かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

庄司紗矢香さんOEK定期初登場!

オーケストラ・アンサンブル金沢
第222回定期公演フィルハーモニー・シリーズ

日時:2007年5月22日(火)19:00~
会場:石川県立音楽堂コンサートホール
指揮:デイヴィッド・スターン
コダーイ
 ガランタ舞曲

チャイコフスキー
 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
 ~ヴァイオリン独奏:庄司紗矢香

(アンコール)
J.S.バッハ
 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第1番より

---休憩---

メンデルスゾーン
 交響曲 第3番 イ短調 作品56「スコットランド

(アンコール)
メンデルスゾーン
 劇付随音楽「夏の夜の夢」よりスケルツォ

この日の注目はなんといっても庄司紗矢香さんです。

庄司さんは思っていた以上に華奢で、まだまだあどけなさを残した少女の雰囲気。ところが、真紅のドレスでステージに現われた庄司さんは、むしろふてぶてしい感じすら見受けられました。そして演奏が始まると、これがまあすごい。荒々しく迫力満点の太い音が激しく響きます。「やさぐれ女」の風情を漂わせ、情感たっぷりです。いいなあ、このパワフル感。そして「やさぐれ」感。インパクトあるなあ。

第2楽章は一転して確かな技巧に基づいた繊細さを堪能しました。か細い高音のまあ美しいこと。第3楽章はふたたび激しく。しかし今回は気品さも備えて、才能を見せ付けるかのような堂々たる演奏。

「不幸な」結婚で傷付いたチャイコフスキーはスイス・イタリアへ旅に出ました。このコンチェルトは、その旅のさなかに作られた曲だそうですけど、今回の庄司さんの演奏は、傷心で自暴自棄になったもののやがて復活し名曲を生み出した作曲家自身の姿に重なる気もします(こじつけ?)。

なお、もともとこの曲の第1楽章は拍手したくなるような終わり方なんですが、案の定拍手が起こりました。でもその気持ちはよ~く分かります。今日は拍手があっても自然に思えますね。それくらい充実したパフォーマンスでした。

「ガランタ舞曲」と「スコットランド」もよかったのですよ。荒涼とした欧州辺境の風景らしく、落ち着いたいぶし銀的存在でした。ただそのぶん、両曲の間に挟まれたチャイコンの印象がよけいに強烈で…。庄司紗矢香さんの激情的な演奏によってますます異彩を放っていました。