かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

第9回昭和歌謡レコード鑑賞会(2010/09/24)

前回からおよそ5ヶ月ぶりの昭和歌謡レコード鑑賞会であります。O主宰多忙につき延び延びになっていたのですが、今回、ご近所かつ同年代のizmiさんをお招きして、満を持して第9回の鑑賞会がおこなわれました。この日ももちろん、いつもの一次会会場「いろは食堂」からスタートですよ(笑)。サッポロ黒ラベルをぐいぐい飲み進みながら、一品おつまみをぱくぱく。いつものように愉快な宴会です・見慣れたメニューもじっくり読むといろいろなナゾ・矛盾点が見つかって、なぜかそんなところが笑いのツボに入り、涙を流して笑ったり。

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さて、O主宰邸に移動し、いよいよ鑑賞会開始です。今回のテーマは、いちおう「秋」を念頭に置きつつ、以前ぼくが提出したリクエストにいくつか応えてくれるとのこと!嬉しい!

以下、いつものようにKトちゃんが記録したメモを拝借して、プレイリストを再現します。

◎:quackeyリクエスト曲
●:O主宰選曲
○:Kトちゃん選曲

【オープニング】
●「三月生れ」山中ひとみ
  (作詞:阿久悠/作曲:井上忠夫/編曲:竜崎孝路)

【izmiさんウェルカム】
●「コスモス街道」狩人
  (作詞:竜真知子/作曲・編曲:都倉俊一)
●「秋桜山口百恵
  (作詞・作曲:さだまさし/編曲:萩田光雄

【quackeyリクエスト】
◎「恋は紅いバラ」殿さまキングス
  (作詞:千家和也/作曲:佐瀬寿一/編曲:船山基紀
◎「愛は芳醇な香り」細川俊之
  (作詞:???/作曲:???/編曲:???)
●「ブラディ・メリーの夜」細川俊之(※「愛は芳醇な香り」B面)
  (作詞:???/作曲:???/編曲:???)

【カバー曲特集】
●「あまい囁き」中村晃子/細川俊彦
  (日本語訳詞:杉 紀彦/作曲:G.Ferrio/編曲:川上英一)
●「Paroles Paroles あまい囁き」Dalida・Alain Delon(※フランス語版)
  (フランス語訳詞:???/作曲:G.Ferrio/編曲:???)
 ※原曲「Parole Parole」Mina,Alberto Lupo(イタリア)
  (作詞:Giancarlo-Del-Re,Leo-Chiosso/作曲:G.Ferrio)

●「オー・シャンゼリゼジョー・ダッサン(Joe Dassin)
  (フランス語訳詞:Pierre Delanoë/作曲:Michael A.Deighan)
●「オー・シャンゼリゼ」ダニエル・ビダルDanièle Vidal)
  (フランス語訳詞:Pierre Delanoë/作曲:Michael A.Deighan
 ※原曲:「Waterloo Road」Jason Cres(英国)
  (作詞:Michael Wilshaw/作曲:Michael A.Deighant)

◎「ゆうわく ~EL BIMBO~」(ローレン・中野/和田弘とマヒナ・スターズ)
  (日本語訳詞:なかにし礼/作曲:クロード・モーガン/編曲:???)
 ※原曲:「オリーブの首飾り」
  (作曲:クロード・モーガン/演奏:ポール・モーリア・グランド・オーケストラ)

●「ゴーストブスターズ」片岡鶴太郎
  (作詞:秋元康/作曲:レイ・パーカー・ジュニア/編曲:???)
 ※原曲:「Ghostbusters」Ray Parker, Jr.
  (作詞:作曲:Ray Parker, Jr.)

