かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

【LFJ金沢2009】2009年5月2日:ラ・フォル・ジュルネ金沢「熱狂の日」音楽祭2009 ~モーツァルトと仲間たち~ 第1日目

ラ・フォル・ジュルネ金沢「熱狂の日」音楽祭2009
モーツァルトと仲間たち~
LA FOLLE JOURNEE de KANAZAWA 2009 - MOZART et ses amis
第1日目 the 1st day

ついに本公演が始まりました。個人的にはこの日だけで8公演をハシゴして聴いたため、いきなりクライマックスを迎えた気分、満腹です。




《公演番号 121》モディリアーニ弦楽四重奏団&工藤重典
2009年5月2日(土)10:45開演 石川県立音楽堂邦楽ホール
Saturday, 2 May 2009 at 10:45 Ishikawa Ongakudo Hougaku Hall

フルート:工藤重典 Flute: Shigenori Kudo
モディリアーニ弦楽四重奏団 Quatuor Modigliani

■ヴォルフガンフ・アマデウスモーツァルト W. A. Mozart
 弦楽四重奏曲 第19番 ハ長調 K. 465 「不協和音」
 String Quartet No. 19 in C major, K. 465 'Dissonance'

■ヴォルフガンフ・アマデウスモーツァルト W. A. Mozart
 フルート四重奏曲 第1番 ニ長調 K. 285
 Flute Quartet No. 1 in D major, K. 285

邦楽ホール1階、下手ブロック最前列の左端。
モディリアーニ弦楽四重奏団は全員若いカルテットながら丁寧な演奏で好印象。特に第一ヴァイオリンがものすごく巧い。「不協和音」を堪能しました。フルート好きなもので、2曲目のフルート四重奏曲が実は目当て。工藤重典さんはさすがの貫禄でした。

それにしても、ホールの3分の1程度は空席だったような気がします。2階席などは誰もいなかった。もったいない!!


《公演番号 112》小曽根真×ベーク&オーヴェルニュ室内管
2009年5月2日(土)11:45開演 石川県立音楽堂コンサートホール
Saturday, 2 May 2009 at 11:45 Ishikawa Ongakudo Concert Hall

指揮:アリ・ヴァン・ベーク Conductor: Arie van Beek
ピアノ:小曽根真 Piano: Makoto Ozone
オーヴェルニュ室内管弦楽団 Orchestra d'Auvergne

■ヴォルフガンフ・アマデウスモーツァルト W. A. Mozart
 ディヴェルティメント ニ長調 K. 136
 Divertiment in D major, K. 136

■ヴォルフガンフ・アマデウスモーツァルト W. A. Mozart
 ピアノ協奏曲 第9番 変ホ長調 K. 271 「ジュノム」
 Piano Concerto No. 9 in E-flat major, K. 271 'Jeunehomme'

(アンコール)小曽根真さん独奏

ほぼ満席。ぼくの座席はコンサートホール1階、上手ブロック中段のいちばん中央寄り通路側。好きなポジションです。
オーヴェルニュ室内管弦楽団はすっきりとした古楽奏法的な演奏。軽やかなK. 136が心地よいです。そしてお待ちかね小曽根さんのジュノム。協奏部分はやわらかいタッチで、かなり正統的。ところがカデンツァは一転、ジャズサウンドが炸裂! これはカッコいい! 本日2公演めにしていきなりハイライトかも?


《公演番号 132》ストラディヴァリ弦楽四重奏団
2009年5月2日(土)13:00開演 金沢市アートホール
Saturday, 2 May 2009 at 13:00 Kanazawa Art Hall

ストラディヴァリ弦楽四重奏団 Stradivaria String Quartet
 第1ヴァイオリン:ダニエル・キュイエ Violin I: Daniel Cuiller
 第2ヴァイオリン:ソレヌ・ギルベール Violin II: Solenne Guilbert
 ヴィオラ:ソフィ・セルフ Viola: Sophie Cerf
 チェロ:エマニュエル・ジャック Cello: Emmanuel Jacques

■ヴォルフガンフ・アマデウスモーツァルト W. A. Mozart
 ディヴェルティメント 変ロ長調 K. 137
 Divertiment in B-flat major, K. 137

■ヴォルフガンフ・アマデウスモーツァルト W. A. Mozart
 ディヴェルティメント ヘ長調 K. 138
 Divertiment in F major, K. 138

