山下達郎 PERFORMANCE 2017 @金沢歌劇座(2017/8/29)
はじめて山下達郎さんを知ったのは小学生の頃でした。当時ヒットしていた「RIDE ON TIME」を聴いて、なんてカッコいいんだ…!まるで外国の曲だ…!と子供ごころに圧倒された覚えがあります。
- アーティスト: 山下達郎,吉田美奈子
- 出版社/メーカー: BMG JAPAN
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ところが、その段違いのカッコよさがかえって自分にはまったく分不相応なハイレベルな音楽だと気後れしてしまい、それ以降、達郎さんに関しては、ラジオのヒットチャートに流れてくる新譜などはおさえていたものの、自らアルバムを買って聴き込むというほどには深くのめり込んでいたわけではありませんでした。
それから数十年(苦笑)。ひょんなことから前回ツアーの金沢公演(2016年3月)に行く機会に恵まれましたた。かねてより、達郎さんのライブは凄い、一度行ったほうがよいという話をほうぼうから聞いていたものですから、とりあえず「OPUS」を聴き込みつつ、必須だと教えられたクラッカー云々とかのお作法を頭に入れ、どきどきの初参加をいたしました。果たして、お察しの通り、すっかり達郎ライブの虜になったわけであります。
OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜(通常盤)
- アーティスト: 山下達郎
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
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というわけで、今回のツアー「PERFORMANCE 2017」の金沢公演にもぜひ行きたいと切望し、チケット争奪戦に参戦。1次・2次販売では落選しましたが、ラストチャンスのキャンセル待ちでギリギリチケットをゲットできた次第であります。まあ、二階席の後ろから2列目、右端から2席目というほぼ最遠方の座席でしたし、私自身ライブ参加2回目の新参者ではありますが、そんなことはまるで関係なく、とってもとっても楽しめました。
今回の49公演のうち、金沢公演は48本目でした。千秋楽の一つ前。ラス前、セミファイナルであります。金沢公演の二日後、8/31に千秋楽の長野公演が終わり、ツアー全行程が無事完了しましたので、ネタバレ解禁してもよかろうと判断し、金沢公演のセットリストを以下に記します。
- ポケット・ミュージック (Interlude)
- SPARKLE
- いつか(SOMEDAY)
- DONUT SONG (ドーナツ・ソング)
(メドレー)
夏への扉 ←?
ハンド・クラッピング・ルンバ[大滝詠一]
Willie and the Hand Jive[Johnny Otis] - 僕らの夏の夢
- 風の回廊(コリドー)
- Guilty[鈴木雅之]
- FUTARI
- 潮騒 (THE WHISPERING SEA)
- ターナーの汽罐車 -Tuner's Steamroller-
※還暦/城北トリオ アンプラグド・ヴァージョン - It's Not Unusual [Tom Jones]
- THE WAR SONG
- SO MUCH IN LOVE《ON THE STREET CORNER 2》[The Tymes]
- STAND BY ME《ON THE STREET CORNER 3》[BEN E. KING]
- JOY TO THE WORLD (Interlude)
- クリスマス・イブ
- 蒼氓
(メドレー)
People Get Ready[The Impressions]
Blowin' In The Wind[Bob Dylan]
私たちの望むものは[岡林信康]
希望という名の光 - GET BACK IN LOVE
- メリー・ゴー・ラウンド
- LET'S DANCE BABY
(メドレー)
Summertime Blues[Eddie Cochran]
Summertime[Janis Joplin]
Theme From a Summer Place[Percy Faith]
