【LFJ金沢2009】2009年5月4日:ラ・フォル・ジュルネ金沢「熱狂の日」音楽祭2009 ~モーツァルトと仲間たち~ 第3日目(最終日)
ラ・フォル・ジュルネ金沢「熱狂の日」音楽祭2009
~モーツァルトと仲間たち~
LA FOLLE JOURNEE de KANAZAWA 2009 - MOZART et ses amis
第3日目(最終日) the 3rd (last) day
さあいよいよ最終日となってしまいました。本日は午後から参戦。当初は母とともに夕方の能、筝とのコラボ公演にも行く予定でしたが、その直前のスケジュールがタイトなので、伯母にチケットを譲りました。ということで最終日の今日は4公演です。
《公演番号 312》仲道郁代×井上&OEK
2009年5月4日(月・祝)12:00開演 石川県立音楽堂コンサートホール
Monday, 4 May 2009 at 12:00 Ishikawa Ongakudo Concert Hall
指揮:井上道義 Conductor: Michiyoshi Inoue
ピアノ:仲道郁代 Piano: Ikuyo Nakamichi
オーケストラ・アンサンブル金沢 Orchestra Ensemble Kanazawa
■ヴォルフガンフ・アマデウス・モーツァルト W. A. Mozart
歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲 K. 527
'Don Giovanni' Overture, K. 527
■ヴォルフガンフ・アマデウス・モーツァルト W. A. Mozart
ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K. 467
Piano Concerto No. 21 in C major, K. 467
コンサートホール1階上手ブロック、中央通路寄りの前から4列目。本日最初の公演は「ドン・ジョヴァンニ」序曲に続いて、仲道郁代さんのピアノコンチェルトです。淡いピンクのドレスで登場した仲道さん。40代半ばのママさんピアニストだというのに…か、かわいい!! ところがひとたび仲道さんが着座すると、ぼくの座席からはピアノのふたに遮られてほとんどお姿が見えません…ショック。しかしやはり演奏はベリーグッド! 快活でハピネス満載の第1楽章、優雅で甘美な第2楽章、軽快華麗な第3楽章と、あますことなく堪能しました。
《公演番号 333》ファニー・クラマジラン with リディア・ビジャーク
2009年5月4日(月・祝)13:30開演 金沢市アートホール
Monday, 4 May 2009 at 13:30 Kanazawa Art Hall
ヴァイオリン:ファニー・クラマジラン Violin: Fanny Clamagirand
ピアノ:リディア・ビジャーク Piano: Lidija Bizjak
■ヴォルフガンフ・アマデウス・モーツァルト W. A. Mozart
ヴァイオリン・ソナタ 第36番 変ホ長調 K. 380
Violin Sonata No. 36 in E-flat major, K. 380
■ヴォルフガンフ・アマデウス・モーツァルト W. A. Mozart
ヴァイオリンと管弦楽のためのアダージョ ホ長調 K. 261 (ピアノ伴奏版)
Adagio for Violin and Orchestra in E major, K. 261
■ヴォルフガンフ・アマデウス・モーツァルト W. A. Mozart
ヴァイオリン・ソナタ 第40番 変ロ長調 K. 454
Violin Sonata No. 40 in B-flat major, K. 454
前日のヌーブルジェさんが本祭の新星スターピアニストだとしたら、スターヴァイオリニストはこの人、ファニー・クラマジランさんでありましょう。それほど充実したパフォーマンスでした。座席は前から2列目のほぼ中央。25才にはとても見えない少女のような華奢なクラマジランさんですが、演奏はプロフェッショナル。ダイナミックかつ繊細な美音を満喫しました。モーツァルトのヴァイオリン・ソナタって個人的にはふだんほとんど聴かないのですが、いい曲だなあとしみじみ感じました。
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少々時間が空いたのでエリアイベントを。もてなしドーム下ではかほく市立河北台中学校吹奏楽部。そしてJR金沢駅コンコースでは、前日感服した名古屋少年少女合唱団が。ディズニーから童謡、民謡まで多彩なレパートリーを披露していました。
《公演番号 314》菊池洋子×井上&桐朋AO
2009年5月4日(月・祝)15:30開演 石川県立音楽堂コンサートホール