秋元康作品】
●「IEKI吐くまで」片岡鶴太郎
  (作詞:秋元康/作曲:見岳章/編曲:???)
●「RIVER」AKB48
  (作詞:秋元康/作曲・編曲:井上ヨシマサ) 
●「セーラー服を脱がさないでおニャン子クラブ
  (作詞:秋元康/作曲・編曲:佐藤準
◎「風のInvitation」福永恵規
  (作詞:秋元康/作曲:高橋研/編曲:佐藤準
◎「ソレ以上、アレ未満」国生さゆり
  (作詞:秋元康/作曲:小森田実/編曲:難波正司)
●「冗談じゃない朝」平山みき
  (作詞:秋元康/作曲:筒美京平/編曲:鷺巣詩郎

筒美京平の世界 Part.1】
●「ブルー・ライト・ヨコハマ」いしだあゆみ
  (作詞:橋本淳/作曲・編曲:筒美京平
●「魅せられて」ジュディ・オング
  (作詞:阿木燿子/作曲・編曲:筒美京平
●「飛んでイスタンブール庄野真代
  (作詞:ちあき哲也/作曲:筒美京平/編曲:船山基紀
●「東京ららばい」中原理恵
  (作詞:松本隆/作曲・編曲:筒美京平) 
●「リップスティック」桜田淳子
  (作詞:松本隆/作曲・編曲:筒美京平) 
●「ロマンス」岩崎宏美
  (作詞:阿久悠/作曲・編曲:筒美京平
●「私たち」岩崎宏美
  (作詞:阿久悠/作曲・編曲:筒美京平

【編曲の最高峰】
●「異邦人」久保田早紀
  (作詞・作曲:久保田早紀/編曲:萩田光雄

筒美京平の世界 Part.2】
●「木綿のハンカチーフ太田裕美
  (作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:筒美京平萩田光雄
●「わたしの彼は左きき麻丘めぐみ
  (作詞:千家和也/作曲・編曲:筒美京平
●「1986年のマリリン本田美奈子
  (作詞:秋元康/作曲:筒美京平/編曲:新川博

八神純子
○「みずいろの雨」八神純子
  (作詞:三浦徳子/作曲:八神純子/編曲:大村雅朗
○「パープルタウン ~You Oughta Know By Now~」八神純子
  (作詞:三浦徳子/作曲:八神純子, Ray Kennedy, Jack Conrad, David Foster/編曲:大村雅朗

【作詞の妙】
●「私の好きなもの」佐良直美
  (作詞:永六輔/作曲・編曲:いずみたく) 
●「よこはま・たそがれ五木ひろし
  (作詞:山口洋子/作曲・編曲:平尾昌晃)
●「昭和なみだ川」阿蘇子と太郎
  (作詞:荒木とよひさ/作曲:岡千秋/編曲:???) 

【エンディング 松本隆作品】
◎「ルビーの指環寺尾聰
  (作詞:松本隆/作曲:寺尾聰/編曲:井上鑑)   
●「SWEET MEMORIES松田聖子
  (作詞:松本隆/作曲・編曲:大村雅朗


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今回は時間的には早く終わったのですが、それでもやっぱり濃密で的を射たラインナップでしたね…!

まずオープニングから凄かった! 最近この一発目の曲は、ぼくが知らなさそうで、でもゼッタイ喜びそうな曲をO主宰がチョイスしてくれる枠になっているのですが(笑)、今回の山中ひとみ「三月生れ」…これはずばりハマりました! タイトルから連想するに、「ワタシは3月生まれだからオトナな彼に比べるとちょっとコドモなの…」という内容かなあと思いきや、さにあらず。彼の方が3月生まれなのでした。しかも、井上忠夫さんらしい心躍るメロディに乗せて「あなたの彼は何月生れ?(アハハン)わ・た・しの彼は三月生れ 三月生れー♪」というほとんど意味のないフレーズ(笑)をアタマからサビとして投入。「三月生れの彼は気まぐれ」などと根拠のない決め付けで歌詞を構成するという、阿久悠先生のある意味すごい仕事です。ザッツ青春ソングなアレンジは竜崎孝路さん。そういえば前回の鑑賞会のオープニングだった林寛子「カモン・ベイビー」も竜崎孝路さんの編曲でしたね。会全体に勢いをつけるには、竜崎孝路さんがふさわしいことがわかりました!また、このレコードのジャケット写真が意外と出来がいいのです。シャツの衿こそ時代を感じさせるものの、全体のデザイン、画像の風合い、製版処理に関してはかなり現代的だなあと感心しておりました。


