かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

K-20〈TWENTY〉 怪人二十面相・伝

予想以上に惹きこまれた映画でした。もし第二次世界大戦が回避されていたら…という仮定の世界というのがまずおもしろい。1949年の日本は、工業社会が順調に発展する一方、華族制度が温存され、極端な格差社会になっているという設定。そこで義賊としての怪人二十面相が支持される余地があるわけです。

この作品、「バットマン」シリーズっぽいという評価があるようですが、洋画に疎い僕にはそのたとえはピンと来ません。お宝の秘密を握る結婚間近のお嬢さまが、悪い奴に狙われてウエディングドレス姿で逃走し、「泥棒」さんに救われる…これって「ルパン三世 カリオストロの城」のクラリスですよね。他方、体術を使い、オートジャイロを乗りこなすという峰不二子な面もあります(もっともこれは「良家の子女のたしなみ」だそうですが)。いずれにしても、他にもいくつか思い当たるシーンがあり、まさに「カリオストロ」ですよ。

で、このクラリス、もといヒロインの羽柴葉子を演じたのは松たか子さんですが、これが適役! お嬢さまというには実年齢的にはやや無理があるにもかかわらず、令嬢の上品さ可憐さは健在でした。さらに純粋な芯の強さを兼ね備え、かつちょっとコメディ的な一面もあり、とても魅力的なヒロインでした。

(2009/01/12@ユナイテッド・シネマ金沢)

★★★★