トイレット
これは面白かった…!よかったです。ぼくのツボにずっぽり入りました。今年のナンバーワンといってもいいかもしれない。
他人との干渉を嫌うロボットプラモオタクの長兄レイ、引きこもりピアニストの次兄モーリー、エアギターに燃える口の悪い妹リサ。バラバラに生きてきた三兄妹が、母の死後、母が生前日本から呼び寄せた寡黙な「ばーちゃん」との暮らしの中で、ゆるやかに家族の絆を回復していきます。
「かもめ食堂」「めがね」の荻上直子監督作品ということで、ゆるーい癒し系作品かと思っていたら、(まあ、確かにゆるいことはゆるいんですが)それだけじゃありませんでした。全体のトーンとしては穏やかながら物語としての起伏はしっかりあって、笑えて泣ける心温まる作品に仕上がっています。なにより明確にキャラ付けされた各登場人物が、それぞれの欠点も含めて、いずれも愛おしく描かれているのです。
そんななかで異彩を放つのが、もたいまさこさんが演じる「ばーちゃん」。英語が話せず作品中終始無言ですが、だからこそ唯一コトバを発する場面でのグッと来る度合いがハンパない。
あと、クラシック系ブロガー(なのか?)としては、モーリーが弾くピアノ曲にも注目せざるを得ますまい(笑)。
特に「ワルトシュタイン」はアレンジを変え、物語の随所に流れます。ついにはエンディングまでこの曲でした。好きな曲なので嬉しくなってしまいましたよ。
ほかにも、ぼくが好きだった映画「西の魔女が死んだ」の主演・サチ・パーカーさんが、近所のバス停に佇む謎の女性としてひっそり登場していたり、意外にこの作品のポイントとなる美味しそうなギョーザは、「かもめ食堂」のフードスタイリストの飯島奈美さんの手によるものだったり。小ネタもいちいちツボなのでした。
★★★★★
(2010/10/11@イオンシネマ金沢フォーラス)
他人との干渉を嫌うロボットプラモオタクの長兄レイ、引きこもりピアニストの次兄モーリー、エアギターに燃える口の悪い妹リサ。バラバラに生きてきた三兄妹が、母の死後、母が生前日本から呼び寄せた寡黙な「ばーちゃん」との暮らしの中で、ゆるやかに家族の絆を回復していきます。
「かもめ食堂」「めがね」の荻上直子監督作品ということで、ゆるーい癒し系作品かと思っていたら、(まあ、確かにゆるいことはゆるいんですが)それだけじゃありませんでした。全体のトーンとしては穏やかながら物語としての起伏はしっかりあって、笑えて泣ける心温まる作品に仕上がっています。なにより明確にキャラ付けされた各登場人物が、それぞれの欠点も含めて、いずれも愛おしく描かれているのです。
そんななかで異彩を放つのが、もたいまさこさんが演じる「ばーちゃん」。英語が話せず作品中終始無言ですが、だからこそ唯一コトバを発する場面でのグッと来る度合いがハンパない。
あと、クラシック系ブロガー(なのか?)としては、モーリーが弾くピアノ曲にも注目せざるを得ますまい(笑)。
リスト:3つの演奏会用練習曲 S144/R5より 第3曲「ため息」
リスト:伝説 S.175より 第2曲「波を渡るパオラの聖フランチェスコ」
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」
特に「ワルトシュタイン」はアレンジを変え、物語の随所に流れます。ついにはエンディングまでこの曲でした。好きな曲なので嬉しくなってしまいましたよ。
ほかにも、ぼくが好きだった映画「西の魔女が死んだ」の主演・サチ・パーカーさんが、近所のバス停に佇む謎の女性としてひっそり登場していたり、意外にこの作品のポイントとなる美味しそうなギョーザは、「かもめ食堂」のフードスタイリストの飯島奈美さんの手によるものだったり。小ネタもいちいちツボなのでした。
★★★★★
(2010/10/11@イオンシネマ金沢フォーラス)