【OEK定期265PH】安永徹&市野あゆみ「ベルリンの哲学」
今シーズン最後の定期公演は、このたびベルリン・フィルハーモニーのコンサートマスターを退任した安永徹による弾き振り。夫人の市野あゆみさんと共にOEKの定期公演に2年ぶりに登場です。前日の昭和歌謡レコード鑑賞会からほぼ半日後、二日酔いから醒めた土曜の午後を、今度はクラシック音楽で楽しんできました。
1曲目はシューベルトの交響曲第5番。第1楽章、第2楽章はモーツァルト的、第3楽章メヌエットはベートーヴェン風のスケルツォと、古典派チックな軽快で親しみやすい曲です。シューベルトは今まであまり聴いていなかったのですけど、モーツァルト、ベートーヴェンとも親和的なのできらいじゃないはず。今後はもっと聴いていきたいですね。
続いて2曲目は市野あゆみさんが登場して、ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲。この曲は厳密に言えばピアノとトランペットと弦楽のための協奏曲ともいうべき編成でして、ピアノのほかにも独奏のトランペットが大活躍します。OEKの演奏は昨年の北陸新人登竜門コンサートで河合美知さんによる演奏を聴いて以来。今回のトランペット独奏はそのときと同じくOEKの藤井幹人さんでした。ただし藤井さんはステージ最後列中央に立って演奏した(らしい)のですが、ぼくの座席からはピアノのふたの陰に隠れて演奏中は一切姿を見ることができませんでした。これは残念。
残念といえば、腹立たしいことに第1楽章終盤に携帯電話の着信音が鳴り響いたのです。1階前方の上手側だと思うのですが、犯人は着信音を消そうとする気配もありません。市野さんも安永さんも困惑した顔で、第2楽章がはじまるまでかなり間が空きました。今日はCD録音があるとアナウンスしているのに、まったく何を聞いているのでしょうか。もっとも、演奏者のみなさんはさすがプロですね。第2楽章以降は、むしろさらに引き締まった素晴らしい演奏が繰り広げられたように思います。かえって集中力が高まったのかもしれません。
休憩を挟んで後半はハイドンの協奏交響曲。ヴァイオリンの安永さんのほか、OEKメンバーからチェロのカンタさん、オーボエの加納さん、ファゴットの柳浦さんがソリストとして登場。4人の美しい独奏が折り重なることで、ハイドンの明るさがなおいっそう華やかに彩られます。トーマス・オケーリーさんのティンパニも心地よく響きました。
アンコールはプッチーニの弦楽四重奏曲「菊」を弦楽合奏版で。濁りのない美しいアンサンブルが、最後を気持ちよく締めてくれました。今シーズンの定期公演はこれにて終了となります。来シーズンも継続してフィルハーモニー、マイスターの両シリーズの会員になりましたので、引き続き楽しんでいきたいと思います。
1曲目はシューベルトの交響曲第5番。第1楽章、第2楽章はモーツァルト的、第3楽章メヌエットはベートーヴェン風のスケルツォと、古典派チックな軽快で親しみやすい曲です。シューベルトは今まであまり聴いていなかったのですけど、モーツァルト、ベートーヴェンとも親和的なのできらいじゃないはず。今後はもっと聴いていきたいですね。
続いて2曲目は市野あゆみさんが登場して、ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲。この曲は厳密に言えばピアノとトランペットと弦楽のための協奏曲ともいうべき編成でして、ピアノのほかにも独奏のトランペットが大活躍します。OEKの演奏は昨年の北陸新人登竜門コンサートで河合美知さんによる演奏を聴いて以来。今回のトランペット独奏はそのときと同じくOEKの藤井幹人さんでした。ただし藤井さんはステージ最後列中央に立って演奏した(らしい)のですが、ぼくの座席からはピアノのふたの陰に隠れて演奏中は一切姿を見ることができませんでした。これは残念。
残念といえば、腹立たしいことに第1楽章終盤に携帯電話の着信音が鳴り響いたのです。1階前方の上手側だと思うのですが、犯人は着信音を消そうとする気配もありません。市野さんも安永さんも困惑した顔で、第2楽章がはじまるまでかなり間が空きました。今日はCD録音があるとアナウンスしているのに、まったく何を聞いているのでしょうか。もっとも、演奏者のみなさんはさすがプロですね。第2楽章以降は、むしろさらに引き締まった素晴らしい演奏が繰り広げられたように思います。かえって集中力が高まったのかもしれません。
