かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

百万円と苦虫女

ひょんなことから前科者になってしまった鈴子は、地元に居づらくなり実家を離れる決心をします。「自分探し」ではなく、むしろ「自分を探したくない」という現実逃避の旅。たどりついた先で働き口を見つけて黙々と働き、貯金が百万円に達すると――それはちょうどその場所での人間関係が濃密になりかける頃です――人とのかかわりから逃げるかのように、また新しい土地へと旅立っていくのです。やがてある町で働き始めた鈴子は、彼女のことを「困ったように笑う」と指摘する大学生の青年と恋に落ちます。しかし恋愛という究極の人間関係を満喫するなか、「百万円ルール」の達成が迫り旅立ちの時期が迫ります。

なんでしょう、この後ろ向きな思考でありながらアクティブすぎる行動は。現実逃避的思考は僕と共通ですが、これだけアクティブな行動はまねできません。こういう芸当ができるなら通常の生活をしてもじゅうぶん暮らしていけそうな気がします。で、案の定、立ち直るわけです。時折挿入される弟絡みのエピソードが決め手なのですが、これは巧みでした。なんにせよ、めでたいことです。恋愛の行く末もいいですね。終わり方がオシャレです。

(2008/09/06@イオンシネマ金沢フォーラス)

★★★★