かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

【LFJK2008】ラ・フォル・ジュルネ金沢開幕!オープニングコンサート

待ちに待ったラ・フォル・ジュルネ金沢2008がついに本日開幕します。
5月3日からの本公演を前に、まずはプレイベントである14時からのオープニングコンサートへ。

バスに乗って金沢駅に着いたのは12時半すぎ。すでにタイコの音がずんちゃか聴こえてきます。もてなしドーム鼓門下で泉野小学校マーチングバンドのドラム隊の演奏が行われているようです。たしか13時から正式なオープニング演奏があるはずなので、それまですこし本会場の様子を見てみようと思い石川県立音楽堂へ。すると、ホール内のプロムナードにすでに長蛇の列ができあがっているではありませんか。ふと横を見ると「オープニングコンサート 当日券は完売しました」の看板が。ということは、これは整理券配布の順番待ちではないか?!

わたしは全公演の自由席に入場できる「マルチパス」を購入しておりました。ただし人気公演についてはその公演単独のチケット購入者が優先で、「マルチパス」および「チケット4」(4公演の自由席入場可)の場合は公演1時間前に配布される入場整理券が必要とのこと。どの公演で整理券が配布されるかは、公式サイトで随時発表されるのですが、前夜遅くまで飲んでいたため確認を怠っておりました。

急いで列の最後尾に並ぶことにします。残念ながら泉野の子たちの演奏は見られそうもありません。やがて13時になって徐々に列が動き出し、無事に整理券を入手しました。整理券配布の列の横にもう1つ、自由席の入場列ができています。マルチパス&チケット4の整理券組はまたそこに並び直さなければならないのかとも思いましたが、整理券を受け取ったあと、コンサートホールにのぼる階段の下へ誘導され、そのまま入場手続となりました。マルチパスは裏にQRコードが印刷されており、入場口に設置されている読み取り機にかざして認証を受けます。ディスプレイに「◎」印が表示され、「♪ジャジャジャジャジャーーン」と「運命」のフレーズが流れると手続は完了。結局、入場整理券は「146番」でわりと早い順番だったので、実はそれほど急ぐ必要もなかったのですが、いったん入場してしまった以上、それなりにいい席をゲットしたいと思うもの。もてなしドームでのオープニング演奏に後ろ髪を引かれつつ客席へ急ぎ、1階2列目のほぼセンターの座席を確保。1人だとこういうぽっかり空いている座席をゲットできることがわりとあるのです。まあ、こんな良席に座れたので、結果的にはよしとします。

なお、自由席入場列の中には招待ハガキらしきものを持っている人もいました。どうやら無料招待客も結構いたようです。ところが、たぶん主催者の予想以上に入場客が多かったらしく、続々と客席が埋まっていきます。オルガンステージのほか、ステージ上(!)にまで補助席が出されていました。後で聞いたところによると、1500人定員のところ入場者は1800人だったとのこと。整理券配布即入場だったのも、入場者多数のため開場時刻を早めたせいなのかもしれません。

しかし、この様子を見ると今後の本公演でも入場に苦労することが予想されます。入場整理券の配布は開演1時間前なので、それを手に入れるためにはそのさらに前、たとえば開演1時間半以上前とかに並ばなければならないかもしれません。しかしその場合、整理券の順番待ちをしている時間帯の公演は見られないということになってしまいます。整理券を確保した後そのまま入場せずに他会場に行くという方法もありますが、会場に設置されていたチケット売れ行き状況のボードによると、意外に各公演とも売れ行きは悪くなく(特にコンサートホールで行われるポピュラーな交響曲・協奏曲や、キャパの小さい金沢市アートホールでの大物アーティストによる公演などでは、すでに完売続出もしくは完売必至です)、かなりの公演で整理券配布による入場制限が行われる可能性もあります。そのため、他会場のほうでも整理券がいるかもしれない・・・ということはさらにそのまた1時間半前に並んで・・・ということになりかねません。しかも、そうしてギリギリの時間でハシゴする場合、早めに入場していい席を確保する作戦は放棄せざるを得ません。悩ましいところです。
事前に綿密に作戦を練り、しっかり計画を立てつつ、他方、当日の現場の状況に応じて臨機応変に対応する必要がありそうです。

また、整理券の順番待ちや自由席の早めの席とりのため、待ち時間が相当長くなることを見越して、時間つぶしのため本など持参しておいたほうがよいでしょう。

まあ、今年は初めて開催するわけですから、多少の混乱はやむをえません(「マルチパス」のシステムは金沢で初めて採用されたそうですし)。「熱狂の日」、すなわちお祭りなのですから、むやみに目くじらを立てるのは野暮というものでしょう。全部ひっくるめて楽しんでしまうくらいの気分でいったほうがいいと思います。

オープニングセレモニーが始まりました。お偉方の祝辞。実行委員会会長は「加賀前田家第18代当主」前田利祐氏。いかにもお殿様でありますが、資金集めに奔走してくださったとのこと。谷本石川県知事は来年以降のこの音楽祭の継続をアピール。さすが挨拶には慣れている様子。北陸経済連合会の新木会長の祝辞は無内容。読まされ感満載。最後にルネ・マルタンさんが登場。あなたのおかげです。どうもありがとう!