愛を描いて -LET'S KISS THE SUN-
LOVELAND,ISLAND
踊ろよ、フィッシュ
CHEER UP! THE SUMMER
Mean Woman Blues[Roy Orbison]
いかすぜ!この恋[大滝詠一]
シーズン・イン・ザ・サン[TUBE] - 高気圧ガール
- CIRCUS TOWN
【アンコール】 - ハイティーン・ブギ[近藤真彦]
- RIDE ON TIME
- DOWN TOWN
- YOUR EYES
いやあ、圧巻のステージでした。達郎さん曰く、いままで冬場のツアーが多く体調管理が大変だったが今回は春~夏のツアーなので声の調子がすこぶるよいと。まさにその通り、歌唱力が半端なくすごい。達郎さんのヴォーカリストとしての力量をあらためて感じ入ったのでありました。そして、バンドの各プレイヤーの方々もまるで隙のない素晴らしい演奏。充実のステージとはこういうことを言うのでありましょう。
名曲ぞろいのセットリストでしたが、そのなかでもあえて個人的に特にツボった曲として、達郎さん、難波弘之さん(Keyboards)、伊藤広規さん(Bass)の「還暦トリオ」または「城北トリオ」(笑)による、アコースティック版「ターナーの汽罐車」を挙げたいと思います。新宿ロフトでの音源をサンソンで聴いたことはありましたが、これを生で聴けて感激しました。
そして後半の「GET BACK IN LOVE」。心にぐっとこみ上げるものを感じながら聴き入りました。じつは歌謡曲道の我が心の師であるO先輩もこのライブに来ており、終演後、O先輩ご夫妻と一杯やりながら本ライブの感想戦をする機会に恵まれたのですが、三人とも印象に残った曲として、この曲を挙げたのでした。今思うと、「クリスマスイブ」そして「蒼氓」の壮大なバラードメドレーの後、という満を持しての順番だったこともあるかもしれません。
またこの日は、北朝鮮が北海道を通過する弾道ミサイルを発射した日でした。達郎さんが「私は政治に絶望して政治にコミットするのをやめた人間ですが、私は音楽家ですから、言いたいことがあれば音楽でモノを語ります」と言って歌い始めたのが「THE WAR SONG」。まさに、語りたいことは十分に伝わってきたと思います。
あと、恒例(だそうです)の洋楽カバーコーナーも忘れてはいけません。前回はフランキー・ヴァリの「Can't Take My Eyes Off You(君の瞳に恋してる)」でしたが(大好評だったとのこと…!)、今回は、トム・ジョーンズの「It's Not Unusual(よくあることさ)」でした。カッコよかった!
Tom Jones - It´s Not Unusual.. (1964)
洋楽カバーだけでなくセルフカバーも。他人に提供した曲は自分のキャラクターに合わないことも多く、いままでは歌うのを敬遠していたがこの年齢になったらもう関係ない、みたいなノリで唄ったのが、鈴木雅之「Guilty」。
Guilty(ギルティ) 鈴木雅之 Masayuki Suzuki
そして本ライブ最大のサプライズといってもいいのが、アンコールで披露してくれた近藤真彦「ハイティーン・ブギ」!!! 達郎さんが男性アイドルに提供した最初の曲だということは知っていましたので、心の何処かで達郎さんがセルフカバーしたら面白いなあ…と思っていましたが、まさか本当に実現するとは! いやあ、盛り上がりました!
そんなわけで、今回も大大満足、大大満喫のライブでありました。
なお、上記セットリストは、どなた様かがネット上に公開されていた金沢会場セットリストを基に、自己の記憶と照らし合わせ、他会場のセットリスト情報等を参考にして補正しつつ作成しています。なのでところどころ曖昧な箇所がありますのであしからずご了承ください。
たとえば、「ドーナツソング」「蒼氓」「LET'S DANCE BABY」の中のメドレー部分については、私の記憶が全然ついていけてない部分も多々ありましたので、他会場情報をおおいに参考にしています。特に「ドーナツソング」の冒頭は、各会場でそのときどきの季節ソングで始まるとのことですが(童謡「春が来た」や「さよなら夏の日」など)、金沢での採用曲は、ネット上には「夏への扉」あるいは童謡「あめふり」という二つの説が存在します。これについても私自身、恥ずかしながら記憶が定かでありません。ですので、誤りなどあればご指摘いただければと思います。
