かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

全然大丈夫

ざっくりいえばいわゆる「ゆる系」の映画ですが(キャッチコピーもずばり「憩いまくりたい人々に贈る、 恋のユル騒ぎムービー!」とあります)、たとえば「かもめ食堂「めがね」のような、多忙な毎日に疲れた(おそらく「勝ち組」であった)コギレイな女性が心穏やかになれそうな土地へ移住したり、癒しを求めて旅に出たりするような、どちらかというとオシャレな感じのする文科系女子的な色合いではまったくなく(それはそれでとても好きな作品ではあるのですが)、この作品は、まったく逆の人種、スナック菓子やちくわをカジりながら、いまままで自分のダメな部分をなるべく見ないようにして惰性で過ごしてきたような、もともとダメダメな下流の負け組たちが、少し状況を打開してみようともがいてみた状況を描いた作品といえましょう。

このダメダメなひとたちというのは、次の三人。

身勝手で口ばかり大きい男(荒川良々さん)。
人に嫌われたくなくて八方美人な男(岡田義徳さん)。
とにかく徹底的に不器用な女(木村佳乃さん)。

うおお、なんという同類感。彼ら彼女らのダメ要素はわたし自身兼ね備えているという自負があります。いつの間にかモデルにされたのかと疑うほど。彼ら彼女らの言動がいちいち共感生みまくり、というかむしろ恥ずかしい。

ダメダメ状況を打開しようというのは結構な負荷がかかるもので、自分の弱みに向き合わざるをえなくなったりするわけですが、少し勇気で意外に事態が好転しちゃう場合もありますし、やっぱりなんとなく受け流して自分なりに折り合いをつけて元通りということもあるわけです。で、結局ダメだった感は、もうホント身に覚えがあるわけです。

あと、ゆる系ムービーらしく小ネタも満載です。特に良々さんの父親役・蟹江敬三さんのすべてが素晴らしい。「コメ」とか(爆)。

まあ、結局はみな分相応のシアワセ、ということで、それを象徴するのがエンディングですね。最後までとてもよかったです。

(2008/04/27@シネモンド)

★★★★★