モーツァルト未発表直筆譜 日本初演

■ヴォルフガンフ・アマデウスモーツァルト W. A. Mozart
 ディヴェルティメント ニ長調 K. 136
 Divertiment in D major, K. 136

(アンコール)内容失念

前公演がアンコールなどで時間が押したため、また、音楽堂からアートホールへ移動するため、開始時刻ギリギリに滑り込みました。前から4列目のいちばん下手側壁際。ストラディヴァリ弦楽四重奏団によるディヴェルティメント3曲(K. 136~138)に浸りました。こちらもヴィブラートを極力排したバロック的響き。

なお、途中、ダニエル・キュイエさんにより、昨年ナント市立図書館でモーツァルト直筆と認定された楽譜(キリエとクレド)が日本初演(!)されました。もっとも、キュイエさんいわく、楽想的にモーツァルトの作品だとは思えないとのこと。他の作曲家の作品の写譜ないし備忘的なものではないかと。実際に聴いてみたところ…同意です。



JR金沢駅もてなしドーム地下イベント広場の屋台で軽食(ウィーン風カツレツ)


《公演番号 123》サンヤ・ビジャーク
2009年5月2日(土)14:45開演 石川県立音楽堂邦楽ホール
Saturday, 2 May 2009 at 14:45 Ishikawa Ongakudo Hougaku Hall

ピアノ:サンヤ・ビジャーク Piano: Sanja Bizjak

■ヴォルフガンフ・アマデウスモーツァルト W. A. Mozart
 ピアノ・ソナタ 第2番 ヘ長調 K. 280
 Piano Sonata No. 2 in F major, K. 280

■ヴォルフガンフ・アマデウスモーツァルト W. A. Mozart
 アダージョ ロ短調 K. 540
 Adagio in B minor, K. 540

■ヴォルフガンフ・アマデウスモーツァルト W. A. Mozart
 ピアノ・ソナタ 第14番 ハ短調 K. 457
 Piano Sonata No. 14 in C minor, K. 457

邦楽ホール1階、下手ブロック最前列。美人姉妹の妹、サンヤ・ビジャークによるピアノ・ソナタ。技巧がしっかりとしており安心して聴けました。ただし教科書的でいささか淡白だったかもしれません。食後ということもあり、しばし夢の中へ…。

本日2度目の邦楽ホールでしたが、客の入りはやはりあまりよくありません。依然として、2階席にはお客さんが誰もいませんでした…。


《公演番号 114》メイエ×井上&OEK
2009年5月2日(土)16:00開演 石川県立音楽堂コンサートホール
Saturday, 2 May 2009 at 16:00 Ishikawa Ongakudo Concert Hall

指揮:井上道義 Conductor: Michiyoshi Inoue
クラリネット:ポール・メイエ Clarinet: Paul Mayer
オーケストラ・アンサンブル金沢 Orchestra Ensemble Kanazawa

■ヴォルフガンフ・アマデウスモーツァルト W. A. Mozart
 歌劇「フィガロの結婚」序曲 K. 492
 'Le nozze di Figaro' Overture, K. 492

■ヴォルフガンフ・アマデウスモーツァルト W. A. Mozart
 クラリネット協奏曲 イ長調 K. 622
 Clarinet Concerto in A major, K. 622

クラリネットの名手、ポール・メイエさんが出演、しかも地元OEKと井上マエストロが本祭初登場とあって、コンサートホールは大盛況。満席プラス立見席も出現。そんな中、ぼくの座席は1階中央ブロック中段の下手寄り通路側。これもとてもいい座席! いち早く予約した甲斐がありました!

まずは大好きな「フィガロ」序曲。井上さんらしく躍動的。続いてはクラリネット協奏曲。これが素晴らしかった!! メイエさんのクラリネットは確かな技巧に加え、表情がとても豊か。特に弱音の歌ごころといったら…!! クラリネットの持つ陽気さと哀愁を帯びた両面の音色を存分に満喫しました。


《公演番号 134》トリオ・ショーソン
2009年5月2日(土)17:15開演 金沢市アートホール
Saturday, 2 May 2009 at 17:15 Kanazawa Art Hall

トリオ・ショーソン Trio Chausson

■ヴォルフガンフ・アマデウスモーツァルト W. A. Mozart
 ピアノ三重奏曲 第4番 変ロ長調 K. 502
 Piano Trio No. 4 in B-flat major, K. 502

■ヴォルフガンフ・アマデウスモーツァルト W. A. Mozart
 ピアノ三重奏曲 第5番 ホ長調 K. 542
 Piano Trio No. 5 in E major, K. 542