(余談)
じつは、当日、本人確認用に持参した運転免許証を紛失してしまいました。ライブ翌朝、そのことに気づき、会場の金沢歌劇座に問い合わせたところ、しばらくして座席近辺に落ちていたと折り返し連絡をいただきました。というわけで、いそいそと二日連続で金沢歌劇座に赴いて免許証を受け取ってきた次第でございます。面目ないことでございました。
そして、応対したいただいた事務の方が、なんと奇遇にも高校の同級生だったというオチ。落とし物だけに!(違うか)
【OEK】岩城宏之メモリアルコンサート - 邦楽器とオーケストラ/ヤング・カンタのサン=サーンス(2017/9/2@石川県立音楽堂コンサートホール)
故・岩城宏之永久名誉音楽監督の功績を記念して、毎年この時期に開かれるコンサート。1曲めは、岩城さんの音大時代の同級生・三木稔氏の作曲による邦楽器とオーケストラの共演で「序の曲」。オケはほぼ伴奏と言った感じで、尺八・二十絃箏・太棹三味線がかなりイレギュラーで技巧的な演奏を組み合わせてきます。岩城さんが好みそうな意欲的なプログラムでした。もっとも、この曲の演奏後、井上さんがお客さんに対して楽器の説明をしつつ邦楽のススメみたいな話をしていましたが、今日のような特殊な演奏を聴いて邦楽器をやろうと思う人はあんまりいないんじゃないかと思います…。
このメモリアルコンサートでは、毎年、北陸ゆかりの音楽家に贈られる「岩城宏之音楽賞」の受賞者がOEKと共演することになっていますが、今年の受賞者はなし、とのこと。かわりに、ともに過去の受賞者であるOEKコンマスのアビゲイル・ヤングさんと、首席チェロ奏者のルドヴィート・カンタさんが独奏者としてOEKと共演。サン=サーンスの「ミューズと詩人」が演奏されました。穏やかで美しい旋律が奏でられ、最後は一気に盛り上がるサン=サーンスらしい楽曲でした。
後半はモーツァルトのジュピター。祝祭感があふれるおなじみの曲を井上さんは暗譜で指揮。冒頭はゆったり(じっくり)としたテンポではじまり、流麗な部分と歯切れよさ、力強さといったメリハリをつけ自在にオケを操ります。まさに十八番といった感じの本格的な演奏を堪能しました。
アンコールは、ヴィオラ隊が笛や太鼓に持ち替えての「おもちゃの交響曲」。なお、井上さんはこの曲の作曲はモーツァルトのお父さんと言っていましたが、近年はエトムント・アンゲラーというドイツの作曲家の作品であるというのが定説らしいです。
アンコールをもう1曲。モーツァルトのディヴェルティメントK.136 から第3楽章。サラッとスカッと快速快活な演奏で締め。かえすがえすも井上さんの退任は残念だなあ…
オーケストラ・アンサンブル金沢 岩城宏之メモリアルコンサート
2017年9月2日(土)14:00開演
石川県立音楽堂 コンサートホール指揮:井上道義
■三木稔:序の曲
三橋貴風(尺八)/野坂操壽(二十絃箏)/本條秀慈郎(太棹三味線)■サン=サーンス:ミューズと詩人 op.132
アビゲイル・ヤング(ヴァイオリン)/ルドヴィート・カンタ(チェロ)■モーツァルト:交響曲第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」
(アンコール)
■エンゲラー:おもちゃの交響曲 より 第1楽章
■モーツァルト:ディヴェルティメント K.136 より 第3楽章
【音楽堂室内楽シリーズ第2回】IMA&OEK チェンバーコンサート
先日20周年スペシャルコンサートが開かれた「いしかわミュージックアカデミー(IMA)」は、講師陣も豪華です。その講師陣がオーケストラ・アンサンブル金沢のメンバーとともに室内楽を披露するのも毎年恒例になっており、楽しみにしているのであります。今年は講師のレジス・パスキエさんやロラン・ドガレイユさんらの馴染みの深いフランス音楽のプログラムでした。
最初はラヴェルの弦楽四重奏曲。原田幸一郎さんは例年この演奏会では第2ヴァイオリンやヴィオラを弾いたりして黒子に回ることが多かったように思いますが、今回はリードを取りました。滑らかなやわらかさと鋭い力強さのメリハリが効いていて、とても心地よい時間でした。
続いてドビュッシーのヴァイオリンソナタ。ドガレイユさんの茶目っ気あふれる豊かなヴァイオリンに鈴木さんの柔軟なピアノを堪能。
