読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

のだめカンタービレ 最終楽章 前編

「のだめ」は原作コミック全巻読みました。ドラマはレギュラー時もスペシャルもすべて観ております(ただしアニメ版は初期に挫折)。で、ドラマ版は劇場版でいよいよ完結。最終楽章(とは普通言わないよね…言うなら「終楽章」)を2回に分けるという商魂たくましいやり口に閉口しつつも、ここまできたら観ないという選択肢はありません。

物語は、若手指揮者登竜門のコンクールで優勝した千秋が、パリの「ルー・マルレ・オーケストラ」の常任指揮者に就任するところから始まります。ところがこのマルレ・オケはとんだダメ楽団。このオケを立て直すべく奮闘する千秋がみものです。一方、パリ・コンセルヴァトワールでピアノを学ぶのだめですが、指揮者として自らの道を切り開いて突き進んで行く千秋との差は開くばかり…

おおよそのストーリーは原作とほぼ同じです。キャラクターやエピソードを省略している箇所も、うまく処理されています。また、ギャグ部分はホントおもいっきりやってくれていて、その姿勢が気持ちイイ。特に、千秋から出演を打診された際ののだめのヨロコビ表現などは、そこまでやるか!というくらい、映像スタッフの気合が入っています。コメディ的な演技でも、随所に上野樹里さんの天才的センスが光ります。

しかしなんといってもこの作品は音楽!! いきなり冒頭からウィーン・楽友協会ホールで千秋指揮によるベト7。千秋に扮する玉木宏さんの指揮ぶりはますます上達しています。千秋マルレ・オケ常任正式就任後の公演は、この「前編」のクライマックスといえましょう。ただし演奏曲は原作とは異なります。でもこの演奏曲が物語の構成上、素晴らしい効果を生んでいるのです。公演の1曲目はチャイコフスキーの序曲「1812」。勢いのある派手な曲調は、楽団員の熱演もあいまってマルレ・オケの復活を強烈に印象づけます。次は千秋の弾き振りによるJ.S.バッハのピアノ協奏曲第1番(これは原作と同じ)。この曲で千秋が聴衆を圧倒する演奏をすることにより、物語は大きな転換期を迎えます。そしてだからこそ、最後のチャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」は、そうそうそうなのよ、心情を的確に描写した演奏に聴こえるのです(うーむ、ネタバレしそう)。さらにダメ押しで、なんとマーラー第5交響曲の第4楽章アダージェット。これはずるいくらい劇的なBGMとなりました。このまま後編に続くのかーーー!と叫びたくなるくらい、制作側の思うツボであります。ある意味、見事というしかありません。

面白さとしては文句なく★5つといいたいところですが、やはり2回に分けるというやり口はどうも引っかかりますねえ。なので心を鬼にして、一つ減点といたします。まあ、なんだかんだいいつつも、後編はやっぱり心待ちにしているのですが。後編が良かったら、そのときこそ★5つ付けたいと思います!

(2009/12/26@ワーナー・マイカル・シネマズ御経塚)

★★★★