かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

嫌われ松子の一生

この映画を他人事として
客観的に見られる人は幸せだ。

ひとたび松子を自己に投影すると、
世の不条理と無慈悲にやるせなくなる。

松子の最期はショッキングだった。
あんな死に方をするなんて。
いずれ訪れる不幸な最期が身につまされる。

「つまらん人生だ」
と、松子の弟は一言で切って捨てる。
そんなものだ。
辿ってきた人生にはそれぞれ意味はあるはずなのに、
そんなこと、他人にとっては知ったことではない。

本来的には、果てしなく暗く重い話だ。

だが、凹んでばかりかというと、
まったくそうではない。
何せ「下妻物語」の中島監督だ。
ポップな音楽でミュージカル風に話が回され、花が咲き鳥が舞う鮮烈なビジュアルでスクリーンが彩られ、芸人やミュージシャンなど豪華なキャストが意外な場面で起用され、火サスの片平なぎさとか白い歯がまぶしい谷原章介とか段々イケメンになる荒川良々とかコメディ的要素がふんだんに盛り込まれている。

そして切ないまでのファンタジー感。
この劇中歌が耳について離れなくなる。
まげて のばして
お星さまをつかもう
まげて 背のびして
お空にとどこう

小さく まるめて
風とお話ししよう
大きく ひろげて
お日さまをあびよう

みんな さよなら
またあしたあおう

まげて のばして
おなかがすいたら帰ろう
歌を うたって
おうちに帰ろう
雄弁な曲だ。
この映画のすべてを物語っている。

嫌われ松子の一生」公式サイト
http://kiraware.goo.ne.jp/