ラヴェルの序奏とアレグロ。フルート・クラリネット・ハープの音色が鮮やかでアンサンブルも見事。
後半はがっつりフランクのピアノ五重奏曲。これはすごかった。特にパスキエさんのいつものように気迫のこもったヴァイオリン! そして弦の他の三人がそれに食らいつき、4弦のパワーが一体となったところに、ピアノのハエスン・パイクさんが単身堂々と立ち向かっていくという、非常に聴き応えのあるスリリングな演奏が展開されました。パスキエさんはやはりすごいなあと再確認。今年も大満足の演奏会でした。
音楽堂室内楽シリーズ 第2回
IMA&OEKチェンバーコンサート
2017年8月22日(火)19:00開演
石川県立音楽堂 交流ホール■ラヴェル:弦楽四重奏曲 へ長調
第1ヴァイオリン:原田幸一郎
第2ヴァイオリン:ヴォーン・ヒューズ
ヴィオラ:丸山萌音揮
チェロ:毛利伯郎■ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ
ヴァイオリン:ロラン・ドガレイユ
ピアノ:鈴木慎崇■ラヴェル:序奏とアレグロ
第1ヴァイオリン:ホァン・モンラ
第2ヴァイオリン:神谷美千子
ヴィオラ:石黒靖典
チェロ:大澤明
フルート:岡本えり子
クラリネット:遠藤文江
ハープ:平尾祐紀子(休憩)
■フランク:ピアノ五重奏曲 ヘ短調
第1ヴァイオリン:レジス・パスキエ
第2ヴァイオリン:神谷美千子
ヴィオラ:丸山萌音揮
チェロ:毛利伯郎
ピアノ:ハエスン・パイク
IMA 20周年記念スペシャルコンサート 神尾真由子のメンデルスゾーン
石川県が毎年夏に主催している若手音楽家養成のための国際音楽セミナー「いしかわミュージックアカデミー(IMA)」も、回を重ねて今年はついに20周年。そこで、IMAで研鑽を積み現在国内外で活躍している3名の演奏家によるコンチェルトの演奏会が開催されました。IMA出身者である神尾真由子さんも出演すると聞き、これは行かねば!駆けつけた次第。
まずはチェロの新倉瞳さんによるハイドンのコンチェルト。現在スイスを拠点に活動している新倉さんのチェロは実に華やか。ハイドンの多幸感によく合っていました。
続いて辻彩奈さんのモーツアルト。辻さんはまだ20歳で今年の受講生でもありますが、モントリオール国際音楽コンクールで第1位を獲得するなど既に世界の舞台で活躍中。華奢な体にもかかわらず凛とした演奏が素敵でした。
後半はいよいよ神尾さんの登場です。神尾さんはIMA出身でありますが、現在はIMAの講師として教える側に回っており、その点はやはり格が違います。さてメンデルスゾーン。冒頭こそピッチが不安定ですこしハラハラしましたが、すぐに軌道修正し、すっかり神尾さんの世界に引き込まれました。圧倒的な存在感に加え自繊細な表現力。爆発的なターボ搭載車が柔軟なステアリングと自在なコーナリングを備えれば無敵の独走でありました。アンコールにお得意のパガニーニでどうだ! はい!おみそれしました!
いしかわミュージックアカデミー20周年記念スペシャルコンサート
2017年8月19日(土)14:00開演
石川県立音楽堂 コンサートホール■ ハイドン:チェロ協奏曲 第1番 ハ長調 Hob. VIIb-1
チェロ:新倉瞳■モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第5番 イ長調 K. 219「トルコ風」
ヴァイオリン:辻彩奈■メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
■(アンコール)パガニーニ:カプリース 第24番
ヴァイオリン:神尾真由子
【甲子園2017夏2回戦】大阪桐蔭vs智辯和歌山 ブラバン対決
高校野球2017夏の甲子園は、今日からベスト8入りをかけた3回戦が始まりました。
と、その前に…昨日おこなわれた2回戦の話を。
昨日は、春の選抜優勝校・大阪桐蔭と、こちらも甲子園常連の智辯和歌山という強豪校対決に注目が集まりました。優勝候補が2回戦で早くも激突するということもそうですが、両校ともにブラスバンドの名門であり、その応援合戦がおおいに見ものなのです。
両校の1回戦の応援の模様がこちら
大阪桐蔭は野球だけじゃなくて応援も一流なのが分かる動画!
両校ともすごいすごい!
