かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

ル・ジュルナル・ド・パリ(2010/09/18)

この日はじつはOEK定期公演がある日。井上音楽監督指揮のもと、メンデルスゾーン弦楽合奏ラヴェルのピアノ協奏曲、武満の地平線のドーリアモーツァルト39番という、OEKの良さが最高に発揮できそうな今シーズン屈指の好プログラムです。ところが、この日は翌日の社用に備えて現地千葉入りせねばならず、泣く泣くコンサート行きを断念。ラヴェル大好きCamillaさんにチケットをお譲りしたのでした(もっとも、Camillaさんとしてはラヴェルのピアノ協奏曲の出来にご不満のごようす…ほかの曲についてはお楽しみいただけたようです)。

しかし、せっかく上京するのですから、どうせなら何か別のコンサートでも聴きたいなと(いつもなら歌舞伎座の幕見を見るところですが改装中なので…)。で、ネットでコンサート情報を物色してみたところ、東京オペラシティでおこなわれる「ル・ジュルナル・ド・パリ “パリ印象主義時代の音楽日記”(1864-1922)」という音楽イベントを発見。プロデューサーは「ラ・フォル・ジュルネ」を手がけたルネ・マルタンさんです。S席2000円・A席1500円という安価な60分公演を1日4公演、3日間おこなうという「ラ・フォル・ジュルネ」と似たコンセプト。しかも最近ぼくが何かと気にかかる近代フランスのピアノ曲中心のプログラムということで俄然興味をもちました。本公演初日の第1公演および第2公演を聴くことができそうなので、さっそくチケットを確保。朝早く金沢を発ち、新宿初台の会場へ向かいました。

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というわけで「ル・ジュルナル・ド・パリ」第1公演です。座席は2階左バルコニーのステージ真横(A席)。ピアニストのちょうど背中あたりでした。まずはフランクのピアノ五重奏曲。フランクについては、ヴァイオリン・ソナタが妙に色っぽくて最近気に入ってよく聴いていたのですが、ピアノ五重奏曲は初聴です。すると、おお、なんと濃密な…! 一種の緊張感が持続し、しかし劇的な曲想。一発で気に入りました…! 演奏はクレール=マリ・ルゲさんとモディリアーニ弦楽四重奏団モディリアーニ弦楽四重奏団昨年のラ・フォル・ジュルネ金沢モーツァルトを聴いて以来ですが、相変わらず巧い。ピアノのルゲさんとの息もぴったり合って、かと言ってピアノが単なる伴奏に終わらず主張すべきところは輝いていて、ひじょうに良かったです。

次は御大ジャン=クロード・ペヌティエさんの登場。フォーレ夜想曲第2番と即興曲第2番を。今回(おそらく)初めて聴くのですが、さすが素晴らしかったです。優しく繊細なささやき、ヴェテランとは思えないような情熱…! ペヌティエさんは今年のラ・フォル・ジュルネ金沢に来ていたのですが、ぼくは未聴でした。後悔!


終演後の即席サイン会。モディリアーニ弦楽四重奏団の中央にペヌティエ御大。左端にルゲさん。
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第2公演はすべてフォーレ。今度の座席も第1公演と同じような場所なんですが若干ステージ側からは離れます。はじめはペヌティエさんによるヴァルス・カプリス第1番、そして即興曲第3番。いいですね。さすが音が抜群に綺麗です。

続いて、チェロとピアノのためのエレジー。さきほど出演したモディリアーニ弦楽四重奏団チェリストのフランソワ・キエフェルさんと、ラ・フォル・ジュルネ金沢でもおなじみのアンヌ・ケフェレックさんによる演奏。いやあ、これにはうっとりしました。ケフェレックさんは急遽の代役だったらしく、そのためか終始控えめで、なるほどエレジーな感じ。キエフェルさんのチェロも素敵でしたね。コーダ部分、物悲しく響く重くて低い、しかし微弱な長音は、こんな音が出せるのか思わせるほどの美音。

最後はふたたびペヌティエさんが登場。フォーレのヴァルス・カプリス第2番と舟歌第3番を。相変わらずメリハリが効いた演奏をされるペヌティエさんですが、舟歌はわりとあっさりというか淡白な演奏。だけど意外にそういうほうが逆に印象に残ったりしました。

そんな感じでこの日のコンサートは終了。ホントは今後の公演プログラムではドビュッシーラヴェルを聴きたいんですが、時間的に到底無理でした。まあ、仕方ないですけどね。

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ルネ・マルタン プロデュース 2010
1864-1922 ル・ジュルナル・ド・パリ“パリ印象主義時代の音楽日記”
Le Journal Musical de Paris

日時:2010年9月17日(金)~20日(月・祝) Friday,17-Monday,20 September 2010
会場:東京オペラシティ コンサートホール Tokyo Opera City Concert Hall

《第1公演 No.1》
2010年9月18日(土)14時開演 Saturday, 18 September 2010 at 14:00

■フランク C���sar Franck (1822-1890)
ピアノ五重奏曲 ヘ短調 【1879年】
 Quintette avec piano en fa mineur
  I. Molto moderato quasi lento
  II. Lento, con molto sentimento
  III. Allegro non troppo, ma con fuoco
 ~クレール=マリ・ルゲ(ピアノ) Claire-Marie Le Guay, Piano
  モディリアーニ弦楽四重奏団 Quartuor Modigiliani, String quartet

フォーレ Gabriel Faur��� (1845-1924)
夜想曲 第2番 ロ長調 作品33-2 【1881年
 Nocturne pour piano n���2 en si majeur opus 33 n���2
即興曲 第2番 ヘ短調 作品31 【1883年】
 Impromptu pour piano n���2 en fa mineur opus 31
 ~ジャン=クロード・ペヌティエ(ピアノ) Jean-Claude Pennetier, Piano

《第2公演 No.2》
2010年9月18日(土)16時開演 Saturday, 18 September 2010 at 16:00

フォーレ Gabriel Faur��� (1845-1924)
○ヴァルス・カプリス 第1番 イ長調 作品30 【1882年】
 Valse-Caprice pour piano n���1 en la majeur opus 30
即興曲 第3番 変イ長調 作品34 【1883年】
 Impromptu pour piano n���3 en la b���mol majeur opus 34
 ~ジャン=クロード・ペヌティエ(ピアノ) Jean-Claude Pennetier, Piano

フォーレ Gabriel Faur��� (1845-1924)
○チェロとピアノのためのエレジー ハ短調 作品24 【1883年】
 ���l���gie pour violoncelle et piano en ut mineu opus 24
 ~フランソワ・キレフェル(チェロ) Fran���ois Kieffer, Piano
  アンヌ・ケフェレック(ピアノ) Anne Queff���lec, Piano

フォーレ Gabriel Faur��� (1845-1924)
○ヴァルス・カプリス 第2番 変ニ長調 作品38 【1884年】
 Valse-Caprice pour piano n���2 en r��� b���mol majeur opus 38
舟歌 第3番 変ト長調 作品42 【1885年】
 Barcarolle pour piano n���3 en sol b���mol majeur opus 42
 ~ジャン=クロード・ペヌティエ(ピアノ) Jean-Claude Pennetier, Piano