かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

延原武春×OEK 第208回定期公演PH

オーケストラ・アンサンブル金沢
第208回定期公演フィルハーモニー・シリーズ

石川県立音楽堂コンサートホール
指揮:延原武春

ベートーヴェン
 交響曲第7番 イ長調 作品92 第1楽章・第2楽章

モーツァルト
 ピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K.467
 ~ピアノ:宮谷理香

■エドワーズ
 オーボエ協奏曲(日本初演
 ~オーボエ:ダイアナ・ドハティ

ベートーヴェン
 交響曲第7番 イ長調 作品92 第3楽章・第4楽章


(アンコール)
モーツァルト
 歌劇「フィガロの結婚」序曲


まずはプログラムに驚き。
ベートーヴェンの7番は、前後半に分けて演奏するという。
18世紀には交響曲の楽章を分けるのは普通だったそうだが、
交響曲の一体性を確立したベートーヴェンでこれをやるとは。

とはいえ、ベートーヴェン7番はOEKの十八番。
第1楽章で序奏から第1主題へと導くリズムが刻まれ、
それが炸裂した瞬間、いつもの通り鳥肌が立つ(笑)。
延原さんは経歴や風貌に似合わず(?)、
実にチャーミングで若々しいタクトさばきであった。

第2楽章は哀愁を帯びた荘厳な旋律。
このしみじみ感の後に拍手が起こり曲が終わるのは、
やはり不思議な感覚。

ところが、次のモーツァルトピアノコンチェルトでは、
この21番は長調だけれども、言われてみれば、
単に晴れやかなだけでない、美しい切なさも込められている。
こうして聴いてみると、たしかに説得的な面白い流れかもしれぬ。

ピアノは金沢出身の宮谷さん。
適度な心地よさと風邪薬の効果があいまって、
ふ~っと意識が宙に漂う(苦笑

休憩後は、オーストラリアの新進作曲家による
日本初演オーボエ協奏曲から。

照明を落としたステージにオーボエの音色が響くと、
ソリストのドハティさんがすーっと現れた。
ドハティさんは軽やかに楽団員の間を縫って歩き、
また、ときおり舞台中央で舞うように体全身で演奏する。
鳥のように、あるいは少女のように笛を吹く。

おおっ!これはすごいっ!!

とかく現代音楽というのはとっつきにくいものだが、
この曲は素直に楽しく、片時も目と耳を離せられなかった。
曲が終わった瞬間、天然で「ほおお~」と声を出して唸ってしまった。

そしていよいよベートーヴェン7番の後半。
分断された流れが瞬時に甦ると、
そのまま第4楽章までパワー全開で走り抜けた。

アンコールはおなじみ「フィガロの結婚」序曲。
いや~今日も大満足。
特に管楽器が気持ちよかった。

最近はOEKの演奏会を日々心待ちにしていて、
つまらない日常の心の支えになってる感じ。
実はこの1週間というもの、風邪をひいてしまい、
前日まで咳やら、くしゃみやら、鼻水やらが最悪で、
このまま演奏会に行ったら周りの大迷惑必至であったが、
気合いだかなんだか、当日は奇跡的に完治してしまったのだから。