かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

孤高のメス

地方の市民病院に着任し、地域医療にその身を捧げるエリート外科医の物語。卓越した外科技術に加え、すべては患者のためにという一貫した信念、またその飄々とした人柄に、事なかれ主義だった病院スタッフも彼に敬意を示し始めます。他方、大学病院からの一時赴任組の医師たちからは煙たがれる存在に。そんな中、彼を当地に招いた市長が肝硬変に倒れます。市長を救うためには違法とされている脳死肝移植しかないのですが…。

自らの職業的使命に忠実に従う態度。ううう…立派です。かといってさほど押し付けがましくないのも好印象。ラスト近くでは涙が溢れるシーンもございます。そして最後は清々しく感動できます。役者陣の演技も見事。特に夏川結衣さん、余貴美子さんは素晴らしかった。

とはいえ「息もできない」「告白」といった劇薬を味わったばかりなので、このようなまったくもって「正しい」作品に、多少の嘘くささ、物足りなさを感じてしまったのもまた事実。いけないなあ。素敵なことは素敵だと正面から素直に受け止められるような人間になりたいです…。

★★★★

(2010/06/13@ユナイテッドシネマ金沢)