かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

わたしはラブストーリーや戦争もので涙することはほとんどないのですが、こと「家族の死」に関しては極端に弱いのです。ですから、この映画は観る前から間違いなくわたしの涙腺を直撃することがわかっていました。しかも「ボク」がオダギリジョーさんで、「オカン」が樹木希林さんとのこと。観ていませんが巧いに決まってます。あ~観たら絶対泣くだろうなあ、映画館で泣くのは嫌だなあと思って二の足を踏んでおりました。ところが、今日はメンズデーで1000円だったもののラインナップの中で時間帯的に合うものがこれしかありません。やむをえずこの映画を観ることにしたところ・・・案の定、ぼろぼろ泣いてしまいました。随所でうるうるくるのを堪えていたんですが、オダギリジョーさんが劇中で涙した途端、わたしの涙腺も決壊しました。

ストーリーは劇的でもなんでもありません。母親が命を終え、息子が看取る。人間生活で繰り返される光景です。しかし、「オカン」の献身的で健気な姿とか、それに甘える「ボク」の頼りなくて中途半端さ加減は、多くの人にとって具体的な体験として身に覚えがあることでしょう。観客は自身の母子関係に重ね合わせて、それぞれの思いを巡らせやすいのです。少なくとも、この映画が妙に気になるような人にとってはそうであるはず。そこへもってきてオダギリジョーさんと樹木希林さんの自然な演技ですよ。そのうえ染み入るような脚本があって、ほどよくさりげない演出がなされていて・・・どれをとっても最高でした。

なお、ボクもオカンも若い頃と現在とは役者さんが異なっていますが、オトンは小林薫さんが若いことから現在までひとりで演じています。さすがです。そういう意味では猫背椿さんもすごい。最後のオバチャン軍団の中にも、まるで違和感なく馴染んでいました。あと、チョイ役の方々も無駄にすごいです。個人的には岩松了さんが電話の声だけの出演というのがツボでした。

★★★★★

4594049664東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~
リリー・フランキー
扶桑社 2005-06-28

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松尾 スズキ

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