事前にこんな煽り記事も出ていましたよ。
1塁側は智弁和歌山。先日放送されたテレビ朝日系『アメトーーク』内の企画「高校野球応援歌 20世紀の曲 ベスト10」で堂々の第1位となった「アフリカン・シンフォニー」は同校がアルプススタンドで広めた。最初に甲子園で演奏したのは1987年だそうだから、30年もの間、応援ブラバン界をリードしてきた名曲中の名曲だ。元祖アフリカン・シンフォニーの真髄を堪能して欲しい。
智弁和歌山はレパートリーこそ「エルクンバンチェロ」、「サンバ・デ・ジャネイロ」といった王道だが、凄まじいまでの破壊力をもつ演奏で実力の違いを見せつけてくれる。特に”魔曲”と呼ばれる「ジョックロック」の威圧感といったら、半端ない。じわじわと低音がせり上がり、不気味な不協和音の連続は今にも逆転されそうでとにかく怖い。さらにここへ4年前に誕生した”新魔曲”「シロクマ」が加わる。クラブ・ジャズ・グループのJABBERLOOPの原曲をずっしりとしたスローなテンポに落とし迫力あるアレンジに仕立て上げた。智弁和歌山はこのW魔曲を擁した無敵のラインナップで2回戦に臨む。
一方、3塁側は大阪桐蔭。吹奏楽部としては2006年創部だから歴史は浅いが、その実力は国内屈指。ほかの学校が昭和歌謡や懐かしアニメ曲といった定番応援曲の演奏が多い中、同校のレパートリーは異色。「上からマリコ」(AKB48)、「前前前世」(RADWIMPS)、「Happiness」(嵐)、『進撃の巨人』のオープニング曲「紅蓮の弓矢」(Linked Horizon)といったJ-POP&ROCKから、洋楽の「君の瞳に恋してる」やクラシックの「ウィリアムテル序曲」にゲームアプリの「かっせー!パワプロ」と幅広いラインナップだ。今大会ではK-POP・TWICEの「TT」や、映画『LA LA LAND』のテーマ曲「Another Day Of Sun」までをも披露し、全国のブラバン・ファンを驚かせた。いずれも、およそ応援曲に似つかわしくない選曲だが、彼らの手にかかると見事に応援曲に昇華させてしまう。炎天下の劣悪な環境の中、吹奏楽コンクールの会場かと錯覚するほどの美しくかつ圧巻の演奏を響かせてくれる。
完璧な解説!付け加えることは何もない笑
で、実際の応援ブラバン対決ですが、早くも当日の動画を発見したので貼っておきます。
ブラバン対決 智弁和歌山vs大阪桐蔭 2017夏の甲子園 高校野球応援歌 吹奏楽チアリーダー
演奏曲は以下の通り。
- 智辯和歌山「コパカバーナ」
- 大阪桐蔭「君の瞳に恋してる」
- 智辯和歌山「Vibrations」(「今日のホームラン」のテーマ)
- 大阪桐蔭「パワプロのテーマ」
- 智辯和歌山「サンバ・デ・ジャネイロ」「シロクマ」
- 大阪桐蔭「紅蓮の弓矢」
- 智辯和歌山「アフリカン・シンフォニー」「ジョックロック」
- 大阪桐蔭「ウィリアムテル序曲」
やっぱり両校ともすごいすごい!
曲ごとにみてみましょう。まずは智辯和歌山。
初回、試合開始のサイレンとともに、王道の分厚い「アフリカン・シンフォニー」。
2017夏 智弁和歌山 アフリカンシンフォニー(智弁和歌山 対 大阪桐蔭)
そしてこちらも定番の「エルクンバンチェロ」。
2017夏 智弁和歌山 エルクンバンチェロ(智弁和歌山 対 大阪桐蔭)
そして1点ビハインドの4回に巻き起こった、奇跡を呼ぶの魔曲「ジョックロック」!この大迫力に気圧されたか、この後、同点に追いつきます。
2017夏 魔曲 ジョックロック(智弁和歌山 対 大阪桐蔭)
さらに新魔曲「シロクマ」も
2017夏 智弁和歌山 シロクマ(智弁和歌山 対 大阪桐蔭)
対する大阪桐蔭は、クラシックから流行曲までバラエティに富んだレパートリー。
まずはおなじみの「ウィリアム・テル序曲」。
【これはいい 名応援曲誕生の予感】 大阪桐蔭 ウィリアムテル序曲
映画「ラ・ラ・ランド」より「Another day of sun」
20170817@甲子園 大阪桐蔭vs智辯和歌山ーララランド♪大阪桐蔭 中川選手