Monday, 4 May 2009 at 15:30 Ishikawa Ongakudo Concert Hall
指揮:井上道義 Conductor: Michiyoshi Inoue
ピアノ:菊池洋子 Piano: Yoko Kikuchi
桐朋アカデミー・オーケストラ Toho Academy Orchestra
■ヴォルフガンフ・アマデウス・モーツァルト W. A. Mozart
交響曲 第1番 変ホ長調 K. 16
Symphony No. 1 in E-flat major, K. 16
■ヴォルフガンフ・アマデウス・モーツァルト W. A. Mozart
ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K. 466
Piano Concerto No. 20 in D minor, K. 466
国内屈指の若手モーツァルト弾き、菊池洋子さんの登場です。座席はコンサートホール1階下手ブロックの中央通路側、前から3列目。ピアノの公演にはなかなかいい座席です。まずは交響曲第1番。指揮は本日最後の出番となる井上マエストロ。1楽章がが終わった後、井上さんは客席に振り返り「この中で8歳の子はいる?…9歳は?」と問います。「おっ、君、9歳かい? この曲、モーツァルトが8歳か9歳頃に作った曲なんです…君にも書けるぜ!!」 さらに2楽章後にはジュピター音型説明を。「ドーレーファーミーって『ジュピター』に出てくる旋律がすでにこの交響曲でもう現れています…ヘンですね!」→「ヘン」って(笑)。桐朋アカデミーオーケストラは初めて聴きますが、充実の響きでした。特にフルートが美しく巧い。
さて、菊池さんのピアノ協奏曲です。しかもポピュラー(それでいて最も個性的)な20番。いちど定期公演で菊池さんの20番を聴いて感動しましたが(そういえばそのときの指揮は音楽監督就任前の井上さん!)、今回の演奏も磐石でした。2楽章の優美さは文句なく、個人的には1楽章の力強い一面も魅力でした。
《公演番号 315》
2009年5月4日(月・祝)17:30開演 石川県立音楽堂コンサートホール
Monday, 4 May 2009 at 17:30 Ishikawa Ongakudo Concert Hall
指揮:ゴルカ・シエラ Conductor: Gorka Sierra
ソプラノ:森麻季 Soprano: Maki Mori
メゾソプラノ:ダニエラ・ジャコヴァ Mezzo-Soprano: Daniela Diakova
テノール:マーク・フォウラー Tenor: Mark Fowler
バリトン:ヴェセリン・ストイコフ Bariton: Vesselin Stoykov
ラ・フォル・ジュルネ合唱団 Choeur de La Folle Journee
シンフォニア・ヴァルソヴィア Sinfonia Varsovia
■ヴォルフガンフ・アマデウス・モーツァルト W. A. Mozart
レクイエム ニ短調 K. 626
Requiem in D minor, K. 626
■ヴォルフガンフ・アマデウス・モーツァルト W. A. Mozart
アヴェ・ヴェルム・コルプス K. 618
Ave verum corpus, K. 618
(アンコール Encore)
「ルネ・マルタン」の歌
'Rene Martin'
さあ、いよいよラストコンサート。最後は「レクイエム」です。トリを飾るにふさわしい大曲。直前の能・筝コラボ公演(池辺先生が司会をしたせいか終演時刻が少し伸びた)を観ていた母を邦楽ホール前で待ちうけ、時間ギリギリでコンサートホールへ滑り込み。1階中央ブロック11列目ほぼ中央。絶好のポジションです。
そして「レクイエム」。感動です! 当ラ・フォル・ジュルネのために結成された特別編成合唱団の歌声も迫力にあふれ、シンフォニア・ヴァルソヴィアの音色は崇高。ゴルカ・シエラさんの渾身の指揮のもと、充実した時間が過ぎていきます。やがてこの美しい冒険は荘厳に結ばれました。
アンコールピースとして用意されていた「アヴェ・ヴェルム・コルプス」も絶品。そして、さらなるアンコールが傑作。「ルネ・マルタン」と繰り返すオリジナルソング! 本祭の仕掛人・ルネ・マルタン氏を称えるものです。こういうステキな場をつくってくれてありがとう!! 合唱団の最後の1人がステージを去るまで拍手は鳴り止みませんでした。
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というわけで、怒涛の3日間も終わりました。余韻に浸りつつJR金沢駅に向かうと、撤去されたはずのスペースからマリンバの音色が。マリンバ奏者の南真一さんと海野茜さんが最後に急遽演奏してくれたようです。トルコ行進曲の二重奏がすてきなオマケでした。
気がつくと、モーツァルトが閉幕の挨拶をしていました。
そうですね。また来年お会いしましょう!