かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

おっぱいバレー

「おっぱいバレーのチケット下さい」と窓口で言うのは恥ずかしい――と公開前から変な感じで話題になっていたようですが、僕はその点に関しては特に羞恥心を覚えません。だから劇場窓口でも、おむもろにメンバーズカードを取り出し「おっぱいバレー。ポイントを使います」と事務的に告げました。そうしてタダで「おっぱいバレー」のチケットをゲットした42歳独身男性は、颯爽と公開スクリーンへ向かったのでした。

物語の舞台は1979年の北九州。僕は当時小学6年生(12才)でしたが、本作の主役はもう少し上の中学3年男子(15才)。弱小バレーボール部の男子中学生が、新任の美人教師から「試合に勝ったらおっぱいを見せてもらう」という約束を取り付け、先生のおっぱいを見るために一念発起します。といいましても、若者の成長物語というような文部科学省的な要素はありません。最初の動機は不埒だったかもしれないが、やがて努力することの素晴らしさを知り、最後は純粋に勝利を目指して仲間とともに一丸となって…というのとは違います。最後まで彼らの目的は不変。綾瀬はるか先生のおっぱい、ただひとつであります。これは素晴らしい。男子中学生たるもの、そうでなくてはいけません。

この作品のもうひとつのウリは、1979年前後の流行歌が挿入歌として使用されていることです(下記リスト)。
(オープニング)
渚のシンドバット/ピンク・レディー

ルージュの伝言荒井由実
卒業写真/荒井由実
夢中さ君に/チューリップ
HERO~ヒーローになる時、それは今~/甲斐バンド
風を感じて/浜田省吾
燃えろいい女/ツイスト
道標ない旅/永井龍雲
オリビアを聴きながら(instrumental)

(エンディング)
微笑がえしキャンディーズ
個人授業/Caocao(持田香織田島貴男

このなかでも、物語のクライマックス、初勝利を賭けた試合のバックに流れた永井龍雲さんの「道標ない旅」。大ヒット揃いの挿入歌たちのなかにあって、少々地味な印象のこの曲でありますが、これが実に素晴らしいのであります。正直なところ、最初この曲が聴こえてきたときは、聴き覚えはあるような気がするけど、何だっけ…?という戸惑いから入ったのですが、やがて、ああ!これ知ってる!そうそう、これ、いい曲なんだよ!と徐々に曲の輪郭が浮かび上がり、サビに突入する頃にはメロディが完璧に頭の中で鳴り響き、最後のフレーズに至ったとき、完全にシンクロして唄うことができた自分がいました。そして、この「君が歩けばそこに必ず道はできる」という最後の歌詞こそが、物語の重要なエピソードと見事にリンクするのです。「道標ない旅」という隠れた名曲をこの場面で使用したことで、本作の成功は確信できたことでしょう。



6人の男子部員たちの個々のキャラクターの掘り下げが足りないとか、当時の風俗のディティールに少々違和感があるとか(当時はおっぱいの魅力はカップ数ではなく単にセンチ数であらわしていたような…?)、惜しいところがいくつかみられますが、じゅうぶん堪能できる作品だと思います。窓口で恥ずかしがらずに、ぜひ劇場でご覧ください!(DVDになってからのほうが見やすいのかな?)


以下、小ネタ2点。

・バレーボール部の部室には榊原郁恵さんのポスターが貼られています。綾瀬はるかさんのホリプロの大先輩ですね。言わずと知れた元祖巨乳アイドルですが、貼られているポスターは水着姿ではありません。本人NGがあったのでしょうか。

・6人の部員たちが恐れる不良の中井センパイ役は石田卓也くん。「グミ・チョコレート・パイン」「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」に続いて、またまた昭和懐古的青春映画に登場です。

(2009/04/19@ユナイテッド・シネマ金沢)

★★★★