読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

【OEK定期291PH】ギュンター・ピヒラー&リディア・バイチ:オール・ベートーヴェン・プログラム(2010/11/19)

この日はぼくの好きなベートーヴェン尽くし!ピヒラーさん指揮のオール・ベートーヴェン・プログラムといえば、3年前ブーニンさんとの共演がありました。このときは前半はブーニンさんの「悲愴」ソナタと第3協奏曲、後半は(いまでもはっきり憶えているほど終楽章が超快速だった)第7交響曲でした。また、今回のプログラム「コリオラン」と第2交響曲というのは、ラ・フォル・ジュルネ金沢2008のオープニングコンサートがまさにこの組み合わせ。OEKにとっては馴染み深いベートーヴェンであり、しかも序曲→協奏曲→交響曲という安心の定番構成。クリスマスムードに彩られ始めた音楽堂では会場も満席に近い入り、盛況での開演です。

IMG_0931

まずは序曲「コリオラン」。弦5部のユニゾンから始まり、その後の全パートによるジャン!という和音、そして一斉に総休止。ホールの残響が計算し尽くされ、絶妙の間合いで次のユニゾンが繰り返されます。この緊迫感みなぎる第1主題がビシッと決まり、冒頭からゾクゾクきます。第2主題の穏やかさも束の間、終始支配する激情感にぐいぐい惹き込まれました。最後も弦5部で終わります。今度はピアニッシモのピツィカート。ひっそりと消え行く悲劇の予感。

続いてヴァイオリン協奏曲。いわゆる3大ヴァイオリン協奏曲(メンデルスゾーンチャイコフスキーブラームス)ほどのドラマ性はないかもしませんが、あたたかな幸福感に包まれるような曲調で、個人的にとても好きな曲です。ティンパニの微弱な4連打からはじまる長めの序奏の後、ヴァイオリン・ソロが満を持して登場します。独奏はリディア・バイチさん。おお…高音まで濁りのない綺麗な音色…。その透明で伸びやかな美音は、ぼくがこの曲に抱く素直で晴れ晴れとしたイメージによく合致します(ただし、先日のみどりさんの神がかったヴァイオリンと一瞬比べてしまったのはナイショ・苦笑)。バイチさんは絶えずピヒラーさんを注視し、OEKとの調和を強く意識したようすで、アンサンブルもバッチリ。いい演奏でした。

後半は第2交響曲です。コリオランとヴァイオリン協奏曲の中間程度の重厚さを帯びた序奏。そして引き続き、若々しく活力溢れるメロディが展開されていきます。前回の7番同様、ピヒラーさんのベートーヴェンは力強く推進する鋭い切れ味が特長。その一音一音には厳然たる意思が潜み、軽快すぎず、かといって重厚劇的に走ることなく。ああ、これは好ましいベートーヴェンですね。厳しさを伴った前向きな音楽には、生命の息吹が満ち溢れ、決然と人生に立ち向かう勇気が感じられます。そしてぼくはそういうベートーヴェンの音楽が持つ誇り高い精神に敬意を抱くのです。

というわけでベートーヴェンプログラムは終了。やはりベートーヴェンは素晴らしい! とっても満足しました!

オーケストラ・アンサンブル金沢 Orchestra Ensemble Kanazawa
第291回定期公演フィルハーモニー・シリーズ
The 291st Subscription Concert / Philharmonie-serie

日時:2010年11月19日(金)19:00開演 Friday, 19 November 2010 at 19:00
会場:石川県立音楽堂コンサートホール Ishikawa Ongakudo Concert Hall
指揮:ギュンター・ピヒラー Gunter Pichler, Conductor
コンサートマスター:アビゲイル・ヤング Abigail Young, Concertmaster

■L.v.ベートーヴェン Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 序曲「コリオラン」 作品62
 Overture "Coriolan" op.62

■L.v.ベートーヴェン Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61
 Violin Concerto in D major, op.61
 ~ヴァイオリン:リディア・バイチ Lidia Baich, Violin

-- 休憩 Intermission ---

■L.v.ベートーヴェン Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 交響曲 第2番 ニ長調 作品36
 Symphony No.2 in D major, op.36