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かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

【オペラ】ヴェルディ「椿姫」(2011/1/21@金沢歌劇座)

カルメン」「ラ・ボエーム」「トゥーランドット」に続く金沢歌劇座オペラ第4弾。今回は「金沢歌劇座リニューアル記念」とのこと。もっとも、エントランスや客席などには手が加えられておらず、どこをリニューアルしたの?と首をひねってしまったのですが…(汗)。どうやら舞台が高く広がり、照明設備や楽屋など、観客側ではなく出演者側のスペースがも拡充されたもよう。出演者が大人数になる場合にも対応できるようになったのだそうです。
http://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20101127105.htm

というわけで記念のオペラ公演であります。演目はヴェルディの「椿姫」。ヴィオレッタに森麻季さん、アルフレードに佐野成宏さんという国内では第一線級のおふたりが登場します。そういえばこのコンビは、2007年9月のOEK定期でも、演奏会形式による「椿姫」にて共演していました。このときもとても素晴らしかったのですが、今回は演奏会形式ではなく、れっきとしたオペラ!なおさら楽しみなのです。しかも座席の方は「ラ・ボエーム」「トゥーランドット」と同じく1階最前列をゲット!(正確には最前列はすべて空席で2列目ですが) 出演者の表情がばっちり見えて、オーケストラピットを覗き込める絶好の特等席です。

いよいよ開演。悲劇を予感させる静謐な前奏曲のあと、一転してヴィオレッタ邸での華やかな宴の場面。第一幕がはじまります。居並んだ女性たちのドレスが想像していたのよりずっと豪華。なかでもヴィオレッタの森さんは、自身の美貌もあいまってとっても綺麗!そして歌声の方ももちろん素晴らしい。いつもながら澄んだソプラノがじつに伸びやかです。アルフレードに愛を告白され、戸惑う心境を振り払うかのように唄いあげるコロラトゥーラソプラノはとりわけ見事!

第二幕第一場は、ヴィオレッタがアルフレードともに移り住んだパリ郊外の屋敷。アルフレードの父ジョルジョが息子を連れ戻しにやってきます。このジョルジョ役の青山貴さんが素晴らしかった!バリトンの圧倒的な存在感!一気に緊迫感がみなぎります。

続いて第二場、パリに戻ってフローラ邸でのパーティ。ロマの踊り子や闘牛士に扮したバレエダンサーが華やかに宴を彩ります。大勢の前でヴィオレッタを侮辱するアルフレード。第一幕では少々控えめだった佐野さんでしたが、ここに来て声がぐんぐん出てきました。迫力が増してヴィオレッタが気の毒… この罵倒に耐えるヴィオレッタ、非礼な息子を叱責しつつも己を悔やむジョルジョ。自らの行為を恥じるアルフレード。三者の交錯する心境をそれぞれが切々と歌い上げます。

第三幕。第一幕でも演奏された悲痛な前奏曲。いよいよ悲劇の終末です。余命間もないヴィオレッタの屋敷。衰弱しきったヴィオレッタは、アルフレードをひたすらに待ちわび、絶望します。森麻季さんはベッドに横たわり、あるいは足元をふらつかせながらも迫真の絶唱。その歌声は衰えず、むしろますます悲壮感を増していきます。アルフレードと再会を果たし喜びを分かち合ったのも束の間、立ち上がったヴィオレッタはばたりと倒れこみ絶命。終幕。

いやあ、すっかり惹きこまれてしまいました。出演の歌手の皆さんがみな素晴らしく、現田マエストロの自在な指揮のもとOEKの演奏も見事でした。大満足です。

なお、1階最前列は当然S席、9000円(OEK会員割引にて8000円)でかなり高価でありますが、ふつうオペラ公演といえば万単位が常識。舞台美術がいささかシンプルとはいえ、あのキャストでこの値段はかなり安いと思います。それを可能にしたのは、5都市巡回公演による共同開催という形式。これなら比較的安価にそれなりの水準のオペラが上演可能というわけですね。また次回もこういうかたちで実現することを願っています。もちろん、そのときはぜひ観に行きたいと思います!


金沢歌劇座リニューアル記念 ヴェルディ:オペラ「椿姫」
全3幕/原語(イタリア語)上演/日本語字幕
Verdi "La Traviata"

日時:2011年1月21日(金)18:30開演 Friday, 21 January 2011 at 18:30
会場:金沢歌劇座 The Kanazawa Theatre

作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ Giuseppe Fortunino Francesco Verdi (1813-1901)
台本:フランチェスコ・マリア・ピアーヴェ Francesco Maria Piave (1810-1876)
原作:アレクサンドル・デュマ・フィス Alexandre Dumas fils (1824-1895)

指揮:現田茂夫 Shigeo Genda, Conductor
演出:十川稔 Minoru Togawa, Stage director

ヴィオレッタ:森麻季(ソプラノ) Maki Mori (Sop), Violetta Valery
アルフレード・ジェルモン:佐野成宏(テノール) Shigehiro Sano (Ten), Alfredo Germont
ジョルジョ・ジェルモン:青山貴(バリトン) Takashi Aoyama (Bar), Girgio Germont
フローラ:佐藤路子(ソプラノ) Michiko Sato (Sop), Flora Bervoix
ガストン子爵:直野良平(テノール) Ryohei Naono (Ten), Gastone, Visconte di Letorieres
ドゥフォール男爵:木村孝夫(バリトン) Takao Kimura (Bar), Barone Douphol
ドビニー公爵:藤山仁志(バリトン) Hitoshi Fujiyama (Bar), Marchese D'obigny
医師グランヴィル:大畑理博(バリトン) Mihihiro Ohata (Bar), Dottor Grenvil
アンニーナ:浪川佳代(ソプラノ) Kayo Namikawa (Sop), Annina
ジュゼッペ:大木太郎(テノール) Taro Ooki (Ten), Giuseppe, servo di Violetta
使者:塩入功司(バリトン) Kouji Shioiri (Bar), Commissario
フローラの召使:水野洋助(バリトン) Yousuke Mizuno (Bar), Domestico di Flora

合唱:新国立劇場合唱団 New National Theatre Chorus
バレエ:貞松・浜田バレエ団/横倉明子クラシックバレエ
Sadamatsu-Hamada Ballet/Akiko Yokokura Classic Ballet
管弦楽オーケストラ・アンサンブル金沢 Orchestra Ensemble Kanazawa
コンサートマスター:松井直 Naoki Matsui, Concertmaster