山本ダンテ武蔵選手のテーマ曲「君の瞳に恋してる」。
君の瞳に恋してる 大阪桐蔭応援 山本ダンテ アイラブユーベイベー
♪I love you ダンテ~
打てよダンテ~
走れダンテ~
打って走れ~
Queenの「We will rock you」。たぶん歴代主将のための応援曲。
(注)1回戦米子松蔭戦の動画
大阪桐蔭 We Will Rock You → ヒットテーマ
2番打者福井章吾捕手の打席。
♪桐蔭の頼れる2番
鋭い打球をスタンドへ
燃え上がれ しょうご
お前のバットで決めてやれ
打て 打て 章吾(章吾)章吾(章吾)
打て 打て 章吾(章吾)章吾(章吾)
ちなみに4年前の主将・森友哉(現西武)バージョン。
【準々決勝】大阪桐蔭-天理 3回表 森友哉 「we will rock you」
♪ …(途中から)…今 闘志
燃え上がれ 森友哉
お前の一打で決めてやれ
打て 打て 友哉 (友哉) 友哉(友哉)
打て 打て 友哉 (友哉) 友哉(友哉)
大阪桐蔭オリジナル曲。主砲のための「You are スラッガー」。
で、試合の結果ですが…
大阪桐蔭が接戦を制して3回戦に進出しました。
というわけで、野球もブラバンも、まさに期待通りの好対決が繰り広げられたのでした。
参考:これは素晴らしいまとめ
追悼・平尾昌晃さん…本ブログ掲載全9曲まとめ+おまけ1編
歌謡界の巨頭、作曲家の平尾昌晃さんが亡くなりました。謹んでお悔やみ申し上げたいと思います。歌謡曲を愛好する本ブログでは、内輪で不定期開催している「昭和歌謡レコード鑑賞会」のセットリストを紹介したりしていますが、その中でも平尾昌晃作品がたびたび登場します。
そこで、本ブログで「平尾昌晃」という名前が登場した記事を探してみたところ、9つの記事がヒットしました。それらは見事に楽曲の重複がなかったので、その9曲を紹介したいと思います。国民的ヒット曲から知られざる名曲まで、結果的にけっこういいセレクトになっていると思います。
「草原の輝き」アグネス・チャン
作詞:安井かずみ/作曲:平尾昌晃/編曲:馬飼野俊一(1973年7月25日)
この回の鑑賞会では、ゲストのNさんがアグネス・チャンのファンだったということでアグネスコーナーを設け5曲続けて聴きました。この曲もその中の1曲。まさに彼女の不動の代表曲でしょう。
しかしこの5曲の作曲者が、森田公一(ひなげしの花)、井上忠夫(恋のシーソー・ゲーム)、平尾昌晃(草原の輝き)、加藤和彦(妖精の詩)、吉田拓郎(アゲイン)と、全員違うヒットメーカーだというのも面白いです。
「カナダからの手紙」平尾昌晃・畑中葉子
作詞:橋本淳/作曲:平尾昌晃/編曲:森岡賢一郎(1978年1月10日)
20111124 002カナダからの手紙
quackey.hatenablog.com
どういった経緯でこの曲をかけたのか、今となっては記憶は定かではありませんが…たぶん、長丁場のこの回、中盤に差し掛かり楽曲それ自体にパワーのある曲をかけようということで、松村和子「帰ってこいよ」の次にかけたような気もしますが、いずれにせよ、この次に畑中葉子「後ろから前から」をかけて、それならと、引き続きエロ歌謡コーナーに突入していったのでした笑。
ともあれ、私が平尾昌晃という人を認識したのはこのデュエットが最初でした。たしか、当時シングルレコードを買ったと思いますし、この「夜のヒットスタジオ」の動画にもあるように平尾さんがかなり後方の立ち位置にいたことだとか、このふたりはどういう関係なんだろうと子供ごころに思ってたこととか、なんだかとても思い出深い曲です。
「想春賦」千葉まなみ
作詞:なかにし礼/作曲:平尾昌晃/編曲:竜崎孝路(1980年1月20日)
歌手の秋元あきこさんをお迎えして開催された第8回。これは主宰のO先輩が薦めてくれた曲ですが、平尾昌晃作品の中でも知られざる名曲といえるのではないでしょうか。もっとも、平尾さんのメロディというより、なかにし礼のセクハラ趣味っぽい歌詞や、そしてなにより千葉まなみの歌唱力が印象に残りますね(すみません)。
