かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

西の魔女が死んだ

感受性が強すぎて登校拒否になった少女が、英国人の祖母との田舎生活を通して心の平安と成長を得ていく物語。舞台となる「西の魔女」ことおばあちゃんの家は、まさに英国のカントリーハウスといったおもむき。美しい自然と素朴な生活にすっかり魅了された孫のまいは、おばあちゃんのもとで「魔女修行」を積みつつ、スローライフを実践することになります。

まいは母親から「扱いにくい子」と思われていることを知っています。しかし、おばあちゃんは決してまいを否定しません。ほめて、ほめて、ひたすらに愛情を注ぎます。まいがあまりよくない行いをしたときも、言葉を尽くして諭します。答えの出ないような問いにも、ユーモアを交えながら誠実に説明します。こうしたおばあちゃんの振舞いが素敵で、ありがたく、私たち観客もまいと同様にすっかりおばあちゃんの論に共感し、納得させられてしまうのです。

「おばあちゃん、大好き!」
心からのまいの言葉。わたしたちも同感です。

I know.
おばあちゃんが心優しくそう受け止めてくれた瞬間、なぜだか涙が滲んできます。

その後、まいは両親のもとに戻ることになります。ところが、ちょうどその頃おばあちゃんと言い争いをしてしまっていたので、まいはきちんとお別れができずにおばあちゃんのもとを去ることになってしまいました。車を見送るおばあちゃんの優しくも悲しい表情に心が痛みます。やがて、残念ながらタイトル通り「西の魔女が死んだ」ということになるわけですが、おばあちゃんがまいに残した最後のメッセージが、以前二人が交わした会話や別れの際の表情などを踏まえると、とりわけ心を揺すぶるのです。

そうして、エンディングに流れたのは手嶌葵さんの「虹」。余韻を堪能するという意味でも、実に心に染みる名曲でした。

(2008/07/05@ユナイテッド・シネマ金沢)

★★★★★