かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

【映画】武士の家計簿(2011/2/12@ワーナー・マイカル・シネマズ御経塚)

加賀藩御算用者として代々藩の財政・会計に携わってきた猪山家。主人公の直之は、得意の算盤で藩の不正をあぶり出し、あるいは借金を抱えた自身の家計を立て直していきます。武芸はからっきしでも、「そろばん」というお家芸を磨くことによって生計を立てられること、そしてその芸におおいなる誇りをもち、わが子に厳しく伝えていくこと…「そろばん侍」の矜持ここにあり、です。

特にドラマチックな展開はないのですが、穏やかなつくりの中に、適度のユーモアと涙と、そしてきちんと人の人生が描かれていました。ぼくの好きなタイプの作品です。いい映画だったと思います。また、キャスティングも絶妙。勇猛でもなく、器用でもないが、誠実で確固たる意志を秘める主人公…堺雅人さんはまさに適役でした。仲間由紀恵さんは要求される役柄を堅実にこなしてましたし、松坂慶子さんなどは、この人しかいないという配役ですしね(笑)。

そして、やはり地元金沢の人間としては、これは押さえておかないとならない一本。映画がヒットしてロングランになってくれたから、公開から3ヶ月たっても観られたのは地元ならではの幸運でした。ただ、「金沢は美しい…」とかいう台詞は地元民ながら恥ずかしく思ってしまいます(悪い意味で)。あんな台詞は別に言う必要はないと思いますけどね…かなり浮いてて気恥ずかしかったです。地元有力筋からねじ込まれたんでしょうか…

★★★★

武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)
磯田 道史

殿様の通信簿 (新潮文庫) 江戸の備忘録 猪山直之日記―加賀藩御算用者 (時鐘舎新書) 学校では習わない江戸時代 (新潮文庫) 幕末単身赴任 下級武士の食日記 (生活人新書)

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