かっきーの雑記(仮)

あちらこちらで興味が湧いたものをとりあえず書き留めておく用。

【OEK定期392PH】パイプオルガンとオーケストラの饗宴(2017/7/18@石川県立音楽堂コンサートホール)

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2016-2017シーズン最後の定期公演は、今年度のOEKコンポーザー・オブ・ジ・イヤー、作曲家でパイプオルガン奏者のティエリー・エスケシュが登場。パイプオルガンの即興演奏と、新曲のオルガン協奏曲を自身で演奏します。指揮は井上道義音楽監督。

この日は早く会場入りすることができたので、開演前のロビーコンサートに間に合いました。OEKの坂本久仁雄さん、トロイ・グーギンズさん、大澤明さんによるハイドンのロンドントリオ。大澤さん曰く、今日本番で演奏する新曲は料理に例えると斬新な料理だが、このハイドンはご飯に味噌汁みたいな安心できる食事だと。演奏後、気持ちよかったので二楽章をもう一回弾きます、とまさかの自己申告アンコール笑

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さて本番。井上さんが鍵盤ハーモニカで、シューベルト未完成のフレーズをもじった主題を提示。オルガンステージにひとり現れたエスケシュさんがそれをモチーフとした即興演奏を始めました。パイプオルガンの荘厳な響きが前面に出ると、まるでプログレッシヴ・ロックのようでした。

次は未完成。ステージ上手半分に管楽器、後段にヴィオラ・チェロ・コントラバスという変則配置。その効果はよくわかりませんでしたが(汗)、いずれにせよ不動の名曲であります。気持ちよく聴き入りました。

OEK首席チェロ奏者・カンタさんによるサン=サーンスのチェロ協奏曲。快速なテンポにも涼しい顔をしてさらりと弾きこなす、安定した技巧が冴え渡ります。さすが名手の演奏でありました。

後半は、エスケシュさんの新曲。パイプオルガンの音色というのはこんなにも多彩なのかと。あるときはフルートのようにやわらかく、ファゴットのようにあたたかく、マリンバのように可愛らしく。また、激しく叩く打楽器のように。打楽器といえば、この曲はさまざまな打楽器が大活躍する曲で、3人の打楽器奏者がそれぞれ幾つもの楽器を目まぐるしく使い分けていきます。演奏後、パーカッションの渡邊さんが他のメンバーとハイタッチをしていましたが、その気持もわかります。

というわけで、今シーズンの定期公演はすべて終了。楽しませていただきました。また来シーズンを楽しみにしてます。

 

オーケストラ・アンサンブル金沢
第392回定期公演フィルハーモニーシリーズ

2017年7月18日(火)19:00開演
石川県立音楽堂コンサートホール

指揮:井上道義
オルガン:ティエリー・エスケシュ
チェロ:ルドヴィート・カンタ

エスケシュによるオルガン即興演奏
シューベルト交響曲 第7番(旧第8番)ロ短調「未完成」D759
サン=サーンス:チェロ協奏曲 第1番 イ短調 作品33
エスケシュ:オルガン協奏曲(新曲・委嘱作品)