かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

第9回北陸新人登竜門コンサート with 井上道義&OEK(2010/04/18)

夜桜を愛で、昭和歌謡に酔い、ライヴに狂った宴の後。ここらで少し落ち着いて、ゆっくりとぼくのフィールドに帰っていきましょう。気が付けばこの日はぼくの43回目の誕生日。といっても別に誰が祝ってくれるとか、特に何があるわけでもなく。孤独こそが所詮我が日常なのだと急速に厭世的な気分になり、また無為に一年を過ごしてしまったことをおおいに悔やみ…。いけない、いけない。悪い癖が出た。なんとか気持ちを立て直し、泰然を装って音楽堂へ向かうことにいたします。

北陸新人登竜門コンサートとは、北陸3県縁故の若手有望音楽家がOEKと共演するコンサート。一昨年昨年に続き3度目の鑑賞です。

前半はOEKのみの演奏で、ストラヴィンスキー交響曲ハ調。もちろん知らない曲なのですが(苦笑)、ストラヴィンスキー自体は映画「シャネル&ストラヴィンスキー」を観たときから妙に気になっています。複雑なリズムに不協和音。緊張感を孕む不安定な均衡の中から、ハッとするような美しい音が聴こえてくるような気がするのです。プログラム解説によると、この曲は新古典主義とよばれ、ハイドンモーツァルトの時代のような比較的地味でシンプルな作品とのこと。でも、たしかに交響曲の様式美を備えているものの、やはりハイドンとかとは音の性格がまったく違うと思うのです。井上さんの躍るような指揮も、モーツァルトのときのような優雅さだけではなく、ちょっと違った雰囲気だったような気がします(バレエっぽい?)。

後半は新人さんの登場です。まず最初はホルンの笠間芙美さん。かなーり上手でした。少なくとも、ホルンにありがちな音外しは1回もなし。ヨカッタヨカッタ。OEKの楽団員に欲しいー(´∀`)

次は声楽部門からメゾ・ソプラノの延命紀瑚さん。「延命」と聞いて連想したとおり、能登出身の元N響ステージマネージャーで、OEK創立に尽力された延命千之助さん(岩城さんのエッセイで知りました)のお嬢さんだそうです。しかし…新人?…ですか? 結構なキャリアを積まれているようですが、自ら敢然とオーディションに応募し、見事合格を果たしたとのこと。歌声の方は…うーん、あまり記憶にないです(汗)。

最後はアルト・サクソフォンの角口圭都さん。堂々として立派な演奏でした(という印象…実はあまり覚えていない)。

3人とも演奏後に井上マエストロから「勝利者インタビュー」を受けてましたね。緊張しつつも誠実に答えるさまが初々しくてよろしいです。延命さんは感極まって涙も。井上さんの冗談めかしたインタビューには、今回出演した合格演奏者への愛と期待がこもっていました。

オーケストラ・アンサンブル金沢
第9回北陸新人登竜門コンサート【管・打楽器、声楽部門】

日時:2010年4月18日(日)15:00開演
会場:石川県立音楽堂コンサートホール
指揮:井上道義 Conductor: Michiyoshi Inoue
管弦楽オーケストラ・アンサンブル金沢 Orchestra Ensemble Kanazawa
コンサート・マスター:サイモン・ブレンディス Concertmaster: Simon Blendis

ストラヴィンスキー I.Stravinsky (1882-1971)
 交響曲 ハ調
 Symphony in C

----- 休憩 Intermission -----

《ホルン:笠間芙美 Horn: Fumi Kasama》
ラーション L.-E.Larsson (1908-1986)
 ホルン・コンチェルティーノ 作品45-5
 Concerto for Horn and String orchestra Op.45-5


《メゾ・ソプラノ:延命紀瑚 Mezzo-Soprano: Noriko Enmei》
■マスカーニ P.Mascagni (1863-1945)
 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より「ママも知るとおり」
 Voi lo sapate, mamma ~ Cavalleria rusticana"

■マスネ J.Massenet (1842-1912)
 歌劇「ウェルテル」より「手紙の歌」
 Air de letters 'Werther! Qui m'aurait dit la place que dans mon coeur' ~ "Werther"

サン=サーンス C.Saint-Saens (1835-1921)
 歌劇「サムソンとデリラ」より「あなたの声に私の心が開く」
 Mon coeur s'ouvre a ta voix ~ "Samson et Dalila"


《アルト・サクソフォン:角口圭都 Alto Saxophone: Keito Kadoguchi》
■トマジ H.Tomasi (1901-1971)
 アルト・サクソフォン管弦楽のための協奏曲
 Concerto for alto saxphone and orchesra