【OEK定期293PH】OEKニューイヤー・コンサート2011!(2010/1/6@石川県立音楽堂コンサートホール)
ぼくのクラシックコンサート鑑賞は、2011年もOEK定期公演のニューイヤーコンサートで幕開けです!早めに仕事を切り上げて音楽堂へGO! プレコンサートはOEKメンバー9名(弦5部+Fl+Cl2+Hr)によるJ.シュトラウス2世。「芸術家の生涯」と、「こうもり」よりチャルダッシュ。MCはいつも人気の大澤さんでした。新年看板のサインの抱負が実現しますように(笑)。
今年のニューイヤーは、前半が名誉コンサートマスターのマイケル・ダウスさんによる弾き振り、後半は音楽監督井上マエストロが指揮を振るという豪華二本立て!開演前の新年挨拶で井上さんは「前後半で指揮者が替わるこういうプログラムもどんどんやっていく。例えば前半に五嶋みどりがソロ・リサイタルをして、後半はコンチェルトではなく、OEK単独の演奏というのもありじゃないか」との発言もありました。その賛否はともかく「みどりさんのソロ・リサイタル」に激しく反応(笑)。例えに用いるということは、もしかすると実際に話が進んでるのかも?
さて開演です。マイケル・ダウスさん弾き振りによるピアソラ「ブエノスアイレスの四季」をデシャトニコフ編曲の弦楽合奏版で。ヴィヴァルディ「四季」とともに演奏された2007年2月の定期公演でも聴きましたが(やはりダウスさんの弾き振り)とっても好きな曲です。ラテン特有の悲しげで時に情熱的な旋律が現代風に味付けされ、OEKの精緻な弦楽アンサンブルが絶妙のバランスで彩ります。ダウスさんのヴァイオリンは、いつものように肩に力が入っておらず、やさしく快適な聴き心地。マジシャンが絹布を一枚一枚柔らかく引き剥がすように軽々と弾きこなします。作曲順に「夏」「秋」「冬」と演奏され、「春」の最後はヴィヴァルディ「春」の主題で儚げに終結。アンコールはピアソラ「オブリビオン」。これも心に染みる名曲ですねえ。。
ヴィヴァルディ:四季/ピアソラ:ブエノスアイレスの四季(デシャトニコフ編曲)他
オーケストラ・アンサンブル金沢
曲名リスト
1. ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 作品8-1「春」 第1楽章 Allegro
2. ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 作品8-1「春」 第2楽章 Largo
3. ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 作品8-1「春」 第3楽章 Allegro
4. ブエノスアイレスの夏
5. ヴァイオリン協奏曲 ト短調 作品8-2「夏」 第1楽章 Allegro non molto
6. ヴァイオリン協奏曲 ト短調 作品8-2「夏」 第2楽章 Adagio
7. ヴァイオリン協奏曲 ト短調 作品8-2「夏」 第3楽章 Presto
8. ブエノスアイレスの秋
9. ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 作品8-3「秋」 第1楽章 Allegro
10. ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 作品8-3「秋」 第2楽章 Adagio molto
11. ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 作品8-3「秋」 第3楽章 Allegro
12. ブエノスアイレスの冬
13. ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調 作品8-4「冬」 第1楽章 Allegro non molto
14. ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調 作品8-4「冬」 第2楽章 Largo
15. ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調 作品8-4「冬」 第3楽章 Allegro
16. ブエノスアイレスの春
17. リベルタンゴ
18. オブリビオン
19. 現実との3分間
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後半は一転、マエストロ井上によるニューイヤー舞踏プログラム。定番曲、J. シュトラウス2世「こうもり」序曲で華やかにスタートです。続いてはバルトーク「ルーマニア民俗舞曲」、そして今年生誕200年を迎えるリストの「メフィスト・ワルツ」。シュトラウスファミリーの「ピツィカート・ポルカ」をはさんでお次はレハールの喜歌劇「パガニーニ」よりカプリッチョ。このあたりはまさに井上流のニューイヤーですね。バルトークは土着的で重厚、リストはシリアス。レハールはドラマティック。ウィーン風の軽快で華やかな舞曲とは趣きを異にした選曲。しかもバルトーク、リスト、レハールはいずれもハンガリー生まれという共通点も。レハールのパガニーニでは、曲の途中からオルガンステージの中央にダウスさんが悠然と登場。余裕たっぷりに艶のある独奏を披露してくれました。前半よりもさらに伸びやかな音色でよく鳴っています。超絶技巧も楽々と弾きこなし、高いところで堂々と佇む姿もカッコいい! プログラムの最後はレハールのワルツ「金と銀」。
アンコールです。ハンガリー舞曲第6番。お馴染みの曲ですが、この日は大胆なリズムのメリハリがとても面白い演奏でした(新春無礼講仕様?笑)。最後はダウスさんがみたび登場し、これもみたび登場のレハールで「メリー・ウィドウ」のワルツを。どっぷりと甘い雰囲気で曲が始まって間もなく、井上さんがマイクを取って語り始めます。「みなさんが愛する人はどんな方ですか? ぼくの愛する人は…目の前の人です… I love you, Micheal」。客席がどっと沸いたところでさらに井上さんはダウスさんの背後に寄り添い、背中合わせのワルツを踊ります。ダウスさんも団員たちも苦笑いしつつ、夢見心地で甘い曲を堪能しました。今年の井上さんも何かやってくれそう!期待しています!
