かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

【映画】森崎書店の日々(2011/2/18@シネモンド)

失恋のショックで会社を辞め、落ち込む毎日の貴子。叔父のサトルさんに声をかけられ、彼が経営する神保町の古本屋に住まわせてもらうことになりました。貴子は本にはいままでろくに接してこなかったのですが、店の仕事を手伝っているうちに、小説の世界に徐々に惹きこまれていきます…。

この作品の中では、時間はゆったりと淡々と、物事を急き立てることなく進みます。それは、自らの未熟さゆえ傷ついた貴子が、自ら傷を癒やし、再スタートを切るまでの休息の時間でした。本と出会い、サトル叔父さんの話を聞き、神保町の人たちとふれあい、そうした優しく幸福な出会いによって、貴子ははじめて自分自身と対話し、自ら主体的にモノの価値を考えることになったのでした。そして、自分自身との決着、晴れやかな決断。

ことさらに誰かが元気よく鼓舞するといったことはまるでないのですが、それなのにじわじわと力がわいてきます。前向きに生きようと思える、じつは力強い物語です。温かくていい作品でした。

http://www.morisaki-syoten.com/

★★★★