かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

【OEK定期271PH】井上道義指揮新日本フィル&OEKのマーラー第3番

今回の定期公演はマーラーです! 室内オケであるOEKの通常編成ではマーラーなど到底ムリなのですが、新日本フィル(NJP)との合同演奏という形で実現の運びとなりました。立役者はもちろん井上マエストロ。マーラーの指揮で名声を得た井上さんが、過去音楽監督を務めるなど縁が深いNJPとの橋渡しをしてくれたのです。

かくいう私はマーラーはほとんど聴きません(汗)。ふだんOEK定期公演のプログラムにそって聴く曲を選んでいるので、聴くのは自然と古典中心なのありました。マーラーだと持ってるCDも1番と5番だけ。というわけで、急ぎテンシュテットロンドン・フィルの全集を購入し、とりあえず3番をざっと予習。といっても長大な楽曲なので、じっくり通して聴くことなく公演当日を迎えました。


マーラー/Comp.symphonies: Tennstedt / Lpo


で、聴き終えての感想は…「疲れた…!」(笑)。といってもネガティブな意味ではなく、心地いい疲れですよ。全曲通して1時間40分。オーケストラ曲をこんなに長い時間集中して聴くことなんてありませんでしたから。座席は1階の前の方だったのですが、ソロパートもふんだんなので、ステージいっぱいの大編成オケをキョロキョロと見渡すだけでも体力を消耗(笑)。

第1楽章はそれだけで30分を越える長さです。冒頭のホルン8本のユニゾンからすでにトリハダ。そしてトロンボーンソロ。いずれもふだんのOEKレパートリーにはない絢爛さであります。OEKコンマス、マイケル・ダウスさんのソロは軽やか。めまぐるしく変化する曲想が楽しい。

第1楽章はOEKメンバーがトップを務めていましたが、第2楽章以降はNJPと交替(NJPコンマスの崔文洙さんはヴィジュアル的にもインパクト大)。木管を中心に繊細な演奏が展開されました。第3楽章ではオルガンステージ裏あたりからポストホルンの独奏が。がんばれがんばれと祈りながら聴く。やがて合唱隊がぞろぞろと入場し、全員揃ったところで第4楽章に。メゾ・ソプラノのキューレンさんの独唱が堂々と響きます。第5楽章で女声合唱が登場。暖かい歌声は最大の癒し。オルガンステージ上の児童合唱も天使の歌声が降って来るよう。

そして最終第6楽章。CDでは第5楽章までとは分断され、別盤で聴かざるをえませんでしたが、今回の演奏では第5楽章の余韻のままアタッカ的に第6楽章に突入。これが思いがけず美しく聴こえ、ハッ!としました。旋律は限りなく優しく甘美。それが徐々に盛り上がっていき、クライマックスは壮大にして崇高。ティンパニ奏者(公式サイトの記事によれば、サンクト・ペテルブルクから井上マエストロが直々に招聘したヴィクトル・カナトフさんとのこと)が満を持して魂を打ち鳴らします。おお!しびれる!!

終わった後はぐったりと疲れましたが、1年に1度くらいはこうした大曲を聴きたいものです。次の機会を切望!!

オーケストラ・アンサンブル金沢 Orchestra Ensemble Kanazawa
第271回定期公演フィルハーモニー・シリーズ
The 271th Subscription Concert / Philharmonie-serie

日時:2009年11月28日(土)15:00開演 Saturday, 28 November 2009 at 15:00
会場:石川県立音楽堂コンサートホール Ishikawa Ongakudo Concert Hall
指揮:井上道義 Conductor: Michiyoshi Inoue
メゾ・ソプラノ:バーナデット・キューレン Mezzo-Soprano: Bernadette Cullen
共演:新日本フィルハーモニー交響楽団 Guest Orchestra: New Japan Phillharmonic
コンサートマスター:マイケル・ダウス(OEK)/崔文洙(NJP)
Concertmaster: Micheal Dauth, OEK / Munsu Choi, NJP


グスタフ・マーラー G. Mahler (1860-1911)
 交響曲 第3番 ニ長調
 Symphony No. 3 in D minor

 第1楽章 力強く、決然と
 1st Mov. Kr���ftig. Entschieden.

 第2楽章 テンポ・ディ・メヌエット きわめて中庸に
 2nd Mov. Tempo di Menuetto. Sehr m������ig. Ja nicht eilen!

 第3楽章 コモド・スケルツァンド 急がずに
 3rd Mov. Comodo. Scherzando. Ohne Hast.

 第4楽章 きわめてゆるやかに 神秘的に 終始pppで
 4th Mov. Sehr langsam. Misterioso. Durchaus ppp.

 第5楽章 快活に 大胆な表現で
 5th Mov. Lustig im Tempo und keck im Ausdruck.

 第6楽章 ゆるやかに 平穏に 感情を込めて
 6th Mov. Langsam. Ruhevoll. Empfunden.