マイケル・ジャクソン THIS IS IT

いやあ、これは予想以上に凄かった！　突然の死によって幻となったマイケルのロンドン公演。当作品はそのリハーサル映像で構成されたものですが、単なる間に合わせ映像などでは決してなく、きわめて完成度の高いステージがそこにありました。

マイケルは歌もダンスも絶頂期のパフォーマンス。とても直後に命を落とすなど想像もつきません。そのうえ、スーパースターらしからぬ謙虚な態度で、じゅうぶんすぎる気遣いをもってスタッフに接します。こうしたマイケルを敬愛するキャスト・スタッフは、ライブに参加できることを誇りに感じ、プロフェッショナルとしての仕事をまっとうします。これだけ緻密に作り上げていったステージを世に出せないのはいかにも無念。こういう形で公開されたのはそうした思いがあったからなのでしょう。

僕自身、マイケルの大ファンだったとは言いませんが、彼の絶頂期に10代後半～20代前半でしたので、本作に使用された楽曲は当然すべて親しんだもの。奇行ばかりが取り沙汰された昨今のマイケルしか知らない人も、本作を見たら彼の偉大さがわかり、その実力に圧倒されることでしょう。

個人的には「ビリージーン」の崇高さに感激。演出家が「ロックンロールの教会みたいだ…」と賞賛したのを聞いて、わが意を得たりと涙が出そうになりました。

★★★★★

（2009/11/06＠イオンシネマ金沢フォーラス）

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曲名リスト
1. スタート・サムシング
2. JAM
3. ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス
4. ヒューマン・ネイチャー
5. スムーズ・クリミナル
6. ザ・ウェイ・ユー・メイク・ミー・フィール
7. シェイク・ユア・ボディ
8. キャント・ストップ・ラヴィング・ユー
9. スリラー
10. 今夜はビート・イット
11. ブラック・オア・ホワイト
12. アース・ソング
13. ビリー・ジーン
14. マン・イン・ザ・ミラー
15. THIS IS IT (新曲)
16. THIS IS IT (新曲) (オーケストラ・ヴァージョン)