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かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

ウルトラミラクルラブストーリー

出た! これは問題作…!
好き嫌いが激しく分かれ、賛否両論噴出しそうです。
ぼくは…あえてここは推しましょう!

「脳みその配線が人とは違う」青年・陽人は、青森で農業をしながらひとりで暮らしています。ある日陽人は、恋人を亡くして東京から引っ越してきた保育士の町子先生に出会い、恋をします。奇行を繰り返し町子先生を困惑させていた陽人でしたが、あるきっかけからマトモな振る舞いをするようになりました。町子先生に今の方がいいと言われて上機嫌な陽人は、今の状態を持続させようと、マトモになったきっかけを再現し、それをエスカレートさせていきます。やがて陽人の身に異変が…。

このあたりからストーリーは不条理の度合いを増していきます。置いてきぼりをくらう観衆も出てくることでしょう。そしてなんといってもラストが衝撃的です。これは何を意味してるのか…? 答えを探して頭の中でグルグル考えをめぐらすことでしょう。でも、この作品の場合はとにもかくにも、この衝撃のラストカットを目にした瞬間の、直感的な感覚・感情こそが評価のすべてを決するのではないでしょうか? このラストカットで嫌悪感を覚えた人は、この映画を最低最悪の作品と一蹴するでしょう。それはそれで正しいと思います。ぼくはというと、それが意味することは具体的にうまく説明できないのですが、その瞬間なぜかその光景をすっかり受け入れてしまったのです。いま思えばああいう意味かな~と思うところはありますが、そんなものは後付けの論理にすぎず、あの瞬間の肯定感情こそがすべてなのかな、と。

常識外れでハチャメチャな陽人を好演した松山ケンイチさん。これだけ突き抜けた役だと、かえって彼ならさほど難しい演技でもないのかもしれません。全編青森弁といっても、彼は青森出身だそうですからお手のものでしょう。同じ青森出身の横浜聡子監督も、彼を起用した時点でこの好結果は予想していたのかもしれません。

横浜監督はこうした破天荒な展開を繰り広げる一方、なかなかに自然で繊細な演出もおこなっているようでした。陽人の非常識な振る舞いに対しても、周りの人が(もう慣れっこになっていて)さして迷惑がるでもなく軽くあしらっているさまとか、陽人は幼稚園児にやたらなつかれているとか、そういうさりげない描写が行き届いていて、とてもリアルに見られました。リアルといえば、幼稚園児の姉妹2人です。オーディションで抜擢された演技経験のない地元青森の子どもらしいのですが、この2人(プラス友だちの男の子)の振る舞いが(あえて演技とは言わない)絶妙です。まったく自然でこの世界に溶け込んでいます。これこそミラクルですね!

麻生久美子さんは「おと・な・り」に続き、またしてもぼく的にいい作品でヒロイン役を演じてくれましたね。この作品では陽人という奇特な存在をある意味客観的にながめる立場でしたので比較的抑えた演技が多かったようですが(ホントは変な設定があるのですが)、好感が持てました。麻生さんは現在quackeyの好きな女優さんランキング第1位です。まもなく「インスタント沼」の公開が始まります。今度は主演です。こちらも楽しみ!!

(2009/07/20@シネモンド)

★★★★★