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かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

告白

【ネタバレあり】
秩序が崩壊した不愉快な教室の風景(いまやこれが普通なのか…?)から物語は始まります。生徒たちは、この日限りで退職する女教師の話などまともに聞いていません。この時点で、観衆は生徒たちに同情的な立場にはならないでしょう。そんななか、松たか子さん扮する女教師の口から衝撃的な告白が。

「わたしの娘は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」

一瞬にして凍りつく教室。しかし女教師はかまわず淡々とその生徒に対する復讐を宣言し、かつ、ある手段で実行に移すのでした。やがて犯行者は特定され、女教師の目論見どおり、彼らは精神的に追い詰められていきます。新学期から着任した熱血教師や、犯行生徒を溺愛する母親ですら、彼女の復讐の道具。すべての仕掛けを済ませ、一瞬溢れ出た嗚咽だけが彼女の感情の表出。

そして迎える絶望的な結末。果てしなく続く復讐。しかし、この取り返しのつかなさ加減が、逆説的に命の尊さ、惜しさを知らしめるといえるのかもしれません。

原作は未読です。監督は「下妻物語」「嫌われ松子の一生」「パコと魔法の絵本」の中島哲也さん。得意なヴィヴィッドな天然色は封印したものの、独特の映像美は健在。ハイスピードカメラによる繊細なスロー映像は、かえって凄惨さを際立たせています。

前週に見た「息もできない」も衝撃でしたが、こちらは衝撃に加えて「問題作」。観る前にある種の覚悟は必要ですが、それでもなおぜひ観ておくべき作品だと思います。

★★★★★

(2010/06/11@ユナイテッドシネマ金沢)