ
Ludovit Kanta, Violincello
■A.ウェーベルン A. Webern (1883-1945)
弦楽四重奏曲 より 緩徐楽章
Langsamer Satz
■F.J.ハイドン Franz Joseph Haydn (1732-1809)
交響曲 第92番 ト長調 Hob.I-92 「オックスフォード」
Symphony No.92 in G major, Hob.I-92 "Oxford"
(アンコール Encore)
■F.メンデルスゾーン Felix Mendelssohn (1809-1847)
弦楽のための交響曲 第10番 ロ短調
Sinfonia for strings No.10 in B minor