(アンコール Encore)内容失念

アートホール中央ブロック最前列下手寄り通路側。かぶりつき。本祭では古楽奏法的なニュアンスをもつアーティストが主流なようですが、そんななか、このトリオ・ショーソンは一味違いました。三者がそれぞれ存分に歌い上げるロマンティックな陶酔系です。そしてこれがホントによかったのですよ。あまり注目されていなかったようですが、個人的には、本日最も気に入った演奏だったかもしれません。ヴァイオリンとチェロがたがいに目を見詰め合ってとろ~んと酔いしれながら奏でるさまは、ちょっとやばい(汗)とも思えますが、音楽を楽しんでいるという幸福感がひしひしと伝わってきました。


金沢市アートホールが入居するポルテ金沢。地下1階にあるサイゼリヤにてパスタで夕食。


《公演番号 125》アンヌ・ケフェレック
2009年5月2日(土)19:00開演 石川県立音楽堂邦楽ホール
Saturday, 2 May 2009 at 19:00 Ishikawa Ongakudo Hougaku Hall

ピアノ:アンヌ・ケフェレック Piano: Anne Queffelec

■ヴォルフガンフ・アマデウスモーツァルト W. A. Mozart
 デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲 ニ長調 K. 573
 9 Variations in D major on a Minuet by Duport, K. 573

■ヴォルフガンフ・アマデウスモーツァルト W. A. Mozart
 幻想曲 ハ短調 K. 475
 Fantasy in C minor, K. 475

■ヴォルフガンフ・アマデウスモーツァルト W. A. Mozart
 ピアノ・ソナタ 第14番 ハ短調 K. 457
 Piano Sonata No. 14 in C minor, K. 457

邦楽ホール1階、中央ブロック最前列上手側。ケフェレックさんは昨年のLFJKに引き続いての登場。幻想曲K. 475からピアノ・ソナタ第14番へとアタッカ的に続けられたハ短調2曲に注目です。特に14番はほんの数時間前にサンヤ・ビジャークさんの演奏を聴いたところですが、ケフェレックさんの演奏はやはり聴かせてくれました。さすが説得力があるといいましょうか。…といいつつ、夕食後の満腹の身ゆえ必然的に(略)

なお、14番の第2楽章は、ベートーヴェン「悲愴」ソナタ第2楽章の有名な旋律にそっくりです。モーツァルトの方が先なんですけどね。


《公演番号 116》戸田弥生×ジェラール・コセ×井上&OEK
2009年5月2日(土)20:00開演 石川県立音楽堂コンサートホール
Saturday, 2 May 2009 at 20:00 Ishikawa Ongakudo Concert Hall

指揮:井上道義 Conductor: Michiyoshi Inoue
ヴァイオリン:戸田弥生 Violin: Yayoi Toda
ヴィオラ:ジェラール・コセ Viola: Gerard Causse
オーケストラ・アンサンブル金沢 Orchestra Ensemble Kanazawa

■ヴォルフガンフ・アマデウスモーツァルト W. A. Mozart
 協奏交響曲 変ホ長調 K. 364
 Sinfonia Concertante in E-flat major, K. 364

■ヴォルフガンフ・アマデウスモーツァルト W. A. Mozart
 交響曲 第35番 ニ長調 K. 385 「ハフナー」
 Symphony No. 35 in D major, K. 385 'Haffner'

本日最後の公演。数日前に追加購入したチケットのため(同じ時間帯の仲道さんのピアノ・ソナタと最後まで迷っていた)、S席とはいえあまりいい席ではありません。1階最後尾でした。

この公演を追加購入した決め手は協奏交響曲。ここ1ヶ月くらいモーツァルトのCDを続々と入手して手当たり次第に聴いていたのですが、そのなかで最も気に入った楽曲がこの協奏交響曲だったのです。ガイドブックにも解説がありましたが、幸福感に溢れた華やかな曲想がおおいに気に入りました。はたして、本日の公演でもその幸福感をじゅうぶん味わえました。くわえて、ソリストの戸田さんとコセさんのシンクロ加減が絶妙。全員でかわるがわる祝いごとを盛り上げる雰囲気が連想されるようでした。

戸田さん&コセさんの何回ものカーテンコールのあとは、井上&OEKによる「ハフナー」交響曲。祝祭的で快活なおなじみの楽曲で本日は無事に終了しました。