かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

【LFJ金沢2011】ラ・フォル・ジュルネ金沢「熱狂の日」音楽祭2011 ~ウィーンのシューベルト~ 本公演第1日目(2011/05/02)

ラ・フォル・ジュルネ金沢「熱狂の日」音楽祭2011
~ウィーンのシューベルト
LA FOLLE JOURNEE de KANAZAWA 2011 - Schubert a Vienne
第1日目(2011/5/2) the 1st day (2 May 2011)

いよいよ本公演が始まりました。といっても、この日は暦で言えば休日ではなく、あくまで平日。だから日中は子ども向けのスクールプログラムで、この日唯一の夜公演が本格的なLFJ金沢のはじまりといえます。で、その夜公演を聴きに行ったわけですが、スタート即いきなりクライマックスといってもいい素晴らしい内容でした。

《公演番号 113》ホルツマイアー&井上道義OEK「冬の旅」
2011年5月2日(月)20:00開演 石川県立音楽堂コンサートホール
Monday, 2 May 2011 at 20:00 Ishikawa Ongakudo Concert Hall

指揮:井上道義 Michiyoshi Inoue, Conductor
バリトン:ヴォルフガング・ホルツマイアー Wolfgang Holzmair, Bariton
管弦楽オーケストラ・アンサンブル金沢 Orchestra Ensemble Kanazawa

■F. シューベルト鈴木行一編曲)
 Franz Peter Schubert / Arranged by Yukikazu Suzuki
 歌曲集「冬の旅」 D.911バリトン・オーケストラ版)
 Winterreise D.911 for bariton and orchestra
 ~バリトン:ヴォルフガング・ホルツマイアー Wolfgang Holzmair, Bariton

シューベルト「冬の旅」。恋に破れた青年が、故郷を離れさすらいの旅に出るという歌。元々はピアノ伴奏によるバリトン歌曲ですが、今回演奏されたバリトン・オーケストラ版というのは、生前の岩城宏之さんが、バリトン歌手のヘルマン・ブライさんとOEKが共演するためにオーケストラ版の編曲を依頼したオリジナルバージョンです。なのでOEKにとっても思い出多き作品なのではないでしょうか。個人的には、「冬の旅」というのは今まで断片的にしか聴いたことがありませんでしたが、今回初めて全曲歌詞を追いながら聴くことができました。

座席は2階右バルコニー席。ホルツマイアーさんのバリトンは、テノールにかなり近く、輝かしい美声でした。失礼ながらもう結構な歳だろうけど、声が若々しいから、まさにピュアな若者の苦悩が叫ばれているようです。一途な若者が抱くような自己陶酔型のナイーブな絶望感と申しましょうか…その美声は最後まで衰えることなく、全曲が歌い通されました。過剰に深刻になるような感じでもないのに、すっかり感情が伝わってくるとは…素晴らしかったです。

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終演後、音楽堂前に出ていくと、エーデルワイス・カペレのみなさんによるアルザス民族音楽の無料公演が行われていました。

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この音楽堂前のステージは、「ホイリゲ」(オーストリア東部のワイン酒場の呼び名)と名付けられているとのこと。会期中の祝祭感をより楽しげに演出してくれることでしょう。この日はその後、さっそくブラシシモ・ウィーン金管五重奏による賑やかな演奏が繰り広げられていました。