【OEK定期364PH】五嶋みどりのシューマン、井上道義のブラームス(2015/6/22@石川県立音楽堂コンサートホール)
五嶋みどりさんと井上指揮OEKの共演は、2010年11月のチャイコン以来です。定期公演としては初登場。
プログラムはシューマンのヴァイオリン協奏曲。ピアノ協奏曲のような派手さがあるわけではなく、演奏される機会は少ないと思います。漫然と聴いているとひょっとして退屈かもしれません。しかし、みどりさんの内省的でストイックなヴァイオリンは、我々聴衆にも抜き差しならない緊張感を与え、その抑圧的な曲調にすっかり惹き込まれていきました。さすがみどりさん、今回もまた唸らされました。また、シューマンは(交響曲は特に)第一印象はとっつきにくいが、意識して集中して聴くと必ずその魅力に気づく、という個人的シューマン体験が今回も実証された形(笑)。
後半はブラームス2番。シューマンと続けるとやはり濃いですね。実によろしい笑。全体的にゆったりめのテンポで、丁寧にたっぷりと聴かせてくれました。井上さんは(ブログには書いていないのですが)3月の定期公演でのシューベルト「ザ・グレート」の完成度の高さといい、病気から回復後は特に、巨匠の風格満載のように思います。
オーケストラ・アンサンブル金沢
第364回 定期公演 フィルハーモニーシリーズ
2015年6月22日(月)19:00開演
石川県立音楽堂コンサートホール
指揮:井上道義
ヴァイオリン:五嶋みどり
■ロッシーニ:歌劇「シンデレラ」序曲
■シューマン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
Vn. 五嶋みどり
■ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 作品73