なお、千葉まなみは1980年デビュー組。同期が松田聖子、河合奈保子、柏原芳恵、三原順子、浜田朱里、岩崎良美、松村和子ら錚々たる豊作の年だったため埋もれてしまった感があります。ちなみにこの回で「想春賦」の次にかけたのが「デジタル・ナイト・ララバイ」でしたが、唄っている石坂智子(金沢市出身)も1980年組だったりします。
「よこはま・たそがれ」五木ひろし
作詞:山口洋子/作曲・編曲:平尾昌晃(1971年3月1日)
これぞ平尾さんの代表曲ともいえる作品。ただしこの回の鑑賞会では、この曲を作曲ではなく「作詞の妙」の例として取り上げています(すみません)。AメロBメロまでが「よこはま」「たそがれ」「ホテルの小部屋」「くちづけ」「残り香」「煙草のけむり」「ブルース」「口笛」「女の涙」と、名詞句の羅列だけで一夜の物語を写実するという大胆な作詞術に注目してみたのでした。
もちろん、だからこそ、淡々と呟くようなAメロBメロと、「あの人は行って行ってしまった…!」と嘆き高ぶるサビのコントラストを際立たせた平尾さんの作曲術もまた効果的だったといえます。
なお、この曲は平尾さんが作曲だけでなく編曲も手がけていますが、それはなかなかレアなケースなように思います。
「愛がはじまる時」風吹ジュン
作詞:有馬三恵子/作曲:平尾昌晃/編曲:馬飼野俊一(1974年5月1日)
主宰のO先輩が私向けに薦めてくれた1曲(「かっきーのツボ」コーナー笑)。風吹ジュンさんは現在もっぱら女優として活躍していますが、デビュー当時は歌手だったのですね。しかも、なんというか、あまりお歌がお上手ではない笑。そういう意味で、いまとなってはちょっとしたレア曲であります。
ただ、その舌足らずで不安定な歌い方だからこそ、「愛がはじまる時」という曲のコンセプト…純粋さにふさわしいともいえ、平尾さんの幸福感あふれる曲調がその雰囲気をしっかりと支えているように思います。
「グッド・バイ・マイ・ラブ」アン・ルイス
作詞:なかにし礼/作曲:平尾昌晃/編曲:竜崎孝路(1974年4月5日)
第12回。この回は鑑賞会の様子をUstreamで配信しており、見ていた方からtwitterでリクエストをいただいたのでした。その中の1曲がこれ。聴いたことはあるものの、平尾さんの曲だとは知りませんでした。今言われてみれば、たしかにメランコリック風味な平尾さんのメロディだなあと思えます。
「夜空」五木ひろし
作詞:山口洋子/作曲:平尾昌晃/編曲:竜崎孝路(1973年10月20日)
第13回。この回は、鑑賞会の仕掛け人の友人K氏によるリクエスト特集。K氏が思い入れの強い歴代レコード大賞曲を続けて聴くという趣向があり、その中の1曲でありました。「夜空」は1973年のレコード大賞受賞曲。先ほどの「よこはま・たそがれ」と同じく作詞・山口洋子とのコンビです。
なお、この曲は、O先輩によると、歌謡曲初のシンセサイザー使用曲とのことですが、残念ながら「よこはま・たそがれ」とは異なり、編曲は平尾さんではなく盟友・竜崎孝路さんであります。
「やさしさ紙芝居」水谷豊
作詞:松本隆/作曲:平尾昌晃/編曲:石川鷹彦(1980年7月21日)
3年前、作詞家の松本隆さんの誕生日に合わせて松本隆さんの記事を書いたものです。このときは厳選10曲を紹介したのですが、じつはこの曲はその10曲には入っておらず(すみません)、次点曲の1つとして紹介しています。
こちらはドラマ「熱中時代」第2シリーズの主題歌でした。なお、「熱中時代」シリーズ全体の音楽も担当しており、第1シーズン主題歌の「ぼくの先生はフィーバー」(原田潤)、「熱中時代・刑事編」主題歌の「カリフォルニア・コネクション」も平尾さんの作曲でした。
「ぶっちぎりの青春」ささきいさお
作詞:茜まさお/作曲:平尾昌晃/編曲:飛沢宏
14夏 市立川口 「ぶっちぎりの青春(川口オート)」→「中日チャンステーマ3」 140714