曲順がまた絶妙でしたね。オープニングに続いては、今回のゲストizmiさんのお店「花のアトリエ『こすもす』」にちなんで「コスモス街道」と「秋桜」。花つながりでquackeyリクエストの「恋は紅いバラ」へとつなぎ、「愛は芳醇な香り」から細川俊之シリーズで「あまい囁き」を復習し、さらにそのフランス語版(語りがアラン・ドロン!)を聴いた流れで、カバー曲を集中して聴いてみることに。quackeyrリクエストである「オリーブの首飾り」のカバーは、エロ巨匠・なかにし礼さんの作詞でエライことになってましたね(笑)。カバー曲の最後、「ゴーストブスターズ」というあからさまに酷い曲(苦笑)の後は、それを作詞した秋元康さんの特集へ。秋元さんといえばおニャン子ですから、当然ここにもquackeyリクエストが含まれていますよ。高橋研さん作曲の「風のInvitation」は疾走感がたまりません。

秋元作品のラストは、前回好評だった平山みきさんの「冗談じゃない朝」。そしてその作曲者は言わずと知れた筒美京平先生。というわけで、ここから怒涛の筒美京平ワールドに突入していくわけであります。izmiさんにその素晴らしさをお伝えすべく、O主宰は筒美作品の定番名曲を惜しげもなく選曲。ぼくらもあらためてその魅力を堪能しておりましたが、今回この会で初めてかかる曲が2曲ありました。これが実にすごかった…! 中原理恵「東京ららばい」と桜田淳子「リップスティック」。ともに松本隆作詞、筒美京平作・編曲なのですが、メロディ・アレンジの豊かさにびっくり。なんとも聴き応えのある楽曲でしょう。これは次回以降もふたたび聴いてみたいと思わせるにじゅうぶんでした。

カトちゃんおすすめの八神純子2曲のあと、詞が印象的な歌を3曲。これはおもしろかった。永六輔さん作詞、佐良直美さんが唄う「私の好きなもの」は、「ボサノバのリズム」「夜明けの渚」「レモンの切口」…とひたすら好きなものを詩的な表現で挙げていきます(でもあなたが一番好きというオチ)。で、実はこれと同じ構造の大ヒット曲があるとO主宰。急には思いつかないのですが、正解を聞いて一同はげしく納得。五木ひろしさんの「よこはま・たそがれ」です。「よこはま」「たそがれ」「ホテルの小部屋」「くちづけ」「残り香」「煙草のけむり」「ブルース」「口笛」「女の涙」…名詞の積み重ねだけで、情景が思い浮かぶ絶妙の歌詞なのでした。最後はちょっと飛び道具(笑)。第3回の鑑賞会で初登場した阿蘇子と太郎「昭和なみだ川」です。「ダメよダメダメ ダメなのよ」「どうしてどうして どうしてさ」、「お酒がお酒が お酒がね」「バカさバカバカ バカなのさ」、「ウソよウソウソ ウソなのよ」「さだめがさだめが さだめがさ」歌詞はほぼこれだけ。凄い世界です。

で、そろそろお開きの時間になるのですが、キワモノのあとは作詞の王道を聴かずばなりますまい。というわけで、松本隆さんです。quackeyリクエストから寺尾聰ルビーの指環」を。「くもり硝子の向うは風の街…」。松本隆さんが大事にしてきた「風」「街」という単語を一度に使用している奇跡の楽曲なのです。そして最後は松田聖子SWEET MEMORIES」でしみじみと終了。

いやはや、少々駆け足でしたけど、今回もじつに楽しく歌謡曲を聴くことができました。感謝!!

バーボンのお供は、「白い恋人」ならぬ「面白い恋人」(笑)
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