かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

【OEK定期268PH】「ロルフベックの世界」未完成交響曲とモツレク

この日のOEK定期公演のメインはモツレク今年のラ・フォル・ジュルネ金沢2009での渾身の演奏が記憶に新しいところです。あのときのラ・フォル・ジュルネ金沢合唱団の気迫は凄まじく、心を激しく揺すぶられました。指揮ロルフ・ベックさんとシュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭合唱団の組み合わせは、昨年のラ・フォル・ジュルネ金沢2008でのシューベルト&ベートヴェンの合唱曲のとき以来。精鋭再び、です。

台風18号が県内を過ぎ去った名残の風雨。仕事を早めに切り上げ石川県立音楽堂へ向かい、音楽堂近くの100円/60分パーキングに到着。ところがチケットを忘れてきたことに気づき自宅へUターン。戻ってきたときには駐車スペースは埋まっており、しかたなく金沢駅西時計台駐車場(100円/30分)に駐車。こちらはガラガラ。音楽堂に着くと、エントランスの吹き抜けがふさがっており(そういえば先月改装工事をしていた)、2階ロビーが広々としていました。で、その中央はロビーコンサートが行われた痕跡が。遅れたため観られませんでしたが。

モツレクの前にまずはシューベルトの未完成交響曲。チェロ&コントラバスの甘い旋律からメリハリのある劇的な曲想。不滅の名曲をじっくり堪能できました。モツレクモーツァルトの断筆未完作品ですが、未完の大作といえば何と言ってもこの曲でしょう。ということで、本日のプログラムは未完つながりだったのでした。

さて休憩を挟んでいよいよモーツァルト「レクイエム」。いやあ、やっぱりこの曲は偉大です。歌の力が神聖な名曲をまさに名曲たらしめています。「入祭唱 Introitus」から合唱は力強く、「キリエ Kyrie」のフーガは美しい。「怒りの日 Dies irae」はもの凄い迫力で劇的、「賛美の生け贄と祈り Hostias」では天上の崇高な世界に包まれます。

ソリストは全員合唱団の人ですが全員巧い。特にソプラノのステファニー・ダッシュさんの美声。管弦楽はピリオド的な奏法で、すっきりキビキビした演奏。個人的な感動としては今年のラ・フォル・ジュルネ金沢合唱団を超えることはないけれども、終始ステージに釘付けにされ、がっつり楽曲に向き合うことができました。ひじょうに身が引き締まり、心が洗われる思い。

アンコールはやはりモーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」。美しく静謐な合唱&演奏で、心穏やかに終了。この日もけっこうな演奏会でした。

オーケストラ・アンサンブル金沢 Orchestra Ensemble Kanazawa
第268回定期公演フィルハーモニー・シリーズ
The 268th Subscription Concert / Philharmonie-serie

日時:2009年10月8日(木)19:00開演 Thursday, 8 October 2009 at 19:00
会場:石川県立音楽堂コンサートホール Ishikawa Ongakudo Concert Hall
指揮:ロルフ・ベック Conductor: Rolf Beck
合唱:シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭合唱団 Chorus: Schleswig-Holstein Music Festival Choir
ソプラノ:ステファニー・ダッシュ Soprano: Stefanie Dasch
アルト:ヴァレンティナ・フェチソヴァ Alto: Valentina Fetisova
テノール:ユライ・ホリイ Tenor: Juraj Holly
バス:トーマス・セルク Bass: Tomas Selc


フランツ・シューベルト F. Schubert (1797-1828)
 交響曲 第7番 ロ短調 D. 759 「未完成」
 Symphony No. 7 in B minor, D. 759 'Unfinished'


--- 休憩 Intermission ---


■ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト W. A. Mozart (1756-1791)
 レクイエム ニ短調 K. 626
 Requiem in D minor, K. 626


(アンコール Encore)
■ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト W. A. Mozart (1756-1791)
 アヴェ・ヴェルム・コルプス K. 618
 Ave verum corpus, K. 618