つい先日…1ヶ月ほど前の記事より。川口オートのテーマソングなのですが、ラジオで川口の話題になったときに思い出して思わず記事化してしまいました。実はこの「ぶっちぎりの青春」をもとにした中日ドラゴンズのチャンステーマが以前存在し、私はそちらのほうを先に知ってりおりました。原曲は後に知ったという次第。
平尾さんはオートレースの大ファンでもあり、川口オートには年間シートまで持ってたそうですね。
以上、本ブログに掲載実績のある平尾昌晃作品全9曲のご紹介でした。
あと…これをまとめるにあたってYouTubeで平尾作品を聴き漁っていたところ、これら9曲のほかにもグッときた楽曲陣がありました。それがこちら。
平尾さんは「熱中時代」より前から、「必殺シリーズ」のドラマ音楽を担当しており(大半は竜崎孝路さんが実作したという話も聞きますが)、特に第1作「必殺仕掛人」のエンディング主題歌「荒野の果てに」(山下雄三)は、以後のシリーズ全体で使われることになる印象的なフレーズを残してくれました。
さらに、シリーズ6作目「必殺仕置屋稼業」のエンディング「哀愁」を唄った葵三音子が「荒野の果てに」をカヴァーしたバージョンを発見。けっこう良い感じなのでこちらも。
「必殺!」ファンとしては、これら心シビれる音楽をつくってくれてありがとうとあらためて申し上げたいです。
合掌。
【OEK定期392PH】パイプオルガンとオーケストラの饗宴(2017/7/18@石川県立音楽堂コンサートホール)
2016-2017シーズン最後の定期公演は、今年度のOEKコンポーザー・オブ・ジ・イヤー、作曲家でパイプオルガン奏者のティエリー・エスケシュが登場。パイプオルガンの即興演奏と、新曲のオルガン協奏曲を自身で演奏します。指揮は井上道義音楽監督。
この日は早く会場入りすることができたので、開演前のロビーコンサートに間に合いました。OEKの坂本久仁雄さん、トロイ・グーギンズさん、大澤明さんによるハイドンのロンドントリオ。大澤さん曰く、今日本番で演奏する新曲は料理に例えると斬新な料理だが、このハイドンはご飯に味噌汁みたいな安心できる食事だと。演奏後、気持ちよかったので二楽章をもう一回弾きます、とまさかの自己申告アンコール笑
さて本番。井上さんが鍵盤ハーモニカで、シューベルト未完成のフレーズをもじった主題を提示。オルガンステージにひとり現れたエスケシュさんがそれをモチーフとした即興演奏を始めました。パイプオルガンの荘厳な響きが前面に出ると、まるでプログレッシヴ・ロックのようでした。
次は未完成。ステージ上手半分に管楽器、後段にヴィオラ・チェロ・コントラバスという変則配置。その効果はよくわかりませんでしたが(汗)、いずれにせよ不動の名曲であります。気持ちよく聴き入りました。
OEK首席チェロ奏者・カンタさんによるサン=サーンスのチェロ協奏曲。快速なテンポにも涼しい顔をしてさらりと弾きこなす、安定した技巧が冴え渡ります。さすが名手の演奏でありました。
後半は、エスケシュさんの新曲。パイプオルガンの音色というのはこんなにも多彩なのかと。あるときはフルートのようにやわらかく、ファゴットのようにあたたかく、マリンバのように可愛らしく。また、激しく叩く打楽器のように。打楽器といえば、この曲はさまざまな打楽器が大活躍する曲で、3人の打楽器奏者がそれぞれ幾つもの楽器を目まぐるしく使い分けていきます。演奏後、パーカッションの渡邊さんが他のメンバーとハイタッチをしていましたが、その気持もわかります。
というわけで、今シーズンの定期公演はすべて終了。楽しませていただきました。また来シーズンを楽しみにしてます。
オーケストラ・アンサンブル金沢
第392回定期公演フィルハーモニーシリーズ2017年7月18日(火)19:00開演
石川県立音楽堂コンサートホール指揮:井上道義
オルガン:ティエリー・エスケシュ
チェロ:ルドヴィート・カンタ■エスケシュによるオルガン即興演奏
■シューベルト:交響曲 第7番(旧第8番)ロ短調「未完成」D759
■サン=サーンス:チェロ協奏曲 第1番 イ短調 作品33
■エスケシュ:オルガン協奏曲(新曲・委嘱作品)