かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

借りぐらしのアリエッティ

人間の家の床下で暮らしている小人の家族の物語。一家はその家の生活品をこっそり拝借しているので、人間に見つかったらそこを出ていかなければいけません。ところがある日、娘のアリエッティが、その家に療養に来た少年に姿を見られてしまいます。

奇想天外なわりには理解しやすい設定で、物語にはすんなり入っていけます。お転婆な主人公少女、寡黙だけど頼りがいのあるお父さん、おしゃべりで愛らしいお母さん。小人一家はみなわかりやすい(典型的で安心できる)愛すべきキャラクター。物語もおもしろく進み、いい感じで清々しく見終わることができます。とてもよくまとまっている良作です。

ただし、同じジブリ作品とはいえ(絵柄なども似ているとはいえ)、宮崎駿監督作品ほどのスケール感は残念ながらありません。宮崎作品なら、この物語からさらにひとつ大きいうねりを描いていき、その部分こそが物語の本質を突いてくるというところまで導いてくれるのですが、この作品はあくまで初期設定から想定される自然な帰結という筋書きの域を超えません。

まあ、夏休みに家族で楽しむにはまったく問題ないレベルですが、あともうちょっとを求める向きには、かなり物足りないといわざるをえないでしょう。

余談。この物語の鍵を握るお手伝いさん。声は樹木希林さんなのですが、お手伝いさんの顔自体が樹木希林さんそっくりで笑った。

★★★

(2010/07/19@ユナイテッドシネマ金沢)