かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

ポー川のひかり

イタリアの大学で、宗教哲学の若き大学教授が、大学図書館の大量の蔵書を釘で床に打ち貫いたまま失踪。すべてを捨ててポー川のほとりの廃墟に住み着いた教授は、やがてその風貌と言動から「キリストさん」と慕われ、住民と交流をあたためていきます。

宗教の真理は書物の中にはなく、現実の世界、自然とのかかわりの中にこそあるのだ!というのが本作の主眼テーマなのでしょう。もっとも、ふだん宗教的関心の薄い僕にとっては、正直なところあまりピンときません。それもそのはず、実はこの作品は新約聖書からの引用が多く、キリスト教の素養を前提とするものなんだそうです。

というわけで、この日は鑑賞後に特別トークイベントとして、元北陸大学教授、現こまつ看護学校長で宗教学者の村上良夫先生による「聖書・キリスト教の基礎知識」の解説がおこなわれたのでした。なるほどこうして解説を拝聴すると、映画に出てきたエピソードや紹介された挿話がよくわかります。村上先生によると、ほかにも名作映画のオマージュなどもあるそうです。一見地味な映画ですが、この映画、そうとうに深いのかもしれません。

(2009/10/17@シネモンド)

★★★