ザ・マジックアワー
3分に10回笑うとか、爆笑に次ぐ爆笑という触れ込みでしたが、わたしにとっては前作「THE 有頂天ホテル」がまさにそうでした。なので、三谷監督が大量にメディアに露出して「最高傑作」と力説する以上、これは今作は「THE 有頂天ホテル」をも上回る爆笑の渦が巻き起こるのでは?とおおいに期待しておりました。ところが、今作は主人公の人間ドラマ的な要素がかなり描かれており、期待していたようなコメディ連発!という感じではありませんでした。たしかにウソ・勘違いが偶然かみ合ってどんどん訳のわからない方向に向かってしまうという得意のパターンでじゅうぶん笑えるシーンは数々ありましたが、「有頂天」を超えるレベルでの爆笑に次ぐ爆笑を求めていた向きにはやや物足りなかったはずです。その意味では「最高傑作」とまではいえないのかもしれません。
…ただし!そのコメディではない要素、主人公の人間ドラマがけっこうぐっとくるものだったのです。この作品は売れない役者が騙されてオーバーな演技をする(が、周りの人間は本物だと思っている)さまが滑稽なのですが、滑稽であれば滑稽であるほど、騙された悲しさ、売れない寂しさがますます際立っていきます。そうして、「マジックアワー」での憧れの役者との邂逅シーンが心に染みるのです。
この主人公を演じたのは、言わずと知れた佐藤浩市さんであります。「新選組!」「THE 有頂天ホテル」で他キャストとは一線を画した存在感を示し異彩を放ちまくった佐藤さんが、コメディの才能を開花炸裂させました。そしてその一方で、主人公が背負った役者人生の哀愁がじわじわ伝わってくるではありませんか。その意味では、佐藤浩市さんの演技こそがまさに「最高傑作」であったといえましょう。
ところで、「デラ富樫」のネーミングの由来ってなに?
(2008/06/13@イオンシネマ金沢フォーラス)
★★★★
【2008/07/11追記】
「デラ富樫」の由来ですが、シネマコミュニケーター森川みどりさんのブログ「森川みどりのシネマなお話」に、インタビューにて言及されていました。
「L.A.コンフィデンシャル」は未見ですが、このサスペンスの鍵を握る人物が「ロロ・トマシ」だそうです。「ベラ・ルゴシ」とは実在の俳優さん。
で、「ロロ・トマシ」と「ベラ・ルゴシ」の響きから「デラ・トガシ」と。
納得しました!
…ただし!そのコメディではない要素、主人公の人間ドラマがけっこうぐっとくるものだったのです。この作品は売れない役者が騙されてオーバーな演技をする(が、周りの人間は本物だと思っている)さまが滑稽なのですが、滑稽であれば滑稽であるほど、騙された悲しさ、売れない寂しさがますます際立っていきます。そうして、「マジックアワー」での憧れの役者との邂逅シーンが心に染みるのです。
この主人公を演じたのは、言わずと知れた佐藤浩市さんであります。「新選組!」「THE 有頂天ホテル」で他キャストとは一線を画した存在感を示し異彩を放ちまくった佐藤さんが、コメディの才能を開花炸裂させました。そしてその一方で、主人公が背負った役者人生の哀愁がじわじわ伝わってくるではありませんか。その意味では、佐藤浩市さんの演技こそがまさに「最高傑作」であったといえましょう。
ところで、「デラ富樫」のネーミングの由来ってなに?
(2008/06/13@イオンシネマ金沢フォーラス)
★★★★
【2008/07/11追記】
「デラ富樫」の由来ですが、シネマコミュニケーター森川みどりさんのブログ「森川みどりのシネマなお話」に、インタビューにて言及されていました。
伝説の殺し屋“デラ富樫”は、なるべく印象に残る名前をと考えてhttp://mmcinema.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_2302.html
『LAコンフィデンシャル』に出てくる謎の殺し屋の名前と
ドラキュラ役で有名な怪奇映画俳優“ベラ・ルゴシ”からつけたんです。
「L.A.コンフィデンシャル」は未見ですが、このサスペンスの鍵を握る人物が「ロロ・トマシ」だそうです。「ベラ・ルゴシ」とは実在の俳優さん。
で、「ロロ・トマシ」と「ベラ・ルゴシ」の響きから「デラ・トガシ」と。
納得しました!