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かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

IMAフェスティバルコンサート~シン・ヒョンス&神尾真由子のメン・チャイ!

石川県で毎年8月に開催されている「いしかわミュージックアカデミー(IMA)」。国内外の一流音楽家を講師に招いて、プロを目指す若手音楽家へのレッスンがおこなわれます。今年ではや12回目となりますが、今年のコンサートは特に豪華版! ともにIMA出身者であるロン=ティボー国際音楽コンクール優勝のシン・ヒョンスさんと、チャイコフスキー国際コンクール優勝の神尾真由子さんが、メンデルスゾーンチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲をそれぞれ演奏します。指揮は井上マエストロ! ヴァイオリンがよく見える1階席の前から3列目をゲットして演奏会に臨みました。

まずは昨年のIMA音楽賞受賞者、篠永紗也子さんによるモーツァルトのK.382のロンド。丁寧でとても可憐なモーツァルト。心も明るくなります。

次いでシン・ヒョンスさんによるメンコン。彼女の演奏を聴くのは初めてでしたが、ひじょうに素晴らしかった! メンコンには勝手に「思いつめた悲恋…そして解放、成就」みたいな物語のイメージを持っているのですが(恥)、女優の松下由樹さんの若かりし頃のようなスマートな美貌もあいまって、そのイメージどおりに、感傷的で胸が苦しくなるような心震わせる演奏でした。全体的に、激情がほとばしる!!というよりは、その一歩手前で寸止め、みたいな緊張感がよかったです。

アンコールはパガニーニカプリース第24番。この選曲は意外。神尾さんがパガニーニのCDを最近リリースしたところだから、アンコールがあるとしたら神尾さんはパガニーニを弾くだろうと思っていたので、その場合シン・ヒョンスさんはパガニーニ以外の曲かな?と思っていたのですが…。いやいやどうして、彼女もパガニーニです。しかもど真ん中をぶつけてきました。相当なライバル意識があるのかも…? ともかく演奏はこれも見事の一言。高度な技巧をしっかり堪能できました。

休憩を挟んで、若々しいIMA受講者の選抜メンバーが登壇してきました。OEKの補充メンバー(コンマスのサイモン・ブレンディスさん、ヴィオラ4名、コントラバス2名)とともに、メンデルスゾーンの「弦楽のための交響曲第10番」を演奏。即席オケとは思えない一体感が発揮され、特に最後の分厚い響きは気持ちがよかったです。演奏後、井上さんからIMA音楽賞受賞者が紹介され、壇上の若き音楽家たちにエールが送られるとともに、聴衆に向かってIMAの意義が語られました。井上さんはこういうプレゼン的な仕事もうまいですね。

で、最後はおまちかねの神尾真由子さんです。今年3月のOEK定期公演で初めて聴いたときはその「凄絶」な演奏にぶったまげました。今回はいよいよ満を持してのチャイコフスキー。果たして、前回「フェラーリのような演奏」と井上さんが評した爆音系の迫力は今回も健在でした。いや、フェラーリにさらにターボがついたかもしれません。それくらい一音一音がクリアで、存在感は圧倒的です。シン・ヒョンスさんのような味わい深い演奏とは全く違いますが、これはこれでクセになるのですよ。上品とはいえないのかもしれませんが、とにかく耳に残るんですよね。

アンコール曲はやはりパガニーニカプリース。しかも3月と同じく13番「悪魔の微笑み」でした。これもやはり明瞭な演奏で楽しませてくれました。もっとも、茶目っ気と哀愁が同居する趣き深い曲なので、シン・ヒョンスさんならもっと表情豊かな演奏になるのかな~?という考えも一瞬頭をよぎりました。

いずれにしても、一晩でメン・チャイの両コンチェルトをナマで聴くというのはゴージャスですね。しかも、ともにいま最も勢いのある若手演奏家の2人による演奏でしたから貴重な機会でした。充実したときを過ごせて大満足です。

いしかわミュージックアカデミー フェスティバルコンサート
with 井上道義&オーケストラ・アンサンブル金沢
Ishikawa Music Academy Festival Concert
with Michiyoshi Inoue & Orchestra Ensemble Kanazawa

日時:2009年8月27日(木)19:00開演 Thursday, 27 August 2009 at 19:00
会場:石川県立音楽堂コンサートホール Ishikawa Ongakudo Concert Hall
指揮:井上道義 Conductor: Michiyoshi Inoue

独奏:いしかわミュージックアカデミー(IMA)出身者3名
    ピアノ:篠永紗也子(2008年IMA音楽賞)
    ヴァイオリン:シン・ヒョンス(2008年ロン=ティボー国際音楽コンクール優勝)
    ヴァイオリン:神尾真由子(2007年チャイコフスキー国際コンクール優勝)


■ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト W. A. Mozart (1756-1791)
 ピアノと管弦楽のためのロンド ニ長調 K. 382
 Rondo for Piano and Orchestra in D major, K. 382

 ~ピアノ独奏:篠永紗也子
  Piano: Sayako Shinonaga


■フェリックス・メンデルスゾーン F. Mendelssohn-Bartholdy (1809-1847)
 ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
 Violin Concerto in E minor Op. 64

 ~ヴァイオリン独奏:シン・ヒョンス
  Violin: Hyun-Su Shin


(アンコール Encore)
■ニコロ・パガニーニ N. Paganini (1782-1840)
 24の奇想曲(カプリース)作品1 より
 第24番 イ短調 クワジ・プレスト
 24 Caprices Op.1 No.24 Quasi Presto in A minor


---休憩---


■フェリックス・メンデルスゾーン F. Mendelssohn-Bartholdy (1809-1847)
 弦楽のための交響曲 第10番 ロ短調
 Sinfonia for strings No. 10 in B minor

 ~IMA受講者選抜メンバー+OEK


■ピョートル・チャイコフスキー P. Tchaikovsky (1840-1893)
 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
 Violin Concerto in D major Op. 35

 ~ヴァイオリン:神尾真由子
  Violin: Mayuko Kamio


(アンコール Encore)
■ニコロ・パガニーニ N. Paganini (1782-1840)
 24の奇想曲(カプリース)作品1 より
 第13番 変ロ長調 「悪魔の微笑」 アレグロ
 24 Caprices Op.1 No.13 Allegro in B-flat major