お偉方たちがステージ後方の座席に移動し、OEKメンバーが登場。次いで井上道義マエストロが颯爽と壇上へ。いよいよ演奏が始まります。

序曲「コリオラン」。
緊張感漲る冒頭が、ビシッと決まりました。とりわけ今回はステージから近いので迫力が違います。タクトを振る井上マエストロも、楽団員のみなさんも、ものすごく集中しているのがよくわかります。楽器から奏でられる響きが直接びしびし伝わってきます。特にヤングさんの渾身の弦。なんか、感動して泣きそうです。
緊張感を伴う劇的な曲調から、徐々にさびしく悲劇的な曲調へと移り、井上さん曰く「悲劇だから」、弦のピチカートで消えるように静かに終わります。その余韻も格別。

そして交響曲第2番。井上マエストロはこの曲をオープニングに選んだ理由を次のように言います。「ベートーヴェンのシンフォニーの中で最も演奏される機会の少ない曲。だからこそ、どの公演を聴いても楽しめるこの音楽祭の象徴として選んだ。でも、イケてる曲ですよ」。

たしかにこの曲は「イケてる」曲でした。OEKの演奏も申し分なく、カッコいい爽快なスマッシュヒットであります。

今回のラ・フォル・ジュルネは、先に述べたとおり初の試みですし、敷居の低いクラシックコンサートというのがウリなわけですから、たとえおばちゃんがおしゃべりしたり、おっさんが眠り込んでイビキをかいたり、おねえちゃんが携帯をいじったり、あんちゃんがチラシをがさごそしたり、子どもが泣きわめいたたりしても、決して怒るまいと思っております。といっても、今回はそのような迷惑な行動はほとんどなく、充分に演奏を堪能できました。むしろ、いつも耳障りな咳払いが、天候もよかったせいか普段より少なかったようさえ思います。

あと、楽章間の拍手もある程度予想されたことでしたが、案の定、第1楽章終わりでぱらぱらと拍手が起こりました。すると井上マエストロは背を向けたまま、すかさず後ろ手を広げて制止していました。第2楽章の終わりでも少し拍手が起こりましたが、井上さんは再度両手で制止するポーズを見せつつ、拍手をした集団のほうをにこやかに見やり、まるで「ここでは拍手は結構です。でもありがとう」と語りかけているような(←妄想)優しいまなざしを向けていました。すると第3楽章終わりではもう拍手は起こりませんでした(インターバル自体も短いですが)。この井上さんの一連のスマートでダンディな振る舞いに感服しました。

こうして、ラ・フォル・ジュルネ金沢は絶好のスタートを切りました。帰宅後は夕方のテレビのローカルニュースで、会場生中継による井上さんの生出演をハシゴ(笑)。今後1週間、このイベントを存分に楽しみたいと思います。

http://www.hokkoku.co.jp/_today/H20080430101.htm
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ishikawa/news/20080430-OYT8T00050.htm
http://mytown.asahi.com/ishikawa/news.php?k_id=18000000804300001
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/music/080429/msc0804292112002-n1.htm
http://kanazawa.keizai.biz/headline/239/

ベートーヴェン:交響曲第2番&第7番ベートーヴェン:交響曲第2番&第7番
金聖響 ベートーヴェン オーケストラ・アンサンブル金沢

曲名リスト
1. 交響曲第2番ニ長調op.36
2. 交響曲第7番イ長調op.92

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ラ・フォル・ジュルネ金沢「熱狂の日」音楽祭2008
ベートーヴェンと仲間たち~

【公演番号001】オープニングコンサート
日時:2008年4月29日(火・祝)14:00~
会場:石川県立音楽堂コンサートホール[ワルトシュタイン]
指揮:井上道義
管弦楽オーケストラ・アンサンブル金沢
コンサート・ミストレル:アビゲイル・ヤング
ナビゲーター:朝岡聡

ベートーヴェン
 序曲「コリオラン」Op.62

ベートーヴェン
 交響曲 第2番 ニ長調 Op.36