休憩を挟んで後半はハイドンの協奏交響曲。ヴァイオリンの安永さんのほか、OEKメンバーからチェロのカンタさん、オーボエの加納さん、ファゴットの柳浦さんがソリストとして登場。4人の美しい独奏が折り重なることで、ハイドンの明るさがなおいっそう華やかに彩られます。トーマス・オケーリーさんのティンパニも心地よく響きました。
アンコールはプッチーニの弦楽四重奏曲「菊」を弦楽合奏版で。濁りのない美しいアンサンブルが、最後を気持ちよく締めてくれました。今シーズンの定期公演はこれにて終了となります。来シーズンも継続してフィルハーモニー、マイスターの両シリーズの会員になりましたので、引き続き楽しんでいきたいと思います。
オーケストラ・アンサンブル金沢 Orchestra Ensemble Kanazawa
第265回定期公演フィルハーモニー・シリーズ
The 265th Subscription Concert / Philharmonie-serie
日時:2009年7月25日(土)15:00開演 Saturday, 25 July 2009 at 15:00
会場:石川県立音楽堂コンサートホール Ishikawa Ongakudo Concert Hall
リーダー&ヴァイオリン:安永徹 Leadre & Violin: Toru Yasunaga
■フランツ・シューベルト F. Schubert (1797-1828)
交響曲 第5番 変ロ長調 D. 485
Symphony No. 5 in B-flat major, D. 485
第1楽章 アレグロ 変ロ長調
1st. Mov. Allegro in B-flat major
第2楽章 アンダンテ・コン・モート 変ホ長調
2nd. Mov. Andante con moto in E-flat major
第3楽章 メヌエット、アレグロ・モルト ト短調、ト長調
3rd. Mov. Menuetto, Allegro molto in G flat - G major
第4楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ 変ロ長調
4th. Mov. Allegro vivace in B-flat major
■ドミートリイ・ショスタコーヴィチ D. Shostakovich (1906-1975)
ピアノ協奏曲 第1番 ハ短調 Op. 35
Piano Concerto No. 1 in C minor, Op. 35
第1楽章 アレグレット
1st. Mov. Allegretto
第2楽章 レント
2nd. Mov. Lento
第3楽章 モデラート
3rd. Mov. Moderato
第4楽章 アレグロ・コン・ブリオ
4th. Mov. Allegro con brio
~ピアノ:市野あゆみ Piano: Ayumi Ichino
トランペット:藤井幹人 Trumpet: Mikito Fujii
---休憩---
■フランツ・ヨーゼフ・ハイドン F. J. Haydn (1732-1809)
協奏交響曲 変ロ長調 Op. 84 Hob. I-105
Sinfonia Concertante in B-flat major, Op. 84 Hob. I-105
第1楽章 アレグロ
1st. Mov. Allegro
第2楽章 アンダンテ
2nd. Mov. Andante
第3楽章 アレグロ・コン・スピーリト
3rd. Mov. Allegro con spirito
~ヴァイオリン:安永徹 Violin: Toru Yasunaga
チェロ:ルドヴィート・カンタ Cello: Ludovit Kanta
オーボエ:加納律子 Oboe: Ritsuko Kano
ファゴット:柳浦慎史 Fagotto: Shinji Yagiura
(アンコール)
■ジャコモ・プッチーニ G. Puccini (1858-1924)
弦楽四重奏曲「菊」 嬰ハ短調 (弦楽合奏版)
String Quartet "Crisantemi" in C-sharp minor (string ensemble version)