昨年に引き続き、新年のお祝いとしてOEK特製どら焼きのお土産をいただきました。金沢の和菓子屋茶菓工房 たろうさんの「もちどら」。オリジナルの焼印がカワイイ♪
オーケストラ・アンサンブル金沢 Orchestra Ensemble Kanazawa
第293回定期公演フィルハーモニー・シリーズ
The 293rd Subscription Concert / Philharmonie-serie
日時:2011年1月6日(木)19:00開演 Thursday, 6 January 2011 at 19:00
会場:石川県立音楽堂コンサートホール Ishikawa Ongakudo Concert Hall
指揮:井上道義 Michiyoshi Inoue, Conductor
リーダー&ヴァイオリン:マイケル・ダウス Micheal Dauth, Leader & Violin
コンサートマスター:松井直 Naoki Matsui, Concertmaster
■A.ピアソラ Astor Piazzolla (1921-1992)
(編曲)L.デシャトニコフ Arr: Leonid Desyatnikov (1955-)
ブエノスアイレスの夏 Verano Porteno
ブエノスアイレスの秋 Otono Porteno
ブエノスアイレスの冬 Invierno Porteno
ブエノスアイレスの春 Primavera Porteno
~リーダー&ヴァイオリン:マイケル・ダウス Micheal Dauth, Leader & Violin
(アンコール Encore)
■A.ピアソラ Astor Piazzolla (1921-1992)
(編曲)L.デシャトニコフ Arr: Leonid Desyatnikov (1955-)
オブリビオン Oblivion
~リーダー&ヴァイオリン:マイケル・ダウス Micheal Dauth, Leader & Violin
---休憩---
■J. シュトラウスII Johann Strauss II (1825-1899)
喜歌劇「こうもり」序曲
Die Fledermaus, Overture
■バルトーク B. Bart���k B���la (1881-1945)
ルーマニア民俗舞曲
Romanian Folk Dances
■F.リスト Franz Liszt (1811-1886)
メフィスト・ワルツ第1番「村の居酒屋での踊り」
Mephisto Waltz No.1 "Der Tauz in der Dorfschenke", S.110-2
■J. シュトラウスII & ヨーゼフ・シュトラウス
Johann Strauss II (1825-1899) & Josef Strauss (1827-1870)
ピツィカート・ポルカ
Pizzicato Polka
■F.レハール Franz Lehar (1870-1948)
喜歌劇「パガニーニ」第1幕より「カプリッチョ」
Paganini, Capriccio
~ヴァイオリン独奏:マイケル・ダウス Micheal Douth, Violin
■F.レハール Franz Lehar (1870-1948)
ワルツ「金と銀」
Walts "Gold and Silver", op.79
(アンコール Encor)
■J.ブラームス Johannes Brahms (1833-1897)
ハンガリー舞曲 第6番 ニ長調
Hungarian Dance No.6 in D major
■F.レハール Franz Lehar (1870-1948)
オペレッタ「メリー・ウィドウ」より「ワルツ」
Die lustige Witwe, Waltz
~ヴァイオリン独奏:マイケル・ダウス Micheal Douth, Violin